ガソリン暫定税率25.1円/L、廃止でどれだけ浮く? 月間ガソリン代「1万円」世帯の節約シミュレーション
この記事では、月1万円分のガソリンを使う家庭を例に、暫定税率廃止時の節約効果を試算します。
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目次
ガソリン税の暫定税率とは? 制度の仕組みと最新動向
ガソリン税は、「揮発油税」と「地方揮発油税」の合計で構成されており、その本則部分は1リットルあたり28.7円です。ここに「暫定税率」と呼ばれる上乗せ分25.1円が加算され、合計で1リットルあたり53.8円に達します。
この暫定税率は、元々暫定的な措置として導入されたものの、実際は50年以上にわたり継続されてきました。近年では燃料油価格の高騰もあり、家計への負担や二重課税(ガソリン税が課税された上で消費税がかかる仕組み)などが問題視されてきました。
そして10月31日、暫定税率が今年の12月31日に廃止されることが与野党6党の間で合意されました。現行ではガソリン補助金による価格抑制策も採用されていますが、補助金終了と暫定税率廃止が同時に進められる見通しです。この動きは暮らしや経済に大きく影響すると考えられます。
暫定税率廃止でガソリンはいくら安くなる?
暫定税率が廃止となる場合、1リットルあたり約25円の税がなくなります。そのため暫定税率部分がストレートにガソリン価格の値下げとなりますが、加えて消費税の課税対象が減る分、さらなる軽減効果があります。
実際は現在、政府の補助金(1Lあたり10円)が設定されているため、廃止と同時に補助金も終了する場合、最終的な値下げ幅は約15円前後になる見込みです。
例えばガソリン価格が1L=170円の場合、補助金終了後に暫定税率が廃止されれば、概算で1Lあたり約155円程度に下がると考えられます。政府が発表している全国平均価格や政策状況を注視し、今後の価格変動に備えましょう。
「月1万円消費」世帯でどこまで節約できる? シミュレーション
月に1万円分のガソリンを消費している家庭を仮定し、暫定税率廃止の節約効果を試算します。ガソリン単価を170円/Lとした場合、1万円では約58.8L(=1万円÷170円/L)使用する計算です。
この家庭が暫定税率25.1円/Lの廃止による恩恵を受けた場合、1ヶ月あたり58.8L×25.1円=約1476円の節約となります。年間に換算すると、単純計算で約1万7712円の負担軽減効果になるでしょう。
ただし実際には、補助金など他の政策動向や地域ごとの価格差によって効果には幅が出る点にご留意ください。具体的な家計メリットが数字で可視化できることから、暫定税率廃止が家計改善に直結するのは明らかといえます。
将来の課題と家計への前向きな展望
ガソリン税の暫定税率廃止は家計負担を軽減する一方、1兆円規模の税収減や、道路整備への影響が懸念材料とされています。今後は、代替財源の確保や環境対策、エネルギーの多様化についても同時に議論が必要です。
とはいえ、短期的には家計の負担軽減は大きな効果をもたらします。各ご家庭で省エネ運転やカーシェアリングなどの交通費節約も合わせて実践し、無理なく賢いマネープランを立てることが望まれます。
今後も最新政策と家計動向を注視しながら、前向きに生活設計を考えていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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