配当所得とは?

配信日: 2020.06.06

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配当所得とは?
配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける配当や投資信託*など等の収益の分配にかかる所得をいいます。これらは資産運用に基づく所得ということができます。
 
配当所得の申告方法は複雑で3つの方法から選択することができます。国税庁ホームページの情報を引用しながら、配当所得の特徴について解説してみたいと思います。
浦上登

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。

現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。

ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。

FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。

2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。

現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。

早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。

サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

配当所得とは?

配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける配当や投資信託*などの収益の分配にかかる所得をいいます。
 
*公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託の収益分配にかかる所得は除きます。それらは、利子所得に分類されます。
 
具体的には次のようなものが挙げられます。
 
(1)法人から受ける剰余金の配当(例:決算配当、中間配当金)
(2)法人から受ける利益の配当(例:決算配当、中間配当金)
(3) 剰余金の分配(例:農業協同組合などから受ける出資に対する剰余金の配当金)
(4) 投資法人から受ける金銭の分配
(5)基金利息(例:相互保険会社の基金に対する利息)
(6)公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託以外の投資信託の収益の分配(例:ユニット型証券投資信託の期中分配金、オ-プン型証券投資信託の普通分配金)
(7)特定受益証券発行信託の収益の分配

配当所得の計算方法

配当所得の金額は、次のように計算します。
 
 収入金額(源泉徴収税額を差し引く前の金額)-株式などを取得するための借入金の利子=配当所得の金額
 
(注)収入金額から差し引くことができる借入金の利子は、株式など配当所得を生ずべき元本のその年における保有期間に対応する部分に限られます。
 
なお、譲渡した株式に係るものや確定申告をしないことを選択した配当に係るものについては、収入金額から差し引くことができる借入金の利子には当たりません。

申告時期と課税方法

課税方法については、納税者は次の3通りからいずれかの方法を選ぶことができます。以下、上場株式の場合について説明をします。
 
1.申告不要制度(源泉徴収方式)を活用する
2.申告分離課税方式で確定申告をする
3.総合課税方式で確定申告をする

1.申告不要制度

申告不要制度は最も簡単な方法です。まず、証券会社で源泉徴収ありの特定口座を選択します。そうすると配当金支払い時に所得税15.315%(他に地方税5%)の税率により所得税および復興特別所得税が源泉徴収されます。

2.申告分離課税方式

申告分離課税方式で確定申告をする場合は、ほかの株式の売却益・売却損およびそれらの配当益を損益通算することで、最終的な税額が確定し、配当から源泉徴収された金額の一部または全部が還付されます。

3.総合課税方式

総合課税方式で確定申告をした場合は、給与所得、事業所得などの他の所得を合算して超過累進税率が適用されることになります。その結果、総合課税の税率が配当所得の源泉所得税率より低い場合は、源泉徴収額の一部または全部が還付されることになります。
 
また総合課税方式を選択した場合は、配当控除という税額控除が受けられます。配当控除とは、国内株式の配当等について算出税額から一定の金額が控除(税額控除)される制度です。
 
これは、会社の利益に法人税をかけ、配当は残った利益から支払われますが、この配当に対しても課税すると二重課税となってしまうため、その二重課税を解消するための制度です。

まとめ

配当所得の特徴について解説してみました。3つある申告方法のどれを選んだら最も有利かについては、いろいろなケースがあり、計算も複雑になります。また時期をみて、その点についても解説してみたいと思います。
 
[出典]
国税庁「No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)」
国税庁「税大講本 所得税法(基礎編)令和2年度版」
国税庁「No.1331 上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度」
国税庁「No.1250 配当所得があるとき(配当控除)」
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー


 

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