しかし、借り換えを決めても、どうすればいいのかわからないのが火災保険です。
借り換えるときは火災保険を入り直すのか、それとも継続できるのかという部分は気になっている人も多いでしょう。
実際のところ、住宅ローンの借り換えをするなら火災保険を見直す良いきっかけになります。
それでは、借換時に気になる火災保険の扱いについて解説していきます。
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監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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目次
住宅ローンを借り換えるときに火災保険はどうすればいい?
住宅ローンと火災保険の契約は別なので、借入先が変わっても火災保険はそのまま継続できます。しかし、火災保険は住宅や家族の状態など、環境が変わればその都度見直すことで保険料が抑えられるケースもあります。そのため、ローンの借り換えついでに火災保険の見直しを行えば、より最適なプランに出会える可能性は高まるでしょう。
もちろん、継続したほうがお得なパターンもあるので、さまざまな火災保険の内容をチェックしてみてください。ただ見直した結果、火災保険の解約や変更をするときに、住宅ローンで質権を設定している場合は後述のような手続きが必要になります。
火災保険を見直すときは時価と新価がポイント
火災保険には「時価か新価か」という考え方があります。
「新価」は「再調達価額」ともいい、火災保険の対象となった建物や家財を新たに建てたり購入したりするときに必要な金額のことです。
対して、「時価」は現在の価値から経過した年数や価値の減少、使用による消耗分を引いた金額を指します。現在は長くても10年までの契約しか結べなくなっている火災保険ですが、2015年10月以前は最長で36年の契約ができました。
そのころは「時価」で設定される火災保険が多かったので、あまりに古い契約だと時価になっている可能性があります。時価になっている場合、補償対象が全損になってしまったら自己負担額が多くなります。見直して新価に変えたほうが、補償内容の無駄を省くことができ、安心だといえるでしょう。
不要な補償を外して保険料を抑える
火災保険は最長で10年の加入期間があるため、状況が変われば補償内容を見直す必要があります。子どもの独立や引っ越し後も補償内容をそのままにしておけば、せっかく保険料が抑えられる機会を無駄にしてしまいます。家族の人数が増えたり減ったりすれば、当然家財の数も変動していますので補償内容が見直せます。
災害の多い地域から都市部への引っ越しを行えば、災害補償がいらないと感じる可能性は高いです。そのときの状況で最適なリスクを想定することで補償内容を抑えられ、保険料の節約につながります。
質権設定している場合は借入先に連絡する
借入先が担保として火災保険の保険金を受け取れるようにしていることを、質権設定といいます。火災により建物が燃えてしまい、住宅ローンの回収が難しくなった場合を想定しています。
もし質権を設定しているなら、借入先の同意を得なければ解約や変更ができません。火災保険を見直した結果、解約したいと思えば借入先に連絡して同意をもらう必要があります。最近だと質権設定はあまり行われていませんが、設定している場合は必ず借入先に連絡するようにしてください。
火災保険を解約しても満期まで期間が残っているなら返金される
火災保険の保険料は一括で支払いますが、途中で解約しても満期まで残っている期間分のお金は戻ってきます。このお金を解約返戻金といいます。一般的に、火災保険の解約返戻金は月割りで計算します。解約時までの期間にかかった保険料を月割りで計算して、支払った保険料の総額から差し引きます。そこで残ったお金が解約返戻金として返金されます。
ただ一点だけ注意点があり、それは空白期間を設けないことです。新しい保険が成立してから古い保険を解約しなければ、補償されない期間が出てしまいます。そのときに何かあれば、当たり前ですが補償はされません。そのため、保険に入っていない期間を作らないでください。
地震保険が未加入なら火災保険の見直しと同時に考える
地震で火事が起こっても火災保険では補償されません。そのため、借換時に火災保険と一緒に地震保険についても考えてみてください。基本的には、地震保険は火災保険のオプションとして加入することが多いですが、最近では単独の地震保険も増えてきています。
日本は地震大国です。何かあったときに備えるためにも、火災保険と一緒に地震保険の加入も考えてみましょう。
旧住宅金融公庫と同時加入した特約火災保険だと継続のほうがお得かも
住宅ローンの借入先は金融機関や銀行などの民間と、自治体や国が行っている公的機関があります。そのなかの公的機関に、現在は廃止されていますが旧住宅金融公庫があります。
旧住宅金融公庫から住宅ローンを借りている場合、一緒に加入した特約火災保険の保険料はかなりお得だといえます。一般的な火災保険料より、30%程度も割安になっているケースもあります。そのため、特約火災保険に加入しているなら、借り換え後も継続すればメリットは高いでしょう。ただし、特約火災保険は家財には適用されません。家財の補償が欲しいなら、別の火災保険に入る必要があります。もちろん、公的機関だからといってほかの火災保険に変更してはいけないという決まりはないので、最適だと思える火災保険を選択してください。
住宅ローンを借り換えるなら火災保険を見直すチャンス!
火災保険は家族の人数や住宅の環境により、年数がたてば補償内容を変更したほうが良くなるケースがあります。時価に設定しているなら新価にして、何かあっても安心できる補償にしましょう。ほかの不要な補償を外せば、保険料の節約にもつながります。
そのため、住宅ローンの借り換えは火災保険を見直すチャンスだといえます。地震保険の加入も合わせて検討し、家族構成や住宅環境に最適な火災保険に加入し直しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
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