自営業者やフリーランサーは要注意?税金や保険料を重複して支払っていたらどうすればいい?
配信日: 2019.12.17 更新日: 2023.09.06
もし、そのような案内が届いた場合には、どのようにすれば良いのでしょうか?
執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
自営業者やフリーランサーは要注意
過誤納金還付請求書は、税金や国民健康保険料などが重複されて支払われている場合に送られてくるものです。会社員などであれば、給料から税金や各種保険は天引きにされていますので重複しにくいのですが、自営業者やフリーランサーの場合で、税金や保険料などを口座振替にせずに直接、支払っている場合は、注意が必要です。
過誤納金は返還してもらえますが、そもそも重複しないように口座振替をセットしたり、直接支払う場合には、支払日を管理し、支払った領収書を分かりやすく収納したりするようにしましょう。
また、支払を滞納すると、役所から新たに請求書が送られてきます。この場合は、手元にある請求書と比べて、新しい請求書に差し替えて支払うようにします。
支払ったかどうか分からなくなっているのなら役所に電話する、出向くなどして、いつまで支払われていて、いつから支払われていないのかを確認してから支払えば、間違えることはありません。
市税などの税金を納め過ぎた場合
そもそも税金が重複する原因としては、間違って支払っただけでなく、必然的に過払いになってしまうことがあるのです。
たとえば、
・納付後に、所得税や市県民税の申告をされたことで市県民税などが減額となった場合
・納付後に、固定資産の価格等が修正されたことで固定資産税が減額となった場合
・納付後に、課税が取消となった場合
などが考えられます。
住んでいる自治体が「市」の場合、還付されるのは市税となります。この場合は住所地の役所から「市税過誤納金還付(充当)通知書」が送られてきます。指示に従って手続きをしましょう。
還付方法は、基本、指定の口座へ返還されるのですが、自治体によっては「5万円まで現金で還付可」というように、現金での返還を行っているところもあります。この場合は、住所地の役所の窓口に出向くことが必須です。
通知書が届いたら、自分の住む自治体ではどのように返還してくれるのかを確認し、都合の良い方法で還付を受けましょう。還付時には還付加算金が加算されることもあります。
また、「市税過誤納金還付(充当)通知書」は発行から日から5年を過ぎると時効になってしまい、還付を受けることができなくなります。還付の通知書が届いたら、できるだけ早く手続きするようにしましょう。
国民健康保険料を納め過ぎた場合
国民健康保険料の二重払いや保険料の減額などを理由に納めすぎとなった保険料は、保険料に未納がない場合は、還付されます。万一、未納がある場合は、未納の分に充当されます。
例えば12月分を2回支払ってしまって11月分が未納の場合には、11月分に充当されますので、重複していても返還してもらえません。また、還付金には市税などと同様に、還付加算金が加算される場合もあります。
保険料を納め過ぎたときには、「国民健康保険料過誤納金還付・充当通知書」とともに「国民健康保険料還付請求書」が送られてきます。国民健康保険料還付請求書に必要事項を記入し、押印して返還するようにしましょう。
また、「市税過誤納金還付(充当)通知書」と同様に、「国民健康保険料過誤納金還付・充当通知書」にも時効があります。還付金の請求権は、通知書が発行されてから2年間です。2年を過ぎると時効となり還付を受けられなくなるので注意してください。
近頃では「還付金詐欺」が横行しています。自分に心当たりがない場合には、まず、市区町村に問い合わせをし、本当の還付金かどうかを確かめてから手続きするようにしましょう。
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト