更新日: 2020.04.06 葬儀
家族葬で知っておきたいデメリットとは?
確かに、家族葬のメリットとして一番大きいのは、葬儀の費用を低く抑えられることです。一般の葬儀では、参列者・会葬者の飲食費や返礼品などに多くの費用がかかってしまうことが多いですが、家族葬では参列者・会葬者が限られているため、飲食費や返礼品などの費用を抑えることができます。
とはいえ、費用面だけで家族葬を選択してしまうと、家族葬のデメリットで悩まされることも……。
今回は、家族葬のデメリットについて、お話しします。
執筆者:中田真(なかだ まこと)
CFP(R)認定者、終活アドバイザー
中田FP事務所 代表
NPO法人ら・し・さ 正会員
株式会社ユーキャン ファイナンシャルプランナー(FP)講座 講師
給与明細は「手取り額しか見ない」普通のサラリーマンだったが、お金の知識のなさに漠然とした不安を感じたことから、CFP(R)資格を取得。
現在、終活・介護・高齢期の生活資金の準備や使い方のテーマを中心に、個別相談、セミナー講師、執筆などで活動中。
https://nakada-fp.com/
香典から葬儀費用がまかなえないことも
一般的な葬儀では、ある程度、香典で葬儀費用をまかなうことが可能ですが、故人の家族や親族、近しい人のみで行う家族葬の場合、参列者・会葬者が少なくなるため、香典も少なくなります。
家族葬であれば、葬儀の費用が低く抑えられると考えがちです。しかし、香典収入で葬儀費用がまかなえなくなるなど、結果的に葬儀の費用を低く抑えられなかったというケースもあります。
そのため、家族葬を選択するのなら、葬儀の規模や参列者・会葬者の人数などに注意する必要があります。
葬儀当日や葬儀後の弔問対応による負担
事前に「家族葬なので参列は控えてほしい」と案内をしていても、葬儀当日に「故人と最期のお別れがしたいので参列させてほしい」といらっしゃる方もいます。せっかく来ていただいたのでお断りするわけにもいかず、慌てて返礼品や料理・飲み物などの手配対応に追われることがあります。
葬儀後も「お参りがしたい」と弔問に来られる方への対応や、「弔問は断られたので、香典だけでも」と、香典を送ってくる方への返礼品などの手配対応に追われることがあります。
また、弔問者は個々の都合でいらっしゃるため、葬儀後も弔問対応が長く続く場合があります。
「葬式に費用をかけたくない」「家族の負担を少なくしたい」という理由で家族葬を選択したはずなのに、葬儀当日や葬儀後のさまざまな対応で、家族の負担が大きくなってしまった、というケースもあります。
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家族葬の選択は慎重に
故人の家族や親族、近しい人のみで行う家族葬では、故人に対して「葬儀でお別れができなかった」と悔やまれる方がいらっしゃる場合も少なくありません。家族や親族、近しい人だけではなく、多くの人の理解が必要になります。
また、家族葬は一般的な葬儀と比べて費用が安くなるとは限りません。場合によっては、思った以上に費用がかかってしまうケースもありますので、注意が必要です。
一般的な葬儀との比較も踏まえて、できるだけ多くの方が納得のいく葬儀を選ぶことが重要になります。
家族葬を検討する場合は、葬儀とは別に「お別れ会」や「偲ぶ会」の開催など、今後の付き合いも考慮に入れた、慎重な選択が必要です。
執筆者:中田真(なかだ まこと)
CFP(R)認定者、終活アドバイザー