2025年末から「ガソリンが15円安くなる」って本当ですか? もし「暫定税率」が“廃止”されたら、家計負担はどれだけ減る? 節約効果をシミュレーション

配信日: 2025.11.27
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2025年末から「ガソリンが15円安くなる」って本当ですか? もし「暫定税率」が“廃止”されたら、家計負担はどれだけ減る? 節約効果をシミュレーション
物価がじわじわ上がり続けている今、車を使う人にとってガソリン代は毎月の支出の中でも特に気になるところでしょう。そんな中、2025年12月末でガソリン税の旧暫定税率が廃止され、価格が約15円下がる見込みというニュースが出ています。
 
本記事では、旧暫定税率が廃止による値下げが家計にどのような変化をもたらすかを明確にします。
諸岡拓也

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

旧暫定税率の廃止はいつ?

ガソリン税には、元々の税額に加えて旧暫定税率(1リットルあたり25.1円)の上乗せが長年続いてきました。導入当初は時限的な措置とされていましたが、実質的には本税のように扱われてきた部分です。
 
この旧暫定税率は、2025年12月31日に廃止する方針が政府から正式に示されています。さらに、軽油の旧暫定税率も、2026年4月1日に廃止が決定しており、ディーゼル車を使う家庭でも燃料費が軽くなる見込みです。
 

廃止までのガソリン価格の動き

ガソリン代が実際に安くなる時期は、補助金の動きによって変わります。国は価格の急変を抑えるために、激変緩和措置(価格を下げるための補助金)を実施しており、2025年11月以降は、この補助金が10円→15円→20円→25.1円へと段階的に引き上げられています。
 
これは、旧暫定税率が廃止される前後で価格が急に変動しないよう調整するためのものです。廃止後は、この補助金が徐々に小さくなり、最終的には終了します。こうした段階的な動きを経て、ガソリンの店頭価格は最終的に平均約15円下がり、家計でも実感できるようになるでしょう。
 
2025年11月以降のガソリン小売価格の流れは図表1のとおりです。
 
図表1

図表1

資源エネルギー庁 ガソリンの暫定税率(当分の間税率)の廃止でガソリン代はどうなるの?よくいただく質問に、資源エネルギー庁がお答えします!
 

ガソリン代の値下がりで年間どれくらい家計負担が減る?

こうした段階的な価格調整が進むことで、家計が節約を実感しやすくなるのは2026年に入ってからだと見込まれます。つまり、ガソリン価格は徐々に下がっていきますが、補助金の効果が小売価格に反映されるにはある程度の時間がかかるため、2026年に入ってからのほうがよりお得に給油しやすくなる流れです。
 
それでは、この値下がり幅が実際の家計にどれくらい影響するのでしょうか。一般家庭で多い1回50リットル程度の給油なら約750円の節約、月2回の給油で月1500円、年間では約1万8000円の負担減になります。
 
車通勤や送迎が多い家庭、車通勤の距離が長い家庭などでは給油頻度が増えるため、月3回の給油で年間2万7000円前後の節約など、節約効果はより大きくなります。
 

気になる国の財源問題と今後の税制のゆくえ

旧暫定税率が廃止されると、国の税収は年間で約1兆5000億円少なくなる見込みです。この規模になると、そのままにしておくことは難しく、国としては別の形で収入を確保する方法を考えざるを得ません。
 
法人税の租税特別措置や高所得者への税負担の見直しが検討されており、これらについては年末までに結論を出す方針が示されています。つまり、今回ガソリン代が下がること自体は家計にとってプラスですが、国全体の税制は今後も調整が続く可能性があるため、長期的な方向性を見守る必要があります。
 

家計が押さえるべき判断軸と今後の備え方

ガソリン代が下がるのはうれしいものの、浮いた分をどう使うかで将来の差が出ます。節約額をそのまま消費に回さず、教育費や老後資金に振り向ければ家計の安定につながります。今回の値下げを「将来の備えを強化するきっかけ」にする視点も大切かもしれません。
 

出典

資源エネルギー庁 ガソリンの暫定税率(当分の間税率)の廃止でガソリン代はどうなるの?よくいただく質問に、資源エネルギー庁がお答えします!
 
執筆者 : 諸岡拓也
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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