「所得税3万円」をうっかり払い忘れ…税務署から『延滞税』の通知が届きました。いくら上乗せされるのでしょうか?
今回は、延滞税の概要や計算方法、税金の支払い期限を過ぎたときの注意点などについてご紹介します。
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延滞税は期限を過ぎた日数によって金額が決まる税金
延滞税は税金の利息に相当する税金です。国税庁によると、延滞税が発生する例としては以下が挙げられます。
●確定申告などで決定した税金を期限までに支払っていない
●期限後申告や修正申告後の税金を支払っていない
●更正もしくは決定の処分後の税金を支払っていない
延滞税の課税対象になった場合、期限から過ぎた月数によって計算式が変わります。例えば、令和4年1月1日~令和7年12月31日までの期間で延滞したときは以下の通りです。
なお、この期間の延滞税率は固定されており、納付期限の翌日から2ヶ月を過ぎる日までは2.4%、2ヶ月を経過した日からは8.7%です。税率が変わるため、計算式も2ヶ月を区切りとして2つあります。
●(支払いが必要な税額(1万円未満切り捨て)×2.4%×納付期限の翌日から2ヶ月を過ぎる日までの日数または完納までの日数)÷365日(1円未満切り捨て)
●(支払いが必要な税額(1万円未満切り捨て)×8.7%×納付期限の翌日から2ヶ月を経過した日から税金を支払い終わった日までの日数)÷365日(1円未満切り捨て)
延滞税額は、この2つの式の合計額の100円未満を切り捨てた金額になります。なお、税率は延滞した期間によって変わるため、計算時によく確認しておきましょう。
延滞税の計算例
今回は、以下の条件で税金を支払い忘れたときの延滞税を計算しましょう。
●所得税3万円を支払い忘れた
●納付期限は令和7年3月15日
●実際に支払い終わったのは令和7年7月15日
条件の通りだと、期限の翌日から2ヶ月を経過する日までは61日、2ヶ月を経過した日から支払い終わった日までは61日です。計算式に当てはめると、以下のようになります。
●2ヶ月を経過する日まで:3万円×2.4%×61日÷365日=120円
●2ヶ月を経過した日から支払い終わった日まで:3万円×8.7%×61日÷365日=436円
●合計:120円+436円=556円
100円未満は切り捨てるため、今回のケースだと延滞税は500円が課されます。
延滞税の計算期間の特例
延滞税では、一定条件を満たしていると、特例として一定期間を含めずに税額の計算ができます。国税庁によると、特例の条件は以下のいずれかに該当している場合です。
●期限内に申告しており、法で定められた申告期限から1年過ぎてから修正申告や更正をした
●期限内に申告しており、その申告から1年過ぎてから修正申告や更正がされた
●確定申告提出後に減額更正が行われ、そのあとでさらに修正申告や更正がされた
ただし、意図的に税金を申告しなかったり少なく申告したりする不正や偽りがあった場合は、たとえこれらの条件を満たしていたとしても、特例は適用されません。
納付し忘れていた期間に応じて税金の金額は大きくなる
延滞税は、支払っていない期間が長くなるほどに税額が高くなる、税金の利息の側面を持つ税金です。特に、2ヶ月を境目に税率も高くなるため、支払っていないことに気づいたときはできるだけ早く納付するようにしましょう。
今回のケースだと、3万円を約4ヶ月納付し忘れていた場合で延滞税は500円でした。
なお、期限内に税金申告をしていた場合で、1年がたってから修正申告や更正をした場合は延滞税の適用期間を短くできるでしょう。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
