子どもが「病気」にかかることが多く、「治療費」がかさみます。「バス」で病院まで行くことが多いのですが、交通費は医療費控除の対象になるのでしょうか?
そこで気になるのが、「交通費も医療費控除の対象になるのか? 」という点です。本記事では、医療費控除の基本から、バスや電車で通院した際の交通費の扱いまで、わかりやすく解説します。
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目次
医療費控除とは? 基本の仕組みをおさらい
医療費控除とは、1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告で所得から差し引ける制度です。これにより、所得税や住民税の負担を軽減できるという仕組みになっています。
対象となるのは、本人だけでなく「生計を一にする配偶者や家族」の分も含まれます。たとえば、同居している子どもの医療費や通院費も、保護者がまとめて申告できます。控除の対象となる医療費は、主に次のようなものです。
・医師や歯科医による診療・治療費
・処方薬や治療のための医薬品代
・入院費や手術費
・通院のための交通費(一定の条件を満たす場合)
バス・電車・タクシーなどの交通費は対象になる?
医療費控除の対象となる交通費は、「治療を受けるために実際に支払った費用」に限られます。つまり、以下のような条件を満たしている必要があります。
・病気やけがの治療のために通院したとき
・バス・電車・タクシーなど公共交通機関を利用したとき
・実際に支払った金額が明確にわかるとき(領収書やメモなどで記録しておく)
たとえば、子どもが熱を出して小児科へ行くためにバスを利用した場合、そのバス代は医療費控除の対象になります。また、どうしても公共交通機関が使えず、やむを得ずタクシーを利用した場合も対象となります(ただし、遊びや買い物のついでに立ち寄った場合などは除外)。
・通院に自家用車を使用した場合のガソリン代や駐車場代
・病院への送迎を目的としないタクシー利用(買い物途中など)
・付き添い以外の家族の交通費
つまり、日常的に使っている自家用車のガソリン代などは医療費控除には含まれません。あくまで「実際に支払った公共交通機関の運賃」が対象となる点に注意しましょう。
子どもの付き添い交通費はどうなる?
小さな子どもの場合、1人で通院することはほとんどありません。保護者が付き添うケースが一般的です。この場合、保護者の交通費も医療費控除の対象になります。
国税庁の見解でも、子どもが1人で通院できない年齢や状態であるなら、付き添いの交通費も「治療に直接関係する支出」として認められます。たとえば、母親と子どもが一緒にバスで通院した場合、母子それぞれの往復バス代を医療費として計上して構いません。
領収書や記録の残し方 ― 証明が重要!
近年、医療費控除の申告では、医療費の領収書の提出が不要になりましたが、5年間は自宅での保管義務があります。交通費については領収書が出ないことが多いですが、その場合は「日付」「交通手段」「区間」「金額」「理由」を記録したメモを残しておくことが大切です。
小さな交通費も積み重ねれば大きな節税効果に
子どもの病気が多い時期は、治療費に加えて交通費もばかになりません。
しかし、これらの支出をきちんと記録し、確定申告で医療費控除を申請すれば、所得税や住民税の還付を受けられます。医療費控除のポイントをまとめると以下の通りです。
1.病気やけがの治療目的の交通費は対象
2.公共交通機関の運賃が原則対象(自家用車のガソリン代は除外)
3.子どもの付き添い交通費もOK
4.領収書がなくても、日付・区間・金額を記録しておく
日々のバス代や電車代も、年間を通してみれば数千円から数万円になることもあります。「小さな出費だから」と見過ごさず、しっかり管理して申告することで、家計にやさしい節税につながるでしょう。
出典
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
