更新日: 2021.07.29 セカンドライフ
60歳で貯金0円!しかも年金は5万円のみ・・生活できるの?
もちろん、若い時に貯蓄や資産形成・運用での老後費用を意識した生活をする事が一番の対策になりますが、気づいたら60歳まで2年しかない・・・といった場合どうすればいいのでしょうか。
その対策について考えてみましょう。自分自身を資源と考え、可能性を諦めなければ、いろいろな対策が検討できます。
執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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お金は育てるのに時間がかかる
平成29年8月1日から、年金法の改正で年金受給資格に最低25年の保険料払い込みから10年に短縮されました
(http://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2017/20170801.html)が、それでも、「私の老後はまっくら」という声が後を絶ちません。
具体的には、60歳まであと数年だけれど、これまで派遣で仕事をしてきたので蓄えがない、親から譲り受けられるような資産(土地・家屋)もないといいます。
そもそも、お金が貯まるのには時間がかかることは、だれもがわかっていること。米国では100億、1,000億の宝くじが当たったというニュースが時々流れますが、当選確率1億分の1にまさか自分が当たると思っているわけでもないでしょう。
だとすれば、お金は植物と同じかそれ以上の時間で育てるのに時間がかかるものです。あと数年でどうにかならないかと、ジタバタしても過去をひっくり返すことはできません。打ち出の小槌はないのです。
60歳以降も仕事を続け、入ってくる収入をキープ
それならば、これからどうするか、ですが、限られた資源(体力か実物資産)をどう活用するか考えるしかないのです。
資産がないならば、自分の体を活用しましょう。そもそも、どうして60歳で仕事を辞めなければならないのでしょうか? サラリーマンでは就業規則で定年が定められていて、それが「たまたま」満60歳の誕生日というだけです。
自分定年は自分で決めることができます。人それぞれかもしれませんが、人間はもともと社会的動物なので、社会と交わることで精神的肉体的若さを保つことができます。
いろいろな働きかたがあります。ダブルワーク、パートの組み合わせなど、確かにこれだと社会保険を会社が面倒みてくれないかもしれませんが、入ってくる収入があるだけ精神的にもずいぶんと違います。
社会は経験豊富な人材を求めている
55歳で役職定年。60歳まで現在の会社で勤務。そこから65歳までのつなぎとしてハローワークでシルバー人材募集広告をみてみましょう。
最近は、経験豊富なアドバイザーを求めている企業が多いので、人材紹介会社でも60歳以上限定で週3回程度の勤務可能な人を求めているケースによく出くわします。そこから思わぬ出会いがある、ベンチャー会社の顧問の職を得る可能性もあります。
可能性に蓋をするか、お金が入ってくる期間をできるだけ先まで延長する可能性を追求するかは皆さん次第です。
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表