更新日: 2020.06.26 損害保険

火災保険・地震保険に加入するときのポイントをおさらいしよう

執筆者 : 新美昌也

火災保険・地震保険に加入するときのポイントをおさらいしよう
最近、地震が多いと思いませんか。日本は地震の多発国です。いつ、どこでも地震は発生します。日本の建物は耐震性に優れていますが、大きな地震があれば、1回の地震でも、住宅は大きな被害を受けます。私たちの生活にも大きな影響を与えます。
 
住宅・生活再建には大きなお金が必要です。地震に備えて、火災保険、地震保険について確認しておきましょう。
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

住宅・生活再建にかかるお金

内閣府「水害・地震から我が家を守る 保険・共済加入のすすめ」では、東日本大震災で全壊被害に遭った住宅の新築費用が約2500万円のケースを示しています。
 
それに対して、公助・共助で受け取れる金額は、被災者生活再建支援金300万円および義援金約100万円の合計約400万円。約2100万円が不足します。この他にも、家財や引っ越しの費用などもかかります。
 
このように公的支援金や善意による義援金だけでは、住宅・生活再建には十分な金額とはいえません。不足分を補う方法として火災保険、地震保険などの損害保険の役割が大きいといえます。

火災保険のポイント

地震保険は単独では加入できず、必ず火災保険とセットで加入する必要があります。
 
そこでまず、火災保険について確認しましょう。火災保険は、火災だけではなく、落雷、爆発、風災、雪災、水漏れ、水災、盗難などによって建物や家財が損害を受けたときにも補償されます。住宅火災保険、住宅総合保険などがあり、補償の範囲は保険種目によって異なります。
 
火災保険では建物と家財を分けて契約します。建物だけを保険の対象にした場合には、家財は補償されませんので注意しましょう。
 
家財(動産)を保険の対象とする場合、貴金属・宝石・美術品などのうち、1個または1組の価額が30万円を超えるものは、明記物件といい、保険証券に明記しなければ補償の対象にならない場合があります。
 
賃貸住宅保険に住んでいる人は、家財の火災保険と個人賠償責任保険がセットになった、賃貸住宅用の火災保険に加入します。
 
家は年数の経過とともに価値が下がります。保険金額を時価とすると、万が一のとき、保険金では同程度の家を建てることができません。新たに同程度の家を建てるのと、同じ金額(再調達価額)に設定しておくと安心です。
 
火災などによって建物や家財に生じた直接の損害に対して支払われる保険金のほか、残存物片付け費用、失火見舞費用などの費用保険金も支払われる場合があります。請求漏れがないようにしましょう。

地震保険のポイント

地震はひとたび発生すると広範囲に巨大な損害をもたらし、発生の予測も困難です。そこで、地震や津波などによる火災や建物の損壊などは、火災保険では補償の対象としていません。地震などを原因とする火災などのリスクに備えるには地震保険に加入する必要があります。
 
地震保険は、家財については生活用動産に限られていますので、30万円以上の貴金属、宝石、書画などで1個または1組30万円を超えるものや通貨、預貯金証書、切手などは保険の対象に含まれません。
 
保険金額は火災保険の契約金額の30~50%の範囲内で、建物は5000万円、家財は1000万円が限度です。
 
大地震が発生したときでも、短期間に大量の損害調査を行い、迅速かつ公正に保険金を支払う必要性から、保険金は実際の修理費ではなく、損害の程度に応じて地震保険の保険金額の一定割合を支払う仕組みになっています。
 
保険金は4パターンあります。「全損」は契約金額の100%、「大半損」は60%、「小半損」は30%、「一部損」は5%が支払われます。損害の程度が一部損に至らない場合は補償されません。72時間以内に生じた2回以上の地震等は、これらを一括して1回の地震等とみなされます。
 
保険料は建物の構造や所在地で異なります。損害保険会社ごとに地震保険料が異なることはありません。保険期間は最長5年です。
 
地震保険には、免震・耐震性能に応じた各種割引があります。「建築年割引」「免震建築物割引」「耐震等級割引」「耐震診断割引」の4つの割引制度があります。なお、重複適用はできません。
 
保険料は「地震保険料控除」の対象です。地震保険料控除額は最大で所得税5万円、住民税2.5万円です。地震保険料控除のみが損害保険に関わる所得控除の対象です。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー


 

【PR】あなたの不安をFPに無料相談してみませんか?

ライターさん募集