年末年始の帰省手当が「まるっと課税対象」に⁉ 単身赴任者が勘違いしやすい“課税の仕組み”を確認

配信日: 2025.12.28
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年末年始の帰省手当が「まるっと課税対象」に⁉ 単身赴任者が勘違いしやすい“課税の仕組み”を確認
単身赴任者が帰省する際、帰省手当を支給している会社もあるようです。
 
この帰省手当が給料の一部として支給されている場合、原則として所得税の課税対象となり、給料から差し引かれる税額が多くなる可能性があります。
 
本記事では、単身赴任者に支給される帰省手当について詳しく解説するとともに、非課税になるための条件もまとめています。
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単身赴任者に支給される「帰省手当」とは?

会社が単身赴任者に支給する「帰省手当」は、単身赴任先から自宅へ帰省する際の交通費として支給されるものです。支給するかどうかは会社の判断によるため、すべての会社で支給しているわけではないでしょう。
 
厚生労働省の「令和2年就労条件総合調査」によると「単身赴任手当」などを支給している企業の割合は企業全体の13.1%で、金額の平均は4万7600円です。帰省手当が単身赴任手当に含まれているケースもあると考えられますが、実際の支給内容や内訳は企業ごとに異なります。
 
また、帰省手当が支給される条件も会社によって異なりますが、勤続年数や交通費の証明有無などが挙げられることもあるようです。
 
支給回数や支給金額には上限が設けられていることが一般的で、支給回数もしくは支給金額が固定されている場合があります。
 

単身赴任者の帰省手当は給料の一部?

単身赴任者に支給される帰省手当は給料の一部として扱われるため、原則として所得税の課税対象になります。
 
なぜなら、帰宅のための交通費は私的な支出であり、会社の仕事には直接関係ありません。つまり、会社が当然支給しなければならない費用ではなく、労働の対価としてもらうお金なので「報酬(給料)」として扱う必要があります。
 
そのため、帰省手当を受給した場合、その年の給料から引かれる所得税額が例年より多くなる可能性があります。
 

帰省手当が非課税になる条件は?

国税庁によると、仕事をするうえで必要な帰省と認められる場合に限り、帰省手当が非課税になるということです。
 
例えば会議に参加するために本社へ行く必要がある際に、それに合わせて自宅に帰るなど、職務と併せて帰省する場合の交通費については、非課税になることがあります。会議のために出社する日の前後の日を自宅で過ごす場合などが該当するでしょう。
 
そのため、今回の事例の「年末年始の帰省」が職務遂行上必要でないものである場合、帰省手当をもらうと課税対象になると考えられます。
 
ただし、職務遂行上必要であると認められた場合であっても、所得税基本通達9-3に定められている「非課税とされる旅費の範囲」を著しく逸脱した場合は、課税対象とされる可能性があるので注意が必要です。
 

単身赴任者に支給される帰省手当は職務遂行上必要な帰省でない限り原則として課税対象になる

単身赴任者が自宅へ帰省するにあたって、帰省手当を支給している会社もあります。職務遂行上必要な帰省でない場合、帰省手当は原則として課税対象となり、その年の給料から引かれる所得税額が例年より多くなる可能性があります。
 
今回の事例のように、年末年始の帰省に際して支給される帰省手当は、職務との関連性がない限り、基本的に課税対象になると考えてよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和2年就労条件総合調査 結果の概況 2 賃金制度 (3)諸手当 (2~3ページ)
国税庁 質疑応答事例 源泉所得税 単身赴任者が会議等に併せて帰宅する場合に支給される旅費
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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