最終更新日: 2020.04.03 公開日: 2018.07.02
相続

後見人へ支払う報酬ってどのくらいでしょうか?

執筆者 : 高橋庸夫

超長寿社会となりつつある今、将来的に親が認知症や知的障害などになる心配も現実問題として身近に存在します。
 
万が一、将来的に判断能力が不十分となった場合に、その人の財産や権利を守ることを目的として、援助者(成年後見人)を選任し、本人を法律的に支援する制度を「成年後見制度」といいます。
 
成年後見制度には、「法定後見制度」と「任意後見制度」の2つがあります。
 
 
高橋庸夫

執筆者:

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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高橋庸夫

執筆者:

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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法定後見制度・任意後見制度の違い

2つの制度の違いは、後見人の選任時期が本人の判断能力が不十分になった「前か後か」で分かれます。
 
「任意後見制度」とは、判断能力が不十分になる「前」に、将来、判断能力が不十分になることに備えて、誰に、どのような支援をしてもらうかをあらかじめ委任契約により決めておく制度です。
 
一方、「法定後見制度」とは、本人の判断能力が不十分になった「後」、一定の申立権者から家庭裁判所に「後見、保佐、補助」開始の審判の申し立てがあったときに、裁判所が職権によって援助者(成年後見人、保佐人、補助人)を選任します。
 
一定の申立権者の範囲には、本人、配偶者、4親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人などのほか、検察官、市町村長が挙げられます。
 

任意後見人の報酬

任意後見人の報酬額は、無報酬が原則ですが、報酬を受け取る場合は、本人と任意後見人の間でその額を決めることができます。
 
その際、「任意後見契約」において、報酬額や支払期限を決める必要があります。決めていない場合は、報酬を受け取ることができません。
 
報酬額の目安ですが、弁護士や司法書士などの専門職後見人である場合は、月額3万円程度で設定される傾向です。
 
本人や任意後見人などが、家庭裁判所に任意後見監督人選任を申し立てた場合は、任意後見監督人への報酬も発生します。
 
任意後見人の独断で支出した場合、任意後見監督人から指導を受けることになります。悪質な場合は家庭裁判所から任意後見人を解任されたり、刑事告訴されたりする可能性があります。
 

法定後見人の報酬

本人や後見人が報酬額を自由に決められる任意後見制度に対して、法定後見人の報酬額は、家庭裁判所の審判により決定されます。
 
家庭裁判所は事前の申立てに基づき、後見人が行った「後見事務財産管理」や身上監護の内容、本人の財産状況などから総合的に判断し、報酬額を決定します。
 
また、職種によって報酬額が高額になるということはありません。
 
報酬額の相場として、通常の後見事務を行った場合で月額2万円程度。ただし、専門性の高い複雑な後見事務が求められた場合や、管理財産の額によっては、報酬額が高額になる場合があります。
 
ちなみに、東京家庭裁判所(http://www.courts.go.jp/tokyo-f/ )が定める基本報酬額の目安は、管理財産額が1000万円以下で月額2万円、1000万円超5000万円以下で月額3~4万円、5000万円超で月額5~6万円となっています。
 
このほかに、身上監護において特別困難な事情があった場合などは、基本報酬額の50%の範囲内で事案ごと不可報酬が追加されます。
 

おわりに

後見人の必要性などについて、普段は全く考えていないという人が大半でしょう。
 
しかし、長い人生の中で自分がいつどのような状況になるかは正確には予測できません。
 
万が一、成年後見人制度が必要となった場合に、上記のような報酬のほかにも 申し立てに要する費用として、登記費用や鑑定費用なども必要となります。
 
また、後見人への報酬が支払えないという事情がある人には、厚生労働省による成年後見制度利用支援事業や成年後見助成基金(公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート)などの助成制度も設けられています。
 
何事にもひとごととは考えず、日頃から家族内、親族内で将来を想定した話し合いの場を持つことをお勧めいたします。
 
Text:高橋 庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー,住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士

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