入院で医療費が「45万円」かかり「高額療養費制度」を利用しましたが、「医療費控除」は別で申告できますか?

配信日: 2026.02.08
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入院で医療費が「45万円」かかり「高額療養費制度」を利用しましたが、「医療費控除」は別で申告できますか?
入院や手術で医療費が高額になった場合、高額療養費制度を利用して自己負担を抑えたという人も多いでしょう。一方で、確定申告の時期が近づくと、「高額療養費制度を使った場合でも、医療費控除は別で申告できるのか」と疑問に感じるケースがあります。
 
本記事では、高額療養費制度と医療費控除の仕組みを整理したうえで、両者を併用する際の注意点について、分かりやすく解説します。
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高額療養費制度の概要

高額療養費制度は、同じ月(1日から末日まで)に医療機関や薬局の窓口で支払った医療費の自己負担額が、年齢や所得区分ごとに定められた上限額を超えた場合に、その超過分が後から支給される制度です。公的医療保険に加入している人であれば、入院・外来を問わず利用できます。
 
厚生労働省によると、例えば、69歳以下で「年収約370万円~約770万円」の区分に該当する人の場合、1ヶ月の自己負担上限額は「8万100円+(医療費-26万7000円)×1%」の計算式で算出されます。
 
医療費が45万円かかったとしても、自己負担は上限額までに抑えられ、差額が高額療養費として払い戻される仕組みです。この制度は、医療費が一時的に高額になった場合でも、家計への影響を抑えることを目的としています。
 

医療費控除の概要

医療費控除は、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告を行うことで所得税や住民税の負担を軽減できる制度です。国税庁によると、本人や本人と生計を一にする家族のために支払った医療費が対象となります。
 
控除額は、「その年に実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額」から、「10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%の金額)」を差し引いた額(最高200万円)で計算されます。
 
医療費控除は、医療費そのものが戻る制度ではなく、課税所得を減らすことで税負担を軽くする仕組みである点が特徴です。
 

高額療養費制度と医療費控除は併用できる?

高額療養費制度を利用した場合でも、医療費控除を申告すること自体は可能です。ただし、医療費控除の計算にあたっては注意が必要です。国税庁によれば、前述の「保険金などで補てんされる金額」には、「健康保険などで支給される高額療養費」も該当するとしています。
 
つまり、医療費控除の対象となるのは、「実際に自己負担した医療費」です。例えば、入院費として45万円を支払い、その後、高額療養費として30万円が支給された場合、医療費控除の計算上の医療費は15万円となります。
 
この15万円から、さらに10万円(または総所得金額等の5%の金額)を差し引いた額が、医療費控除として申告できる金額になります。
 

申告時の手続きで気を付けたい点

医療費控除を申告する際には、医療費の領収書だけでなく、高額療養費制度による支給額が分かる通知書も確認しておく必要があります。
 
また、医療費控除は1年単位で判断されるため、入院費以外の通院費や薬代なども合算して計算します。高額療養費制度による支給分を正しく差し引いたうえで、年間の自己負担額が控除の対象になるかどうかを確認することが重要です。
 

まとめ

入院費が45万円かかり、高額療養費制度を利用した場合でも、医療費控除を別途申告することは可能です。ただし、医療費控除の対象となるのは、高額療養費などで補てんされた金額を差し引いた後の、実際の自己負担額に限られます。
 
高額療養費制度と医療費控除は役割の異なる制度ですが、正しく理解すれば併用も可能です。支給額や自己負担額を整理したうえで、確定申告時に適切に計算・申告することが、制度を無理なく活用するためのポイントといえるでしょう。
 

出典

厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)(5ページ)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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