最終更新日: 2020.11.06 公開日: 2020.11.08
資産運用

つみたてNISAを始める前に確認! 知っておきたい5つのポイントって?

執筆者 : 重定賢治

国が投資や資産運用に推奨しているNISA(少額投資非課税制度)ですが、ここ最近、NISAの制度内容について質問される機会が増えたような気がします。
 
NISAには「一般NISA」・「つみたてNISA」・「ジュニアNISA」の3つがあり、中でもつみたてNISAが最も興味を持たれているのではないでしょうか。
 
重定賢治

執筆者:

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

詳細はこちら
重定賢治

執筆者:

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

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つみたてNISAの概要

つみたてNISAの概要を一覧で確認していきます。
 
●つみたてNISAの概要

利用できる人口座を開設する年の1月1日現在で、日本に住む20歳以上の人
非課税対象一定の投資信託への投資から得られる分配金や譲渡益
口座開設可能数1人1口座
非課税投資枠新規投資額で毎年40万円が上限
非課税期間最長20年間
投資可能期間2018年~2037年
投資対象商品長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託

※金融庁 「NISA特設ウェブサイト つみたてNISAの概要」より筆者作成
 

一般NISAとつみたてNISAは併用できない

つみたてNISAの概要は一覧表のとおりですが、比較的質問の多い点について補足していくと、まず、つみたてNISAは1人1口座という点でしょう。
 
つみたてNISAの口座は、「NISA口座」として開設することになりますが、一般NISAを利用する場合も「NISA口座」扱いになります。一般NISAとつみたてNISAは併用ができないため、つみたてNISAを利用したい場合は、NISA口座内でつみたてNISAを選択することになります。
 
ちなみに、ジュニアNISAは、NISA口座ではなく「ジュニアNISA口座」を開設することになります。一般NISAとつみたてNISAを利用できる人が20歳以上、ジュニアNISAを利用できる人が0歳から19歳までであることを考えると、開設する口座が異なっている理由はおのずと見えてきます。
 

運用できる金融商品は一定の投資信託だけ

次に投資信託の種類です。
 
つみたてNISAでは運用対象が投資信託と決められています。一般NISAでは株式も認められていますが、つみたてNISAにおいては、老後の生活資金を準備するために長く積み立てていくことを前提にしていることから積立投資に向いた投資信託を選んでいくことになります。
 
果たして積立投資に投資信託が向いているのかどうかという問題は別にして、選択する投資信託は、「公募株式投資信託」と「上場株式投資信託(ETF)」に限定されています。これらの投資信託は口座を開設した金融機関で取り扱っている投資信託の中から選んでいくことになります。
 
投資信託の銘柄を選んでくださいといわれても、初心者の方にとってはどのように選んでいけばいいかよく分からないと思います。
 
分かりやすいものではインデックスファンドが代表的な投資信託といえますが、本来は細かい部分の比較・分析が必要なため、投資信託選びは難易度が高いものであると考え、自分で調べたり、専門家からのアドバイスを受けるなど、しっかりと学んでいく必要があるでしょう。
 

20年後もつみたてNISAは続けられるの?

非課税投資枠と非課税投資期間についてもいくつか重要なポイントがあります。
 
非課税投資枠ですが、これは譲渡益や分配金が非課税になる投資額の範囲をいいます。つみたてNISAでは、年間40万円までの非課税投資枠にかかる譲渡益や分配金に対して税金がかからないようになっています。
 
そして、この適用を受けることができる期間が非課税投資期間です。つみたてNISAの場合、最長20年間の非課税投資期間が設けられています。
 
ここからが少し複雑な話になりますが、「20年が過ぎた後は、つみたてNISAを続けることはできるのでしょうか」という質問です。ここで覚えておきたいのが「ロールオーバー」という言葉ですが、端的にいうと「新たなNISA口座への移管」ができるかどうかです。
 
一般NISAでは、非課税投資期間が最長で5年となっていますが、5年が経過しても新たなNISA口座に移管(ロールオーバー)ができるため、その後も投資可能期間までなら一般NISAを続けることができます。しかし、つみたてNISAの場合は20年が経過してもロールオーバー(新たなNISA口座への移管)をすることができません。
 
これは単純に、そもそも非課税投資期間が最長で20年間もあるため超長期投資を前提にしており、ロールオーバーをする必要がないからです。
 

途中で投資信託を売った場合、また続けられるの?

