タクシーに乗ったら「1万円札」しかない! クレジットカードで払おうとしたら「現金にして」と言われたけど、お釣りの用意が大変じゃないの? クレカ払いのデメリットを解説
配信日: 2024.12.28
そのため、細かいお札がないときはクレジットカード払いを申し出る人もいるでしょう。しかしクレジットカード払いでも、「現金のほうがいい」と言われることもあるようです。一体なぜなのでしょうか? 本記事では、タクシーのクレジットカード支払いが敬遠される理由について解説します。
執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
クレジットカードの手数料とは
クレジットカードは「無料」で使えるものではありません。クレジットカードには、使用者が支払う「入会費」や「年会費」のほかに、クレジットカード会社と契約している店が支払う「手数料」があります。
店がクレジットカード決済の契約をカード会社と結ぶことを「加盟店契約」といい、その決済に必要な手数料「加盟店手数料」を支払っているのです。
この加盟店手数料は、契約しているカード会社や店によって異なりますが、一般的には決済額の3%前後だと言われています。仮に1万円の支払いだと300円程度ですが、店全体の売り上げが500万円の場合、手数料は15万円になります。このように売り上げが大きくなればなるほど、支払う手数料の額も大きくなるのです。
タクシーの運転手が「現金」を希望する理由とは
タクシーでのクレジットカードの手数料の取り扱いは、タクシー業者によって異なります。タクシー会社によっては、手数料を会社が負担することもあれば、タクシー運転手に負担させているところもあります。個人タクシーの場合は、個人事業主である運転手が手数料を負担します。
一般的にタクシー運転手の給与は、基本給のほかに乗客を乗せた売り上げによって決まる歩合給があります。運転手が手数料を支払う場合、この売り上げから手数料が引かれるのは、運転手にとって負担といえるでしょう。
そのため、手数料が引かれてしまうクレジットカード決済よりも、現金のほうがいいと考えることもあるのです。
クレジットカード使用の拒否は規約違反になる
タクシー運転手に「クレジットカードではなく、現金で支払うように」と言われたら、従う必要はあるのでしょうか。クレジットカード会社と店が「加盟店契約」を結ぶうえで、一般的に店側が守らなければいけないことが大きく2つあります。
それは「クレジットカードの使用を拒否しないこと」、「クレジットカードの手数料を客に負担させないこと」です。
そのため、タクシーの運転手が「現金で支払ってほしい」と申し出たとしても、乗客が要求に従う必要はありません。同様に「クレジットカードで払ってもいいけれど、手数料を上乗せして」と言われた場合も、手数料の支払いをする必要はないのです。
これらの要求をされた場合は、その場で、できない場合は後からクレジットカード会社に問い合わせるようにしてください。ただし、タクシーの運転手側としても手数料が引かれると売り上げが減ってしまうという事情もあるでしょう。そのため、乗車前に「支払いはクレジットカードでも大丈夫か」のように確認しておくとよいかもしれません。
乗客として気をつけたいポイント
クレジットカードの使用は乗客の正当な権利とはいえ、降車時に運転手と支払い方法でもめるのは、避けたいと思う人は多いのではないでしょうか。また、タクシーによってはクレジットカードが使えない場合もあるので、乗車時に料金をクレジットカードで支払いたい旨を伝えておくとスムーズに支払いができるでしょう。
タクシーの配車予約をする場合は、事前にタクシー会社のホームページでクレジットカード対応可能か調べておいたり、予約の際にクレジットカードでの支払いを希望することを伝えたりするのもおすすめです。
まとめ
タクシーの運転手によっては、クレジットカードの手数料で売り上げが減ることを懸念して、クレジットカードでの支払いを快く思わないことがあります。
しかし、タクシー会社がカード会社と契約を結んでいる以上、正当な理由なく、クレジットカードでの支払いを拒否することはできません。支払いにクレジットカードを希望する場合、事前に支払い方法について確認しておくのがよいでしょう。
出典
独立行政法人国民生活センター クレジットカード利用時に手数料を請求された
株式会社ジェーシービー 加盟店で金額や時間帯によってカードを利用できない場合があるのはなぜですか?
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級