住民税額によって「副業が会社にバレる」と聞きます。会社にバレない方法はないのでしょうか?
本記事では副業が会社にバレる仕組みと、バレないための確定申告のコツを解説します。
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目次
副業が会社にバレる? 住民税の仕組み
「住民税額によって副業が会社にバレる」とはどういうことでしょうか。結論からいうと、副業で所得が増えた場合、それに伴って住民税額も変動するため、会社に知られてしまう可能性はあります。
住民税は前年の所得を基に計算され、翌年6月から給与天引き(特別徴収)で徴収されます。会社は、毎年5~6月ごろに市区町村から送付される「住民税決定通知書」で、各従業員の税額を把握します。
例えば、本業の年収が300万円で住民税が年間約10万円の人が、副業で年間50万円の所得を得たとしましょう。すると住民税は約5万円増加し、合計で約15万円になることもあり得ます。経理担当者が、この前年からの税額の不自然な増加に気づき、「ほかに収入があるのではないか?」と疑問を持つのが、住民税から副業が発覚する主な仕組みです。
なぜ住民税でバレる? 通知の仕組みと注意点
副業で所得を得ると、その所得も合算されて住民税が計算されるため、本業の給与収入のみの場合と比較して住民税額は確実に高くなります。
もし、同じ部署で役職や勤続年数が近く、給与水準もほぼ同じ同僚と比較して、あなたの住民税額だけが年間数万円単位で高ければ、経理担当者がその差異に気づき、副業の可能性を疑う十分な理由となり得るでしょう。
特に注意すべきは、副業がアルバイトなどの「給与所得」の場合です。副業先も市区町村へ給与支払報告書を提出するため、本業の会社に届く通知書には住民税額のみが記載されますが、税額の増加から副業の存在を疑われることがあります。
バレにくくする確定申告のコツ
会社に副業の事実を知られずに済ませる対策の一つとして、「住民税の普通徴収」を選択する方法があります。
確定申告書の第二表「住民税に関する事項」で「自分で納付」に印を付ければ、副業所得分の住民税を自分で直接納付できます。これにより、本業の会社には本業分の税額のみ通知され、副業による税額増を知られるリスクを減らせるでしょう。
ただし、副業がアルバイトなど「給与所得」の場合は、法律上、副業先が特別徴収義務を負うため原則として普通徴収を選択できません。また、自治体によっては会社員など給与所得者の普通徴収への切り替えを制限する場合もあるため、事前に役場への確認が不可欠です。
また、普通徴収を選択した場合、自宅に届く納付書で通常年4回に分けて期限までに自分で支払う手間と責任が生じ、滞納すると延滞金も発生する点に注意が必要です。
住民税以外にも注意! 副業がバレるその他の要因
住民税対策を万全にしても、副業が会社に知られるリスクは残ります。住民税以外でバレる主な要因は、以下の2つです。
まず、最も古典的で依然として多いのが「人からのうわさ」でしょう。副業の成果を話すのが親しい同僚だとしても、その情報が意図せず上司や人事部の耳に入る可能性があります。勤務先の就業規則で副業が禁止されている場合は、職場での話題は避けるのが賢明です。
次に、現代社会特有のリスクとして「SNSを通じた情報漏えい」が挙げられます。
匿名アカウントでも、日々の投稿内容や交友関係から個人が特定されたり、社内の人間が偶然発見したりすることもあり得ます。副業で得た収入で購入した派手な買い物自慢や、具体的な業務内容の発信は、自らのリスクを高めることになるため控えてください。
副業のリスクと対策を知って安心して始めよう
副業が会社にバレる主な原因は、所得増による住民税額の変動です。会社への通知で、経理担当者が気づくことがあります。対策として、確定申告時に副業分を普通徴収(自分で納付)にする方法がありますが、アルバイトなどの給与所得の場合は原則として普通徴収を選択できず、自治体によって対応が異なるため事前の確認が必要です。
しかしこれらの対策をしても、うわさ話やSNSなど、他の要因でバレる可能性があります。多様なリスクを総合的に理解し、会社の就業規則を確認したうえで、慎重な判断と適切な対応を心掛けるようにしましょう。
出典
総務省 個人住民税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
