年金が「年200万円」、清掃員のアルバイトで「年収50万円」です。確定申告をしないと指摘されますか?

配信日: 2026.01.25
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年金が「年200万円」、清掃員のアルバイトで「年収50万円」です。確定申告をしないと指摘されますか?
老後は年金を中心に生活しながら、体力に無理のない範囲でアルバイトをしている人も少なくありません。
 
その一方で、「年金とアルバイト収入がある場合、確定申告は必要なのか」「申告しなかったら、あとから税務署に指摘されるのでは」と不安を感じる人も多いでしょう。
 
本記事では、年金が年200万円、清掃員のアルバイトによる年収が50万円あるケースを想定し、確定申告が必要かどうかの判断基準と、注意すべきポイントを整理します。
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対象となる公的年金受給者には「確定申告不要制度」が設けられている

公的年金等の受給者には、一定の条件を満たす場合に確定申告が不要となる「確定申告不要制度」が設けられています。国税庁の整理では、老齢年金などの公的年金等の収入があり、次の2つの条件をどちらも満たす場合、原則として所得税および復興特別所得税の確定申告は不要とされています。
 
1つ目は、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下であることです。今回のケースでは、年金収入が年200万円のため、この条件は満たしています。
 
2つ目は、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であることです。この「公的年金等に係る雑所得以外の所得」には、給与所得や生命保険の満期返戻金などが含まれます。
 

アルバイト収入50万円は「公的年金等に係る雑所得以外の所得金額20万円以下」に該当するのか

ここで重要になるのが、アルバイトの「年収50万円」という数字をそのまま先ほどの「20万円」と比較するわけではない点です。アルバイト収入は給与所得に該当し、給与収入から「給与所得控除」を差し引いた後の金額が、給与所得の金額として扱われます。
 
令和7年度税制改正により、給与所得控除の最低保障額は、従来の55万円から65万円(給与収入162万5000円以下の場合)に引き上げられています。このため、年間の給与収入が65万円以下であれば、給与所得控除の範囲内に収まり、給与所得は0円として計算されます。
 
今回のケースでは、アルバイトによる年収が50万円であり、最低保障額65万円を下回っています。そのため、「50万円-65万円=マイナス」となり、給与所得は0円と整理されます。
 
この結果、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額は20万円以下となり、確定申告不要制度の2つ目の要件も満たすことになります。
 

確定申告をしなくても問題ないケースに該当する可能性

以上を整理すると、年金収入が年200万円で、公的年金等以外の所得(今回のケースではアルバイトによる給与所得)が0円と計算される場合、確定申告不要制度の要件を満たすことになります。
 
このため、所得税等については、原則として確定申告をしなくても問題ないケースに該当する可能性が高いと考えられます。ただし、これはあくまで所得税等に関する取り扱いであり、すべての手続きが不要になるわけではありません。
 

住民税の申告は別途必要になることがある

確定申告不要制度は、所得税等に関する制度です。住民税については、申告が必要とされるケースがあります。政府広報オンラインによれば、以下に該当する場合は、所得税等の確定申告が不要な場合であっても、住民税の申告が必要になることがあります。


・公的年金等に係る雑所得のみがある人で、「公的年金等の源泉徴収票」に記載されている控除以外の各種控除(地震保険料控除や生命保険料控除など)の適用を受ける場合
・公的年金等に係る雑所得以外の所得がある場合

「所得税等の確定申告不要=住民税の申告も不要」とは限らない点に注意が必要です。
 

「あとから指摘される」ケースとは

制度上、確定申告不要制度の要件を満たしている場合、直ちに税務署から指摘される可能性は高くありません。
 
ただし、アルバイト収入が増えて給与所得控除後の所得が20万円を超えた場合や、年金収入が400万円を超えた場合には、確定申告が必要になります。また、医療費控除などを適用して税金の還付を受けたい場合には、確定申告を行わなければなりません。
 

まとめ

年金が年200万円、清掃員のアルバイトによる年収が50万円という今回のケースでは、令和7年度税制改正後の給与所得控除(最低保障額65万円)を踏まえると、給与所得は0円と整理されます。
 
このため、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下となり、所得税等については確定申告不要制度の対象になる可能性があります。
 
ただし、住民税の申告が別途必要になる場合があることや、収入状況が変われば申告義務が生じる点には注意が必要です。不安がある場合は、税務署や自治体の窓口で確認し、制度を正しく理解したうえで対応することが重要といえるでしょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1600 公的年金等の課税関係
政府広報オンライン ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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