「自動車税の支払いが厳しい」と、延滞金がかからないギリギリまで“先延ばし”するという友人。3ヶ月くらいなら平気とのことだけど、本当に大丈夫なの? プリウス「3万6000円」のケースで解説
しかし、自動車税に限らず、税金は納付期限が過ぎてしまうと「延滞金」がかかってしまいます。しばらくの間は延滞金が請求されないという話を耳にすることもありますが、実際のところ、延滞金はいつから発生するのでしょうか。
本記事では、自動車税と延滞金について詳しく解説します。
ファイナンシャルプランナー2級
納付が遅れるといつから延滞金がかかる?
税金は納付期限までに納めることが原則であり、期限を過ぎてしまうと延滞金が発生します。延滞金は納付期限の翌日から実際に納付された日までの期間の日数に応じて日割り計算され、本来の税金と合わせて納税義務者に請求されます。
東京都では、2022年1月1日から2025年12月31日までの延滞金の率を、次のように設定しています。
納期限の翌日から1ヶ月を経過する日までの期間…2.4%
納期限の翌日から1ヶ月を経過した日以降の期間…8.7%
税金の種類によって異なりますが、延滞金は1円単位では請求されることはなく、100円未満あるいは1000円未満は切り捨てとして請求されます。
自動車税の場合は、1000円未満切り捨てとなるため、計算上999円までは延滞金は請求されないのです。これが本ケースの友人が「延滞金がかからないギリギリまで納付を先延ばしする」と言っている理由でしょう。
プリウスの場合、延滞金はいつからかかるの?
自動車税の延滞金は1000円を超えたときから請求されますが、具体的にいつから延滞金が発生するのでしょう。
ここでは、一般的なプリウスを例に挙げてみます。2020年10月1日以後に初回で新規登録された、排気量が1.8リットルのプリウスの場合、自動車税は3万6000円です。ただし、自動車税種別割グリーン化特例の適用は受けないものとします。
仮に1ヶ月税金を払い忘れていたとすると、延滞金は次のように計算されます。
3万6000円(税額)×30日(納付を忘れた期間)×2.4%÷365日=71.01円
ただし、延滞金が1000円未満の場合は納付義務がないので、事実上1ヶ月では延滞金はかからないということになります。
では、延滞金がかからないぎりぎりのラインはどこなのかを計算してみましょう。
延滞金は30日以前と以降で異なるので、分けて計算していきます。
最初の30日の延滞金
3万6000円×2.4%×30日÷365日≒71円
999円(延滞金のかからないライン)-71円=929円
30日以降で延滞金が929円になるまでの日数
929円=3万6000円×8.7%×X日÷365日
→X≒108.3日
延滞期間が合計して、30日(2.4%適用)+108日(8.7%適用)=138日以内なら、延滞金は1000円未満となります。つまり、納期限から139日目以降になると、延滞金が1000円を超えてくるため、延滞金を課されるということになります。
自動車税は速やかに納付しましょう
自動車税は納付期限を過ぎると延滞金がかかりますが、1000円未満の場合は切り捨てとなり請求されません。しかし、延滞金が1000円未満だから払わなくていいといっても、自動的に課されないだけで、計算上は発生しています。自動車税に限らす、税金は納付期限までに速やかに納付するようにしましょう。
出典
東京都主税局 税金の支払い
東京都主税局 自動車税種別割
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級
