更新日: 2024.07.29 年収
年収400万円と年収800万円、手取りはそれぞれいくら?
では、手取り額で比較するとどうでしょうか。年収差がそのまま手取りの差になると思いますか? 年収400万円と年収800万円についてマイナビニュースのデータを基に比較していきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
年収と手取りの概念を知る
年収と手取り、何となく分かっているがうまく説明できないという方も多いのではないでしょうか。そもそも年収とは、一般的に税金が差し引かれる前の給与や諸手当、賞与の総額をいい、これは額面ともいわれます。簡単にいえば、税金が引かれる前の収入です。
それに対して手取りとは、所得税や社会保険料など各種控除がされた後の、実際に手元に振り込まれる金額です。多くの方が給与として毎月受け取る金額はこの手取りになります。
年収400万円の手取りは?
年収400万円の方の手取り額は315万円程度になるようです。額面のうちおおよそ78%程度が手取りになるといえます。年収400万円の方は400万円使えるとは思わず、使えるお金は315万円程度と考えて生活を設計していく必要があります。
ちなみに、国税庁長官官房企画課の行った「令和元年分民間給与実態統計調査」によれば1年を通じて勤務した人のうち、年収400万円台の方は全体のうち14.6%という割合でした。意外と年収400万円台の人もそう多くはないことが分かります。
年収800万円の手取りは?
年収800万円の方の手取り額は591万円程度になるようです。これは額面の73%ほどになります。年収800万円の方は800万円そのまま使えるとは思わず、591万円程度が使えるお金と考えて生活を設計していくべきです。
ちなみに、年収800万円台の方は全体の2.9%と、高所得者といわれることが多いだけあってこれだけ稼げる方はごく少数であるようです。
400万円と800万円の手取りの割合に差がある理由は?
400万円と800万円とではわずかながら手取りの割合に差がありました。その理由はなぜでしょう。答えは所得税率の割合にあります。日本の税制は基本的に所得に比例して高くなっていくからです。下記の表をご確認ください。
※出典:国税庁 「No.2260 所得税の税率」
上記のように課税される所得金額によって税率が高くなっています。また、課税される所得金額は手取りからさらに所得控除を差し引いたものになります。特に課税所得が330万円以上となるときや、900万円以上となるときは所得税率が大きく跳ね上がっていることが分かります。
ただ、税金の計算は少々複雑な計算式で算出されるため、単純に税率の差がそのまま年収の差や手取りの差にはならないことに留意しておいてください。
税金を減らすにはどうすればいい?
税金を減らすのに手っ取り早い方法は節税することです。サラリーマンでも節税する人としない人とでは、大きく差が出ます。年収は相手の方が高いのに税金は自分の方が高いという逆転現象も起こり得ます。
誰でも簡単にできる節税としては生命保険や医療保険、iDeCoへの加入や、ふるさと納税、過去未納や猶予されていた年金保険料を支払うといった方法があります。面白い節税方法として、扶養している家族の国民年金保険の保険料を支払うと支払った全額が所得控除になるといったものもあります。
特に税率が跳ね上がる、課税される所得金額が330万円付近や900万円付近の方は少し節税するだけで大きく手取りが増えるということも少なくありません。
年収はそのまま手取りになるわけではない
年収400万円の方ではそのうち78%程度に当たる315万円が、年収800万円の方であればそのうち73%程度に当たる591万円が手取りになりそうです。ただこの数値はあくまで一例であり、前年の所得や節税の実施状況、扶養家族の人数などにより実際の手取りには若干の差が出ます。
日本の税制は収入に比例して税金が高くなります。一度自身の額面や手取りについて考え、将来のキャリアについて税金面から考えてみるのも良いのではないでしょうか。
参考
マイナビニュース 年収と手取りはこんなにも違う! 年収ごとの手取り額を一挙紹介
国税庁 No.2260 所得税の税率
国税庁 民間給与実態統計調査結果
執筆者:柘植輝
行政書士