海外通販を「クレカ払い」で利用！→いつまで経っても届かない場合“諦める”しかない!? チャージバックで「取り消し」できる可能性と、注意点を解説

インターネットで気軽に商品を購入できる時代になり、スキマ時間に商品を選んで支払いや注文まですべて非対面で買い物するのが当たり前になってきています。しかし、便利な反面、詐欺やトラブルも絶えません。
 
本記事では、注文した商品が手元に届かない場合、支払い方法がクレジットカードであればチャージバック制度が利用できる可能性について紹介します。

クレジットカードにはチャージバック制度がある

クレジットカードには「商品が届かない」「不正利用された」などのトラブルが生じた場合に、取引が取り消される「チャージバック制度」があります。
 
チャージバックは、正当な取引が成立していないと判断された場合に、カード会社が加盟店に対して売上の取り消しを主張し、それが認められると加盟店からカード会社に返金されるという仕組みです。
 
一度は成立した取引が何らかの理由により取り消される結果、カードの名義人に対する請求も行われません。VISA、Mastercard、JCBなどの国際ブランドのクレジットカードに広く適用される制度であり、消費者保護を目的としています。チャージバック制度が適用されるのは以下のようなケースです。

・商品未到着（注文した商品が届かないまたは追跡番号が提供されないなど）
・詐欺取引
・不正利用
・二重請求
・契約不履行（商品内容が契約と異なるなど）

同制度の適用を要請したとしても、取引業者が発送したなどの主張をした場合、調査が長引きすぐに返金されないこともあるので注意が必要です。
 

チャージバックが認められた場合の返金までの流れ

商品未到着の場合や不正利用が疑われる場合、カードの名義人がカード会社に異議申し立てをします。
 
異議申し立てを受けたカード会社が調査を行った結果、未到着の事実や不正利用が確認されると、カード会社から加盟店（カードが利用されたECサイト）に対してチャージバックを通知します。
 
加盟店は、「カード利用は名義人による正当な処理である」と主張して、チャージバックそのものに反対することも可能です。特にチャージバックが「カードの不正利用」を理由とする場合、加盟店は売上を失うだけでなく商品も騙し取られることになり、大きな損害が発生します。
 
そのため、カード会社からのチャージバックの通知をすんなり受け入れるのは抵抗があるでしょう。とはいえ、不正利用の事実が存在しないことを立証するのは極めて困難です。したがってチャージバックの通知があればそのまま受け入れるのが通例のようです。
 
加盟店がチャージバックを受け入れると、売上そのものが取り消されます。カード会社から加盟店への支払いが未済である場合は取引情報が取り消され、支払いがすでに行われた場合はカード会社へ返金されます。
 

チャージバック制度を活用するための注意点

ここでは、チャージバックを適切に活用するために、必要な情報や注意すべき点について紹介します。細かな行動記録や早めの行動がポイントです。
 

状況を確認する

商品が発送されているのに届かないのか、そもそも商品が未発送なのか、詐欺や不正利用の疑いがあるのかなど、まずは状況を確認するのが第一です。
 
購入した販売会社に問い合わせても連絡がつかないなどのトラブル発生に備えて、メールの送信履歴や電話をした時間などをスクリーンショットしておく必要があります。
 

商品を購入したらすべて記録を残しておく

チャージバック制度を利用したい場合、取引会社との記録はとても重要です。
 
説明したように、状況確認だけではなく注文番号や購入した日時、内容が確認できるメールなども保存しておきましょう。充分な証拠がない場合は返金が認められないケースもあるため、できる限り記録を残す必要があります。
 

詐欺の疑いを感じたら、早めに行動する

商品が届かない、問い合わせをして連絡が取れないなどのトラブルに見舞われた際は詐欺も視野に入れましょう。
 
詐欺の疑いを感じたら、消費者ホットラインなどに相談し今後の行動などアドバイスをもらうようにするのが先決です。また詐欺ではなく、販売会社が倒産している場合は返金が難しくなる場合があります。様子がおかしいと感じたら、返金に向けて早めに行動しましょう。
 

大きな買い物はできるだけクレジットカードを利用しよう

筆者の実体験では、100万円前後の商品が長期にわたって届かず、販売会社と連絡がつかなかったことがあります。その際に銀行振込で商品を購入したため、返金がかなり難しい状況に陥りました。
 
その際にチャージバック制度を知り、実際返金された例を見て大きな買い物はクレジットカードを利用すると安心だと痛感しました。支払い方法にこだわりがない場合、大きな買い物はクレジットカードを利用すると安心かもしれません。
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー