更新日: 2024.10.10 働き方
キャリアチェンジすると収入はどう変わる? 産業別給与額について
執筆者:杉浦詔子(すぎうらのりこ)
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント
「働く人たちを応援するファイナンシャルプランナー/カウンセラー」として、働くことを考えている方からリタイアされた方を含めた働く人たちとその家族のためのファイナンシャルプランニングやカウンセリングを行っております。
2005年にCFP(R)資格を取得し、家計相談やセミナーなどのFP活動を開始しました。2012年に「みはまライフプランニング」を設立、2013年よりファイナンシャルカウンセラーとして活動しています。
キャリアチェンジとは?
仕事を変える方法は2つあります。1つは、同じ仕事内容で会社を変える「転職」、もう1つは職種や業界を変える「キャリアチェンジ」です。職種を変えるというのは、営業から人事、経理からSEなどへの転向を指します。転職を伴う場合と、人事異動の場合があります。
これに対して、業界を変えるというのは、情報通信業から不動産業へ、金融業から建設業へといった転職があります。なかには、転職で業界も職種も変え、新しいキャリアにチェンジする方もいます。
キャリアチェンジをすると、今までのキャリアに加えて、新たな経験や知識を増やすことができ、自分に磨きがかかります。未経験の仕事は新しい刺激にもなり、モチベーションが上がるというメリットがあります。
その一方で、キャリアチェンジをすることで、これまでの知識やスキルが通用しなかったり、給料が少なくなったりする可能性もあります。
産業別の月間現金給与額
「業界を変えたいけれどその後の給料が気になる」という方は、業界別の給与額を参考にしてみましょう。
厚生労働省の統計(※末尾参照)によると、月間の現金給与総額は全体で31万9442円(男性40万7298円、女性21万3746円)です。現金給与総額がもっとも高いのは、電気・ガス・熱供給・水道業で、55万1840 円(男性57万7931円、女性38万8716円)。
次に、情報通信業の49万647 円(男性53万8668円、女性35万7670円)。そして、金融業・保険業の48万6011円(男性67万7140円、女性32万4061円)、学術研究・専門・技術サービス業の46万1560円(男性53万5807円、女性29万6301円)と続きます。
一方で、現金給与総額がもっとも低いのは、宿泊業・飲食サービス業の12万7644円(男性17万5179円、女性9万7544円)、次に生活関連サービス業・娯楽業の20万7154円(男性26万9748円、女性15万9577円)です。
月間現金給与額は、業界に勤める人の平均的な給与金額。業界によっては年齢や雇用形態が他業種と異なる場合や、また同じ業界で働いていても、雇用形態や役職などにより給与額が大きく異なることもあります。
教育訓練給付制度の活用も検討しよう
「キャリアチェンジをしたい」と思った業界で、今まで働いたことがなかったり、資格が必要だったりすることもあります。そんなときは、教育機関が行う講座に参加して、就業前に一定の知識や資格を身に付けることも可能です。
講座の受講料の支払いで家計が圧迫されることもあります。受講前に教育訓練給付が受けられるか、あらかじめ確認しておきましょう。教育訓練給付制度は、受講を希望する講座が厚生労働大臣の指定した講座であり、かつ、自分自身が雇用保険に一定期間加入していることが必要です。
要件を満たすと、講座の20~最大70%まで補助を受けることができます。詳しくは最寄りのハローワークに確認し、希望する職種にチャレンジしてみましょう。
出典:厚生労働省 労働統計要覧「日本の統計2019 ~産業別常用労働者1人平均月間現金給与額~」
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント