子どもの「歯科矯正」で“50万円”かかりました。年収700万円ですが「医療費控除」はいくら受けられますか?「適用あり・なし」の税金をシミュレーション

配信日: 2026.01.22
この記事は約 4 分で読めます。
子どもの「歯科矯正」で“50万円”かかりました。年収700万円ですが「医療費控除」はいくら受けられますか?「適用あり・なし」の税金をシミュレーション
2月が目前となり、確定申告の時期が近づいてきました。医療費控除は、年末調整では適用を受けられないため、確定申告を行う必要があります。子どもの歯の矯正費用は高額なため、医療費控除の対象になるか気になる人も多いのではないでしょうか。
 
今回は、歯の矯正治療で医療費控除の対象になるケースとならないケースを解説します。また、年収700万円の場合、医療費控除はいくらになるのか、税金の負担がどれくらい軽くなるのかをシミュレーションします。
金成時葉

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

歯の矯正費用が医療費控除の対象になるケース

歯の矯正費用が医療費控除の対象になるケースは、年齢や目的から見て、矯正が必要と認められた場合です。
 
例えば、子どもの歯並びやかみ合わせが悪く、将来的に虫歯や歯周病などになるおそれがあるため、矯正が必要と判断された場合が該当するでしょう。一方、見た目を美しくするための矯正費用は、医療費控除の対象になりません。
 

通院費も医療費控除の対象になる

治療のための通院費は、医療費控除の対象になります。例えば、通院で電車やバスを利用したとき、これらの交通費は通院費として認められます。また、子どもだけでなく、親などの付添人の交通費も通院費に含まれるため、日付と金額を記録しておくようにしましょう。
 
ただし、自家用車で通院したときのガソリン代や駐車場代は、医療費控除の対象にはなりません。あくまで公共交通機関を利用した場合に限られる点には、注意しましょう。
 

矯正費用をデンタルローンで支払う場合も医療費控除の対象になる

歯の矯正費用は高額なため、デンタルローンを利用する人もいるでしょう。デンタルローンとは、信販会社が治療費を立て替え、立て替えた分を患者が信販会社に分割で返済するものです。
 
ローンを利用した場合、信販会社が立て替えた金額分は、立て替えた年の医療費控除の対象となります。ただし、ローンにかかる金利や手数料は医療費控除の対象にはなりません。支払いを証明する書類として、デンタルローンの契約書や信販会社の領収書を保存しておきましょう。
 

歯の矯正費用50万円で年収700万円の場合の税金シミュレーション

それでは、年収700万円で歯の矯正費用が1年間で50万円かかった場合、医療費控除額はいくらになるのか、税金はいくらになるのかをシミュレーションしてみましょう。
 

歯の矯正費用が50万円だった場合の医療費控除額

歯の矯正費用が50万円だった場合、医療費控除額はいくらになるのでしょうか。医療費控除額の計算式は次の通りです。
 
医療費控除額=(実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額)-10万円(その年の総所得金額が200万円未満の場合、総所得金額の5%)

 
今回のケースで計算してみると、医療費控除額は40万円です。なお、控除額の上限は200万円です。
 

医療費控除の適用を受けた場合の税金シミュレーション

それでは年収700万円の場合、医療費控除の有無で所得税がどれくらい変わるのかを計算してみましょう。なお、今回は分かりやすくするため、社会保険料控除は含めていません。家族構成は次の通りです。


夫:年収700万円
妻:専業主婦
子ども:10歳

まずは年収から給与に応じて異なる給与所得控除を差し引き、給与所得を求めます。今回の場合は次の通りです。


給与所得控除:700万円×10%+110万円=180万円
給与所得:700万円-180万円=520万円

給与所得から該当する所得控除を差し引き、課税所得を求めます。今回は基礎控除(63万円)、配偶者控除(38万円)、医療費控除(40万円)の3つを差し引きます。
 
課税所得:520万円-(63万円+38万円+40万円)=379万円
 
最後に、所得税を求めてみましょう。
 
所得税:379万円×20%-42万7500円=33万500円
 
歯の矯正費用50万円の医療費控除を適用した場合、所得税は33万500円となりました。
 

医療費控除の適用を受けなかった場合の税金シミュレーション

次に、医療費控除の適用を受けなかった場合のシミュレーションをしてみましょう。課税所得と所得税の計算式は次のようになります。


課税所得:520万円-(63万円+38万円)=419万円
所得税:419万円×20%-42万7500円=41万500円

医療費控除の適用を受けた場合と比較して、所得税が8万円高くなりました。医療費控除の恩恵が大きいことが分かるでしょう。
 

医療費控除の適用を受けるために必ず確定申告をしよう

年齢や目的から見て歯の矯正が必要と認められた場合、矯正費用も医療費控除の対象となります。また、公共交通機関を利用した場合の通院費やデンタルローンを利用した場合も控除の対象です。
 
冒頭でも触れたように、医療費控除の適用を受けるためには確定申告をしなければなりません。歯の矯正費用の支払いがあった場合は、忘れず確定申告をするようにしましょう。疑問点や不明点があるときは、税務署に問い合わせることをおすすめします。
 

出典

国税庁 No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
 
執筆者 : 金成時葉
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

KSgroup様
  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問