また、「非課税投資期間の途中で投資信託を売っても、その後再びつみたてNISAで非課税の適用を受けることはできますか」という質問がありますが、結論からいうと、可能です。ここで注意しておきたいのは、非課税投資枠である年間40万円までならという、ただし書きが付いています。
 
例えば、初めの年に毎月3万円ずつ積立投資を行うつもりでつみたてNISAを始めたとします。仮に1月から始めて6月に相場が急変し、将来に向けて投資戦略を見直そうと考えました。この結果、積立投資をしている投資信託18万円分全額を売却したとします。
 
つみたてNISAでは年間の非課税投資枠が40万円なので、この時点ではその年に利用できる非課税投資枠はまだ22万円分残っています。その後、年内で再度投資信託を購入する場合は、この残りの22万円という枠を使って購入することになります。
 
ただし、余った枠を年内で使わなかった場合、翌年に繰り越すことができないため、この点には注意しておきましょう。
 
つみたてNISAは少額の積立投資に対する「非課税制度」です。税制のジャンルとしては個人所得税に当てはまりますが、税金の算定期間は1月1日から12月31日までとなっています。このため、非課税投資期間が最長で20年間という意味を「毎年×最長20年」と考え、1年ごとに非課税制度が設定されていると認識しておく必要があります。
 
このように考えていくと、非課税投資枠である年間40万円の意味が見えてくるのではないでしょうか。
 
また、投資信託を途中で売却し、その後、別の銘柄で再開したいという場合は売却した上で同時に積立投資も解除する必要があります。積立投資を解除しなければ、それまで続けていた投資信託の積み立てが継続してしまうため、特に利益の確定を目的に売却する場合は忘れないようにしましょう。
 

つみたてNISAの出口戦略

非課税投資枠と非課税投資期間については、売却についてどのように考えていけばいいかという「出口戦略」を自分なりに事前に検討しておく必要があるという問題があります。
 
考え方はいくつかありますが、目標金額を決めて、その金額をクリアした後に売却するというのがメジャーな方法です。何も考えなければ、そのままほったらかしにして20年後に売却することになるでしょう。
 
つみたてNISAを活用する場合、超長期の積立投資を継続することが余儀なくされるため、資産運用としては臨機応変にリスクコントロールすることが難しい、つまり、相場の状況に応じた運用が難しくなるという弱点があります。
 
そもそも制度設計がそのようになっているため当たり前ですが、この弱点を克服するために売却方法やスウィッチングについてあらかじめ考えておく必要があります。
 
分散投資は、この弱点を克服する1つの方法ではありますが、例えば5年間、似たような株式型投資信託で毎年5種類、種類を変えて積立投資しているとします。6年目以降で相場のトレンドが下降トレンドに転換し、今後下降トレンドが続く期間が3年になるだろうというシナリオを描いたとします。
 
通常の資産運用なら、このシナリオに基づき投資戦略を見直し、自由に銘柄の入れ替えをしていきますが、つみたてNISAを利用する場合、非課税投資枠があるため、例えば5年間続けてきた5種類の投資信託は取り合えず購入金額を減らした上で継続し、6年目以降はリスクヘッジを目的に別の投資信託を非課税投資枠の範囲内で選んでいく方法が考えられます。
 
ここで問題になってくるのが、ポートフォリオに組む銘柄入れ替え(スウィッチング)の難しさです。
 
つみたてNISAで認められている投資信託は、原則、株式型の投資信託です。厳密にいうと、株式の比率がどれぐらいなのかによって内容が変わってきますが、株式の比率を抑え、債券の比率を高めているような株式型投資信託も存在します。
 
また、バランス型投資信託といって、株式や債券の他にも異なる資産が組み入れられている投資信託もあり、これらの組み合わせで分散投資を目的にポートフォリオを組み立てていきます。
 
非課税投資枠の範囲内でポートフォリオを見直すわけですから、非課税投資枠のない通常の資産運用と比べ、おのずと組み立ての計算に一手間、二手間かかり難しくなります。このため、初心者の方がしっかりと運用していきたいという場合、相応の準備と技術を要することは理解しておきましょう。
 

まとめ

つみたてNISAは、少ない投資額を長期にわたり、積み立てていくことを税制面でサポートする、将来の資産形成のための制度です。
 
どちらかというと、比較対象は積立定期預金になります。銀行でコツコツお金を積み立てていくよりもリスクはありますが、少しでもお金を増やしたいという人にとっては魅力を感じやすいかもしれません。
 
一方で、昔から資産運用を行っている人にとっては、単なる「超長期難平(なんぴん)買いの累投(るいとう)」であるため、魅力はあまり感じないでしょう。
 
このような点から見ても、つみたてNISAは超初心者向けの投資に興味を持ってもらうためのきっかけ作りという意味合いがあります。投資の入り口としてはとても良い制度であるため、資産運用はつみたてNISAから始めてみるというのも1つの方法といえるでしょう。
 
出典 金融庁 NISA特設ウェブサイト つみたてNISAの概要
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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