更新日: 2020.06.07 遺言書
思うように外出できない今だからこそ自分の「終活」に目を向けてみよう~エンディングノートの作成~
ですが今回のコロナショックで、その当たり前だった、時間と移動については、条件が整わなければかなわないということを思い知ったのです。
執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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歩くことができればできていた移動ができなくなる
今回のコロナショックで、少なからずストレスを抱える日々を余儀なくされ、普段当たり前にできていた、「なんとなく時間があまったからカフェでのんびり過ごす」ということが「(目に見えない)ウイルスが蔓延しないという条件が整わなければかなわない」となりました。
「何気なく人と話す」ことが、実はいかに大事な時間かということを思い知らされました。人とのコミュニケーションで自分の考えを伝える、人から情報を得る、自分の持っている知識とあわせて咀嚼(そしゃく)する、そうやって経験や知恵を積み重ねてきた、人間ならではの営みができなくなりました。
続々と解除になっている非常事態宣言についても、また社会の活動が活発になれば、ウイルス感染リスクも再び上昇するとなると、以前のように無防備に移動することに抵抗を覚える人も増えたのではないでしょうか。
また事実、「県外人、お断り」などという動きも出てきて、大昔のように生活範囲は徒歩圏内といったように著しく狭くなる、という状況も見られます。
今まで振り向けていた外への目を内側に:エンディング・ノート作成
以前、これまで日々の仕事に忙殺されて外へ向けられなかった、あるいは向けようとしなかった分、内側を見つめてみるという提案の断捨離についてご紹介しました。今回は、その第2弾で、「エンディング・ノート」の作成です。
書店などでも、いろいろな書式のものが販売されているので、かなり一般に普及していますが、それでもやはり「死」「葬式」といった暗いイメージを、払拭できない方もまだまだいらっしゃるかと思います。
筆者が本日ご紹介したいのは、エンディング・ノートといっても、「どんなお葬式をしてほしいか」ではなく、「財産の整理」に注目した「備忘録」です。
預貯金・株式債券などの金融資産をはじめ、生命保険や不動産の登記がどうなっているか、などは毎日触れたり確認したりするものではありませんので、ついついそのまま放置しがちです。
しかし、普段から目を通さないだけに、数年もたつとどんな内容だったか、いつが満期か? など記憶が薄れていきます。実は、もう満期を過ぎているのにそのままになっていた、存在すら忘れている、というものも出てくるものです。
いったん先延ばしにしても、会社での仕事と違って、別の誰かが代わりにやってくれるということはなく、必ず自分がやらなければならないのです。
今この瞬間が、皆さんの人生で一番若い瞬間です。明日になれば今日よりも24時間年をとることになり、記憶力も気力も薄れていきます。先延ばしにせずにぜひはじめましょう。
であれば、かつて当たり前のことができなくなっている今、時間に余裕がある「ステイホーム」しなければならない状況を逆手にとって、このタイミングで整理しましょう。思わぬところで、「あのときはこんなに頑張ってお金をためていた」という発見、自分を見つめるきっかけになります。
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者
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