更新日: 2020.04.06 家計の見直し

4人家族で食費8万円は決して高くない。1人当たりの食費の目安は

執筆者 : 塚越菜々子

4人家族で食費8万円は決して高くない。1人当たりの食費の目安は
節約と言われると真っ先にヤリ玉に上がりがちな「食費」
 
雑誌などで「節約料理」「ひと月●万円生活」など取り上げられるのも原因なのか、食費について多すぎではないかとご相談を受けることも多くあります。食費についての目安と考え方はどうでしょうか。
 
塚越菜々子

執筆者:塚越菜々子(つかごし ななこ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催
お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
https://mamasuma.com

相談実例「食費8万円は高すぎるから減らしたほうがいい」と言われた。

家計の相談にいらした方が、食費のことをとても気にしていました。以前保険を見直したときに「食費が8万円かかっている」ということを伝えたら、「4人家族で8万円は高いから気を付けたほうがいい」と言われたとのことでした。
 
それ以降、食費を少しでも減らそうと節約料理に取り組んでみたり、安い食材を探してみたりしたそうです。
 
しかし、ご相談にいらしたときには「減らそうと努力しても、子供がおなかが空いた、おなかが空いたってかわいそうで」とおっしゃっており、食費の節約はとても負担に感じていたようです。
 

そもそも「食費」に含まれているものは?

一口に食費と言っても、外で食べる「外食」、買ってきて食べる「中食」、そして「食材費」などに分かれています。この線引きはそれぞれのご家庭で認識が違うので、その定義をきちんと聞かないかぎり比較することはできません。
 
また、食材費一つとってみても、国産のもの、無添加の物、自然素材の物・・・など、もともと金額が高いものを選んでその結果なのか、ただ単に購入する量が多いのかで大きく変わってきます。また、嗜好性の高い「酒類」を食費としているのかどうかでも違いが出てきますね。
 

一人当たりの食費は17,173円が目安

総務省統計局の家計調査(※)によると、二人以上世帯のひと月の食費は70,735円です。
この中のうち、
菓子類 5,109円
酒類  2,987円
外食  11,462円
を除くと、おおよそ食材費に該当する金額は51,177円となります。
 
世帯人数の平均が、2.98人ですので、一人当たりの額は「17,173円」ということです。外食だけを除く場合は、一人当たり「19,890円」ですね。
 
(※)総務省統計局=家計調査報告(二人以上の世帯)平成29年(2017年)9月分
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.htm
 

家族構成次第で、4人家族で食費8万円は決して高くない。

今回ご相談にらした方の家族構成は4人でした。大人二人と、中学生高校生のお子様です。中高生は乳幼児とは違い、大人と同じもしくはそれ以上に食べる場合もありますよね。
 
外食を抜いた一人当たりの食費の平均が19,890円ですと、4人で79,560円です。8万円というのは決して平均とかけ離れた数字ではありません。家計の収入から見たら、8万円という数字は確かに少なくない場合もあります。
 
しかし、そもそも何を含んだ金額なのか、家族構成はどうなのか、食費に対する価値観はどうなのか・・・。トータルではなく金額だけで判断することには無理が生じます。
 
ついつい人と比べてしまいたくはなりますが、食というのは健康の基盤でもあります。条件の違うところで比較し不必要なプレッシャーを感じてしまうことの無いように、全体像を見て検討するようにしたいですね。
 
Text:塚越菜々子(つかごし ななこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

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