今年は医療費「8万円」なのですが、社員からパートになり年収が「150万円」程度に…年収が大きく下がると医療費控除は受けられませんか?

配信日: 2025.12.27
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今年は医療費「8万円」なのですが、社員からパートになり年収が「150万円」程度に…年収が大きく下がると医療費控除は受けられませんか?
医療費控除は、その年に支払った医療費が一定金額を超えていると受けられる所得控除です。しかし、「医療費を支払った年に年収が下がると、受けられる医療費控除額も少なくなったり受けられなかったりするのでは」と考える人もいるかもしれません。
 
今回は、医療費控除の対象となる人や医療費控除の計算に必要な総所得金額等の求め方、無職になった場合などについてご紹介します。
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医療費控除の対象者とは

国税庁によると、医療費控除は納税者が自分または同一生計の配偶者、その他の親族のためにその年の1月1日~12月31日の間に支払った医療費が、一定額を超えている場合に適用されます。医療費控除の対象となる金額は「医療費の実負担分-保険などによる補てん金-10万円(総所得金額等が200万円未満であれば総所得金額等×5%の金額)」です。
 
計算式から分かるように、保険金などによる補てんがない場合、基本的な金額は「10万円を超えるかどうか」です。ただし、総所得金額等が200万円未満になると、基準額は収入に応じて変動します。もし年収が以前より大きく下がった場合、医療費控除の基準額が変わっている可能性があります。
 
その場合、医療費の実負担分が8万円であっても、対象になることもあり得るでしょう。
 

総所得金額等の求め方

年収の変動により医療費控除の基準が変わるかを知りたい場合は、総所得金額等の求め方を知っておきましょう。
 
国税庁によると、総所得金額等は以下の手順で求められます。
 

(1)事業所得、不動産所得、給与所得と、総合課税の利子所得、配当所得、短期譲渡所得および雑所得の合計額を求める
(2)(1)に総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額の2分の1の金額を加算する
※対象の繰越控除を受けている場合、繰越控除後の金額で計算する
(3)(2)に退職所得と山林所得を加算すると、総所得金額等

 
基本的に、給料以外の収入がない人は、給与所得を求めると「総所得金額等」となります。しかし、投資や株などでほかにも収入を得ている場合は、その金額も加算が必要です。
 
そのため、年収が150万円でも、ほかの所得により総所得金額等が200万円以上になる可能性があります。複数の収入源がある人は、まずそれぞれの所得を求めてから医療費控除の対象になるかを判断しましょう。
 

もし無職になったら医療費控除はどうなる?

無職になって収入が一切ない場合、そもそも課税対象となる所得が生じないため、医療費控除も受けられません。医療費控除は、課税対象となる所得から差し引く所得控除であり、課税されていなければそもそも対象にならないためです。
 
しかし、無職であっても、確定申告が必要な人の場合は医療費控除を受けられる可能性があります。対象者となる条件のひとつは納税者であることなので、無職であってもほかに課税対象となる収入があれば医療費控除の対象となります。無職でも医療費控除を受けられる可能性がある例は、以下の通りです。
 

・退職をした年に医療費の支払いを行った
・老齢年金を受け取っている
・家賃収入や保険金など、課税対象となる収入がある

 
また、自分に収入がなくても、かかった医療費が家族の医療費控除の対象となる場合もあります。納税者が同一生計の家族のために負担した医療費は、納税者の医療費控除の対象として加算できるためです。
 

年収が下がっても条件を満たしていれば医療費控除は受けられる

医療費控除の対象となる金額は、その年の総所得金額等が200万円未満かどうかで変わります。以前の年収では、10万円を超える医療費でないと対象にならなかった人でも、年収が下がることで8万円程度の実負担でも医療費控除を受けられる可能性があります。
 
医療費控除の対象となるか分からない場合は、自分の総所得金額等を求めてみるとよいでしょう。
 
ただし、今回のケースのように年収150万円でほかに収入がないのであれば、一般的には総所得金額等は200万円を下回る水準になります。そのため、保険などによる補てん金を差し引いた医療費の実負担額が「総所得金額等の5%」を超えていれば、医療費控除の対象となるでしょう。
 
また、無職の場合でも、ほかに課税対象となる収入があるなど、一定のケースで医療費控除を受けられる場合はあります。該当するかどうか、一度確認しておくことが大切です。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) 専門用語集 総所得金額等
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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