離婚を前提に別居しており「ローン残債」のあるマンションを放置中。不動産会社から早めの売却を勧められていますが、財産分与の話し合い前に売却してもよいのでしょうか?
ただ、離婚が絡むと話は少し複雑になります。財産分与の対象になるか、名義はどうなっているか、ローンが連帯債務になっていないかなど、確認すべき点が増えるからです。
段取りを誤ると、あとから相手と合意しづらくなることもあります。売却そのものが問題なのではなく、夫婦の合意をどう作り、どんな順番で手続きを進めるかが大切です。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
財産分与の基本と売却を急ぐリスク
財産分与は、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を分ける考え方で、離婚と同時に分けても、離婚後に請求して分けてもかまいません。ただし、離婚から2年が経過すると家庭裁判所に申立てができなくなる点に注意が必要です。
財産分与の話し合い前に一方が勝手に売却を進めると、相手の不信感が強まり、協議が難航しやすくなります。また、売却代金の入金口座や使途が不透明だと、後で精算が複雑になります。
さらに、共有名義の場合は、原則として共有者全員の同意がなければ共有物に変更を加えられないとされ、売却も単独で進めにくいのが実務です。
売却してよいかの判断は名義とローン形態で変わる
まずはマンションの登記名義と住宅ローンの契約形態を確認しましょう。単独名義で単独債務なら、法的には売却手続きは進めやすい一方、財産分与の観点では売却益や残債の扱いを公平にする配慮が必要です。
共有名義なら、同意の取り方が最大の論点になります。連帯債務や連帯保証がある場合、売却してローンを完済しない限り、関係が切れないこともあります。
現実的には、話し合い前でも、夫婦双方が売却に同意し、売却代金の扱いを文書で決めたうえで進めるのが安全です。
例えば、売却代金は一方の口座に入れてしまうのではなく、双方が確認できる形で別に保管し、合意ができるまで動かさないようにします。そのうえで、ローン完済と諸費用の支払い後の残額をどう分けるか、売却損が出た場合はどちらがどれだけ負担するかまで、先にルールを決めておきます。
税金と手取りを透明にすると協議が進みやすい
売却に踏み切るなら、手取りの見込みを早めに共有します。譲渡所得は、売却代金から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。自宅として要件を満たせば、譲渡所得から最高3000万円を控除できる特例があります。ただし別居により居住実態がどう扱われるか、住まなくなってからの期間など要件確認が必要です。
税金の見込みを含めた精算表を作り、夫婦で同じ数字を見られる状態にすると、感情論になりにくくなります。離婚協議書の作成や、ローン契約の当事者整理が必要な場合は、弁護士や司法書士に早めに相談するのが現実的です。
まとめ
別居中のローン残債つきマンションは放置すると負担が増えますが、財産分与の話し合い前に売るなら、合意形成とお金の流れの透明性が欠かせません。
名義とローン形態を整理し、双方の同意と売却代金の扱いを文書化してから進めるとトラブルを減らせます。税金や手取りの見込みも共有し、必要に応じて専門家を入れて、生活の再スタートを前向きに整えていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー