住宅ローンとは?
住宅ローンを組むとは、「本人やその配偶者、家族が住むための住宅を購入するために金融機関からお金を借り入れる」ことを言います。借入金額が大きくなり、また返済期間も長期にわたるため、少しの金利差で総返済額が変わってきます。住宅ローン選びの重要なポイントを以下に解説していきます。
住宅ローンの賢い選び方
金利を学んで、自分に合った選び方を見つけましょう
住宅ローンを選ぶ際に重要になるのが「金利」です。金利タイプは大きく分けて変動金利と固定金利があります。さらに固定金利の中には、全期間固定金利と期間選択型の2種類があります。それぞれの金利の特徴と注意点を理解し、どの金利タイプが自分の返済計画に合っているか考える必要があります。また金利と併せて重要なものに、諸費用と団体信用生命保険があります。諸費用とは、住宅ローンを借り入れる際に発生する費用のことです。保証料や手数料、印紙税や登記費用などがあります。団体信用生命保険とは契約者に万一のことがあった場合に、残額が保障される住宅ローン専用の保険のことです。以下にそれぞれ解説していきます。
■金利
1.変動金利
一番低い金利で住宅ローンを利用できるのが、変動金利です。変動金利は、半年ごとに金利が見直され、5年ごとに毎月の返済額が変わります。これを5年ルールといいます。さらに、変更後の毎月の返済額が、それまでの返済額の125%を超えることはありません。これが125%ルールといわれるものです。変動金利は低い金利で住宅ローンを利用できることが最大のメリットですが、今後金利が上昇すると総返済額がどんどん膨らんでいってしまうというデメリットもあります。もしその際に、利息分が返済額を上回る場合は「未払い利息」が発生することになり、毎月返済しているにも関わらず、いつまでたっても元本部分が減らないということにもなりますので、その点には注意が必要です。
2.固定金利(期間選択型)
固定金利には全期間固定のものと、固定の期間を選択できるものがあります。期間選択型は契約時に決めた期間(2年~10年、金融機関によって異なる)を固定金利で利用し、選択した期間が終了したのち、また新たな金利プランを選択できるというものです。一般に、「固定金利(期間選択型)」の金利は、変動金利よりは高く、全期間固定金利よりも低く設定されています。今後数年間の間に大きな出費が予定されており、その間は毎月の返済額を固定にしておきたい場合に利用するとよいでしょう。ただし、固定期間が終了後、新たな金利プランを選択する場合は、金融機関によっては所定の手数料が必要になる場合もありますので、事前に確認しておくようにしてください。
3.全期間固定金利(フラット35)
当初契約した金利が返済完了まで変わらないものを、全期間固定金利といいます。毎月の返済額が変わらないため、安心感もあり将来のライフプランを立てやすいというメリットがあります。また全期間固定金利の代表的な商品であるフラット35は通常の住宅ローンでは加入が必須となっている団体信用生命保険に加入しなくてもよいというメリットがあります。
■団体信用生命保険
通常、住宅ローンに申し込む際にはほとんどの金融機関において団体信用生命保険への加入が義務付けられています。団体信用生命保険とは、住宅ローンの契約者が死亡したり、高度障害や病気になったりした場合にそれ以降の住宅ローンの支払いを免除する保険です。以下のような種類がありますので、自分に合った団体信用生命保険を選ぶことが大切です。
1.団体信用生命保険(一般団信)
特約のついていない、基本的な団体信用生命保険。契約者が死亡した際もしくは高度障害の状態になった際にそれ以降の住宅ローンの返済がなくなる保険です。また、リビングニーズ特約がついていれば、余命半年と宣告された場合でも保険金が下り、住宅ローンを完済させることもできます。
2.がん保障特約付き団体信用生命保険
がん100%保障特約付き団体信用生命保険やがん50%保障特約付き団体信用生命保険があります。100保障特約付きの場合は、がんと診断された場合、その以降のローンの返済が免除されます。50%保証付きの場合は、ローン残債の50%が保険金として支払われ、ローンの返済に充てることができます。
3.疾病保障特約付き団体信用生命保険
疾病には、「がん」「心筋梗塞」「脳卒中」をカバーする3大疾病保障特約付きのものから、3大疾病に「高血圧性疾患」「糖尿病」「慢性腎不全」「肝硬変」「慢性膵炎」を加えた8大疾病保障特約付き、さらには8大疾病に「大動脈瘤」「上皮内新生物」「皮膚がん」などの病気を含めた11大疾病保障特約付きの団体信用生命保険もあります。
4.ワイド団体信用生命保険(ワイド団信)
糖尿病や高血圧などの持病がある方でも入りやすい、いわゆる加入条件緩和型の団体信用生命保険です。
これらの団体信用生命保険は、特約付きの場合であれば金利の上乗せが発生する場合があります。特約を付けることでどのくらい金利が上乗せになるのか。それによって総返済額がどれくらい変わるのかをきちんと計算し、最終的に決めるようにしましょう。
■諸費用
住宅ローンの契約の際、住宅購入資金以外にかかる費用は意外と多く、合計するとかなりの額になります。したがって、どのような費用がどのくらいかかるのかについても知っておくことが大切です。
1.住宅ローンの借り入れに係る費用:融資手数料や住宅ローン保証料など
2.登記費用(登録免許税):登記の種類によって以下のように異なります。
3.税金:印紙税・不動産取得税など
4.その他:不動産業者に支払う仲介手数料が発生する場合があります。
5.これらの諸費用は、金融機関によって異なることがあります。したがって、事前に公式サイトなどでどのくらいの費用が掛かるのか確認しておきましょう。
住宅ローンを組むまでの流れ
住宅ローンを組むまでの検討と簡単な流れを学ぶ
STEP1:購入か?賃貸か?
購入するべきなのか、賃貸にするべきか、悩むこともあるでしょう。住宅の購入にあたっては、住宅ローンの申し込みはもちろん、頭金を用意する必要もあります。そのような費用を払ってまでマイホームを購入する必要があるのかどうかについて悩んだ際は、各行のシミュレーションを利用し、「今の年収だとどのくらいの物件を購入することができるか」、また「住宅ローンを利用する場合、いくらまで借り入れすることができるのか」、そして「総返済額はいくらになるのか」を算出し、賃料を払い続ける場合と比較してみましょう。賃貸住宅であっても、更新の際に賃料が上がる場合もありますので、今後のライフプランを考慮しながら決めていくようにしましょう。
STEP2:資金計画を立てる
資金計画とは、住宅ローンを組む際にどのくらい頭金を用意するか、そして今後毎月どのくらいの額を返済していくかをプランニングすることです。その際に重要となるのが総返済負担率の算出です。総返済負担率とは「年収に占める年間合計返済額の割合」のことで、できれば30%以下が望ましいといわれています。そして、総返済負担率を適用条件内に抑えるためにはいくら頭金を用意することが妥当なのかを計算していくことになります。
STEP3:不動産会社および金融機関を選ぶ
住宅の購入の際には、しっかりした不動産会社を選ぶことが大切です。じっくりと話し合い、信頼できる不動産会社を選ぶようにしましょう。また、金融機関の選択も今後長期間にわたる返済で付き合ってくことから、見極めは大切なポイントです。窓口で申し込む場合は対応がきちんとしているかどうか、さらに最近はネット銀行でも住宅ローン商品を販売していますので、ネット銀行を利用する際はコールセンターなどのお客さま対応がきちんとしているところを選ぶようにしましょう。
STEP4:審査通過のための準備をしておく
住宅ローンの審査基準は金融機関によって異なりますが、共通してチェックされるのが「申し込む人の属性(年齢・年収・勤続年数)」や「信用情報」です。まず申し込もうと思っている金融機関の住宅ローン商品概要を見て、自分が申し込み条件に当てはまっているかどうか確認しておきましょう。また、「信用情報」については、信用情報機関への照会によって行われることから、過去に滞納などの事故情報があることが判明した場合は審査に通らない可能性もあります。この信用情報機関へ登録されている情報は一定期間残ることになっていますので、自分の信用情報が気になる方は事前に信用情報機関へ情報の開示を請求して確認しておきましょう。
Q&A
よくある質問を解説。参考にしてみましょう