お金がない父に代わり「医療費5万円」を立て替えました。これも合算して「10万円」になれば医療費控除を申請できますか?

配信日: 2026.02.14
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お金がない父に代わり「医療費5万円」を立て替えました。これも合算して「10万円」になれば医療費控除を申請できますか?
親の医療費を子どもが立て替えるケースは少なくありません。その際、「自分が支払った分も含めて10万円を超えれば医療費控除の対象になるのか」と疑問に思う人もいるでしょう。医療費控除は一定額を超えた年間医療費について所得控除を受けられる制度ですが、単に金額だけで判断できるわけではありません。
 
本記事では、立て替えた親の医療費を合算できる条件と、注意すべきポイントを整理します。
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医療費控除の基本的な仕組み

国税庁によると、医療費控除は「その年の1月1日から12月31日までの間に自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために」支払った医療費が一定額を超えた場合に受けられる所得控除です。
 
控除の対象となるのは、実際にその年中に支払った医療費であり、その医療費を支払った納税者が医療費控除を受けることになります。
 
控除額は、実際に支払った医療費の合計額から、保険金などで補てんされる金額を差し引いたうえで、「10万円」または「その年の総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%の金額」を引いた残額となります。なお、医療費控除の金額の上限は200万円です。
 

「10万円」の基準はどう考えるか

医療費控除の計算において「年間の医療費が10万円を超えれば申請できる」と説明されることがありますが、この「10万円」という数字は、総所得金額等が200万円以上の人にとっての一般的な目安にすぎません。
 
前述の通り、国税庁では、その年の総所得金額等が200万円未満の場合には、「10万円」ではなく「総所得金額等の5%の金額」が基準になるとしています。
 
例えば、総所得金額等が150万円であれば、その5%は7万5000円となります。保険金や給付金などによる補てんがない場合には、年間の医療費の合計が7万5000円を超えた部分が控除対象となります。したがって、自身の所得状況によって、控除の対象となる基準額は異なる点に注意が必要です。
 

立て替えた医療費は合算できるのか

今回のように、父親の医療費5万円を子どもが立て替えた場合、重要になるのは「生計を一にしているかどうか」と「実際に医療費を支払った人が誰であるか(経済的に負担した者)」です。
 
国税庁では、「生計を一にする」とは必ずしも同居を要件とするものではないとしています。例えば、勤務や療養などの都合で別居していても、常に生活費や療養費などの送金が行われている場合には、生計を一にするものとして取り扱われます。
 
また、親族が同一の家屋に起居している場合には、互いに明らかに独立した生活を営んでいると認められる場合を除いて、生計を一にするものとして取り扱われるとしています。
 
したがって、父親と生計を一にしており、かつ子どもが実際に父親の医療費を支払ったのであれば、その医療費を子ども本人の医療費と合算して医療費控除の対象とすることは可能と考えられます。
 

注意したい「立て替え」と「最終的な負担者」

ただし、立て替えた後に父親からその医療費を返してもらった場合には、実質的な負担者は父親となります。この場合、その立て替えた額については、子どもの医療費控除の対象としては取り扱われません。父親が最終的に負担したその分の医療費は、父親の医療費として合算し、父親が医療費控除を受けることになります。
 
医療費控除では、「誰が最終的にその医療費を負担したか」が重要です。あくまで納税者本人が実際に経済的に負担した医療費が控除の対象となることが前提となります。
 

まとめ

医療費控除は、「自身または自身と生計を一にする親族のために支払った医療費」が一定額を超えた場合に適用されます。控除の基準となる金額は原則として10万円ですが、その年の総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%の金額となります。
 
父親の医療費5万円を立て替えた場合でも、父親と生計を一にしており、実際に自分が負担したのであれば、自身の医療費と合算して判定することは可能でしょう。制度の要件を確認したうえで、不明点がある場合には税務署や税理士などに相談しながら手続きを進めることが現実的といえます。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.1180 扶養控除 「生計を一にする」の意義
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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