公開日:2019.11.25 税金

2020年から所得税はどう変わる? 税制改正の3つのポイント

2020年から所得税に関する大きな税制改正が実施されます。いずれも会社員や公務員などの給与所得者の年末調整や所得税の確定申告に影響を及ぼす改正内容です。その改正点の主な3つについて確認してみましょう。
 
高橋庸夫

執筆者:

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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高橋庸夫

執筆者:

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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改正のポイント3つ

1.基礎控除額引き上げ

基礎控除とは、その名の通り、全ての納税者に一律に適用される所得控除です。現行制度では所得の多少にかかわらず、一定額の38万円です。ほとんどの方が「本人控除38万円」と記憶していることでしょう。これが2020年1月から一律で10万円引き上げられて48万円となります。
 
ただし、合計所得金額が2400万円以下の方が対象となり、2400万円超の高額所得者に対しては段階的な控除額の減額措置などが取られ、2500万円超では適用なしとなります。

2.給与所得控除の引き下げ

上記1の基礎控除とセットで実施されるのが、給与所得控除の引き下げです。給与所得控除とは、給与所得者が自営業者に認められるような経費を一定額控除できる制度です。
 
2020年1月からは控除額が一律10万円引き下げられます。例えば、給与等の収入金額が162.5万円以下の方の給与所得控除額は、現行の65万円から55万円となります。
 
また、これと同時に、給与所得控除額が上限額となる給与等の収入金額が1000万円超から850万円超に引き下げられます。さらに、控除額の上限額が220万円から195万円となり、25万円引き下げられることになります。
 

 

3.所得金額調整控除の新設

子育て世代や介護をしている扶養親族等がいる場合などの負担を軽減するために、新たな所得控除として「所得金額調整控除」が新設されます。その適用要件は以下の通りです。
 
年収850万円超となる対象者(増税となる方)で、以下の3つのうちいずれかに該当する給与所得者の方
 
 1、本人が特別障害者
 2、年齢23歳未満の扶養親族がいる
 3、特別障害者の生計を一にする配偶者または扶養親族がいる

 
所得金額調整控除額は(年収-850万円)×10%となります。ただし、年収1000万円以上の場合は、上限額である一律15万円となります。
 

年収850万円を境とした影響

上記3つの税制改正を踏まえ、年収850万円超の場合には所得税が増税となります。例外として、23歳未満の扶養親族や特別障害者がいる方は、新設される所得金額調整控除の対象となるため、控除額が調整されます。
 
また、年収850万円以下の方は、原則基礎控除額と給与所得控除額がそれぞれ±10万円のため、実質的には影響を受けないこととなります。さらに、自営業やフリーランスの方は、通常は基礎控除額の引き上げのみの恩恵を受けるため、原則減税となります。
 

まとめ

結果として、会社員や公務員などで年収850万円を超える働き盛りの方の多くは、所得税や住民税が増税されることになります。
 
例えば、年収1100万円で扶養親族などがいない方は、基礎控除額+10万円、給与所得控除額(220万円→195万円)△25万円で合計△15万円の所得控除額減となります。仮に所得税率が20%とすると3万円の所得税増となります。また、住民税についても基礎控除額と給与所得控除額の変更が適用されます。
 
これまで長年の間、「本人の基礎控除は38万円」を覚えていた方も多いことでしょう。何となく名残惜しいような気もしますが、数万円の増税となる方も多くいらっしゃいますので、まずは、ご自身の年収を勘案して今から確認をしておきましょう。
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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