確定申告で「扶養控除」の“申告漏れ”に気づいた妻。過去5年分の“更正の請求”で「還付金15万円」になるそうですが、本当に戻ってくるのでしょうか? 仕組みや注意点を確認

配信日: 2026.03.18
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確定申告で「扶養控除」の“申告漏れ”に気づいた妻。過去5年分の“更正の請求”で「還付金15万円」になるそうですが、本当に戻ってくるのでしょうか? 仕組みや注意点を確認
確定申告の時期になると、過去の申告内容を見直す機会も増えます。「扶養控除を申告し忘れていた」と気づいた場合、過去5年分までさかのぼって「更正の請求」を行うことで、納めすぎた税金が戻ってくる可能性があります。
 
年収500万円で扶養家族が1人いるケースでは、1年あたり約3万円、5年分で約15万円の還付が見込まれることもあります。本記事では、扶養控除の仕組みや更正の請求の手続き方法、注意点について解説します。
上野梓

FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

扶養控除とはどのような制度か?

扶養控除とは、納税者に所得税法上の控除対象扶養親族がいる場合に、一定の金額を所得から差し引くことができる制度です。控除対象扶養親族とは、その年の12月31日時点で16歳以上であり、年間の合計所得金額が48万円以下(令和7年分からは58万円以下)の親族を指します。
 
扶養控除の金額は、扶養親族の年齢や同居の有無によって異なります。
 
図表1

図表1

国税庁 No.1180 扶養控除 より筆者作成
 
例えば、16歳以上の子どもや親を扶養している場合、一般の控除対象扶養親族として38万円の所得控除を受けることができます。年末調整や確定申告でこの控除を申告し忘れると、本来より多くの税金を納めることになってしまいます。
 

年収500万円で扶養控除を申告し忘れた場合、還付額はいくら?

年収500万円の給与所得者が扶養控除(一般:38万円)の申告漏れに気づいた場合、どのくらいの還付が見込まれるのでしょうか。実際に計算してみましょう。
 
まず、年収500万円の場合の給与所得控除額は144万円(500万円×20%+44万円)です。したがって、給与所得の金額は356万円になります。
 
課税所得金額が195万円超330万円以下の場合、所得税率は10%が適用されます。扶養控除38万円を申告し忘れていた場合、本来差し引けるはずだった38万円に対して税率10%がかかっていたことになりますので、1年あたりの還付額は図表2のとおりです。
 
図表2

図表2

国税庁 給与所得者と税 を参考に筆者作成
 
図表2のように、1年あたり約3万円から4万円の還付が見込まれます。これを5年分請求すると、合計で約15万円から19万円程度の還付になる計算です。ただし、各年の課税所得金額や適用される税率によって、実際の還付額は変わります。なお、住民税についても扶養控除(33万円)が適用されるため、別途還付される可能性があります。
 

「更正の請求」とはどのような手続き?

「更正の請求」とは、確定申告で税額を多く申告しすぎた場合や、所得控除の適用を忘れていた場合などに、正しい税額に訂正するための手続きです。更正の請求が認められると、納めすぎた税金が還付されます。
 
更正の請求ができる期間は、法定申告期限から原則5年以内です。例えば、令和3年分の確定申告であれば、法定申告期限は令和4年3月15日ですので、令和9年3月15日までに更正の請求を行う必要があります。
 
更正の請求に必要な書類は次のとおりです。
 

・所得税及び復興特別所得税の更正の請求書
・請求の理由の基礎となる事実を証明する書類
・本人確認書類(書面で提出する場合)

 
扶養控除の適用漏れの場合、基本的に証明書類の添付は不要とされていますが、状況に応じて確認が必要です。更正の請求書は、国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」で作成でき、e-Taxで提出できます。また、持参や送付により提出することも可能です。
 

更正の請求をする際の注意点は?

更正の請求をする際には、いくつかの注意点があります。
 
まず、更正の請求をすれば必ず還付されるわけではありません。税務署が請求書の内容を調査し、請求内容が正当と認められた場合にのみ還付が行われます。審査には1ヶ月から2ヶ月程度かかることもあります。
 
また、請求が認められなかった場合は、その理由が通知されます。通知に不服がある場合には、処分の通知を受けた日の翌日から3ヶ月以内に、税務署長への再調査の請求、または国税不服審判所長への審査請求を行うことが可能です。
 
さらに、所得税の更正の請求が認められても、住民税には自動的に反映されない場合があります。住民税についても控除の適用を受けるためには、別途住んでいる市区町村に問い合わせることが望ましいでしょう。
 

まとめ

扶養控除の申告漏れに気づいた場合、過去5年分について更正の請求を行うことで、還付金を受け取れる可能性があります。年収500万円で扶養家族が1人のケースでは、1年あたり約3万円から4万円、5年分で約15万円から19万円の還付が見込まれます。
 
更正の請求は、e-Taxや書面で行うことができます。法定申告期限から5年を過ぎると請求できなくなるため、申告漏れに気づいた場合はなるべく早く手続きを進めましょう。手続きの方法や必要書類に不安がある場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
 

出典

国税庁 No.1180 扶養控除
国税庁 給与所得者と税
国税庁 A1-2、H1-1 所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続
 
執筆者 : 上野梓
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

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