年金暮らしの親の経済的負担を少しでも軽くしてあげたいので、毎月の電気代を支払ってあげたいのですが、贈与税はかかりますか?
配信日: 2025.01.01
執筆者:正田きよ子(まさだ きよこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
この仕事をしている人なら当然なことだけれど、フツウの人にはわかりづらいこと、
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贈与税とは?
個人から無償で財産をもらうと、そのもらった財産にかかる税金が贈与税です。1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産が110万円を超えると、超えた額に贈与税がかかります。
贈与を受けた人が、申告と納税をします。
個人ではなく法人から贈与により財産を取得したときは、贈与税ではなく所得税がかかります。
贈与税がかからない場合がある
1年間に110万円以下の贈与であれば、贈与税はかかりません。また、110万円以下にかかわらず、贈与税がかからない場合があります。
贈与税がかからない財産として、
「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」があります。
「ここでいう『生活費』は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、治療費、養育費その他子育てに関する費用などを含みます。また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。なお、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります」
(国税庁 「No.4405 贈与税がかからない場合」より抜粋)
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親の電気代を払っても贈与税はかからない
電気代は、「通常の日常生活に必要な生活費」です。親の電気代を払っても、贈与税はかからないといえるでしょう。
電気代を親の銀行口座に送金する方法もありますが、確実に電気代として親に使ってもらうためには、電気の契約者を親、支払者を子に変更します。子名義の銀行口座やクレジットカードで直接親の電気代の支払いが可能です。
親や子への仕送りで気を付けること
親だけではなく、自宅を離れて大学に通う子どもに仕送りする場合も、生活費や教育費として通常必要と認められるものは贈与税がかかりません。ただし、仕送りしたお金を預金したり株式や不動産などを買い入れするための資金に充てたりしているケースにおいては、贈与税がかかってきます。
また、1年間に110万円以下の贈与でも、毎年定期的に行われている贈与とみなされると、贈与税がかかってくる場合があります。
親の電気代を払うために契約者と支払者を変えたように、光熱費や学費の支払いは直接支払うよう変更するなどして、生活費や教育費として使っていることが明らかに分かるようにしておきましょう。
出典
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
執筆者:正田きよ子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者