最終更新日: 2020.04.17 公開日: 2020.04.20
税金

産休中・育休中でも扶養に入れるって本当ですか?

共働きで互いに収入を得ている場合、扶養になれずに配偶者控除・配偶者特別控除を受けられない世帯があります。
 
しかし、妻が産休や育休で収入が減った場合は、夫の扶養や配偶者控除などが受けられる場合があります。今回は、その前提知識として必要な、配偶者(妻)の収入の4つの壁について解説したいと思います。
 
 
廣重啓二郎

執筆者:

執筆者:廣重啓二郎(ひろしげ けいじろう)

佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

立命館大学卒業後、13年間大手小売業の販売業務に従事した後、保険会社に転職。1 年間保険会社に勤務後、保険代理店に6 年間勤務。
その後、コンサルティング料だけで活動している独立系ファイナンシャルプランナーと出会い「本当の意味で顧客本位の仕事ができ、大きな価値が提供できる仕事はこれだ」と思い、独立する。

現在は、日本FP協会佐賀支部の副支部長として、消費者向けのイベントや個別相談などで活動している。また、佐賀県金融広報アドバイザーとして消費者トラブルや金融教育など啓発活動にも従事している。」

詳細はこちら
廣重啓二郎

執筆者:

執筆者:廣重啓二郎(ひろしげ けいじろう)

佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

立命館大学卒業後、13年間大手小売業の販売業務に従事した後、保険会社に転職。1 年間保険会社に勤務後、保険代理店に6 年間勤務。
その後、コンサルティング料だけで活動している独立系ファイナンシャルプランナーと出会い「本当の意味で顧客本位の仕事ができ、大きな価値が提供できる仕事はこれだ」と思い、独立する。

現在は、日本FP協会佐賀支部の副支部長として、消費者向けのイベントや個別相談などで活動している。また、佐賀県金融広報アドバイザーとして消費者トラブルや金融教育など啓発活動にも従事している。」

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103万円の壁と150万円の壁とは?

配偶者(妻)の方が、パートなどで収入を得ようと考えた時に「収入の壁」を意識された方は多いと思います。その際、検討される年収として「103万円の壁」「150万円の壁」があります。これは、いずれも「税金の壁」と言われています。
 
2020年1月より所得税に関する税制改正が施行されました。具体的な変更点は、配偶者(妻)の年収の基礎控除は、38万円から48万円へ上げり、給与所得控除65万円から55万円へ下がりました。
 
基礎控除48万円と給与所得控除55万円の合計金額103万円に変更はない為、これまでの「103万円の壁」には変更はありません。
 
「103万円の壁」とは、基礎控除と給与控除を足した103万円を越えない限り、配偶者(妻)に課税される所得はないことを意味します。
 
また、この場合、納税者の夫の給与所得から配偶者控除として、38万円を上限に差し引かれます。配偶者(妻)の103万円を超えると、夫の勤務先の扶養手当・家族手当が受け取れなくなることもあるため、注意が必要です。
 
「150万円の壁」とは、配偶者(妻)の年収によって、納税者の夫の税金が段階的に上がって行くラインです。配偶者(妻)の年収が150万円以下の場合、配偶者特別控除として納税者の夫の所得から38万円差し引かれます。
 
ただし、夫の年収には要件が設けられており、夫の年収1,120万円(所得の場合900万円)を超えると段階的に控除は減少していき、配偶者(妻)の収入に応じて、1万円から38万円の間で控除が受けられます。夫の年収1,220万円(所得1,000万円)を超えると控除はゼロになります。

106万円の壁と130万円の壁とは?

さらに、「106万円の壁」、「130万円の壁」をご存じでしょうか? これは、いずれも「社会保険の壁」といわれます。
 
「106万円の壁」とは、配偶者(妻)の年収が106万円を超えると夫の社会保険の扶養を外れ、配偶者の勤務先では、社会保険(健康保険、厚生年金)に加入することがあります。なお、要件は、下記の条件すべてに該当した場合です。

<配偶者(妻)の勤務先の条件>

1.1週間あたりの決まった労働時間が20時間以上であること
2.1ヶ月あたりの決まった賃金が8万8000円以上であること
3.雇用期間の見込みが1年以上であること
4.学生でないこと
5.以下のいずれかに該当すること
(1)従業員数が501人以上の会社(特定適用事業所)で働いている
(2)従業員数が500人以下の会社で働いていて、社会保険に加入することについて労使で合意されていること
 
配偶者(妻)の年収が106万円を超えても130万円未満の場合は、夫の社会保険の扶養に入ることができる場合があります。しかし、配偶者(妻)が勤務先で社会保険加入となれば、夫の扶養には入ることはできません。よって、扶養から外れた場合、世帯全体で手取り収入がいくらになるのか把握が必要です。
 
「130万円の壁」とは、配偶者(妻)の社会保険の境目です。年収が130万円以上になると、配偶者(妻)の勤務先では社会保険に加入させなければいけません。当然、夫の扶養には入れなくなります。

産休中・育休中は、控除を活用して節税しよう

配偶者控除や配偶者特別控除は、配偶者(妻)の年収で上限が決められているため、配偶者が正社員の場合は、関係ないように思われがちです。
 
しかし、配偶者(妻)が産休中や育休中で会社より給与が支給されない場合、夫が配偶者控除や配偶者特別控除を受けられる場合があります。
 
その場合は、夫の会社の年末調整や確定申告が必要です。ぜひ、共働きでも産休・育休になった場合は、配偶者控除などで節税できることを覚えておきましょう。
 
なお、下記の育休中・産休中の給付は、課税対象に含まれません。
・出産一時金
・出産育児一時金
・育児休業給付金
・退職後の求職者給付金など

 
[出典]
国税庁「No.1191 配偶者控除」
国税庁「No.1195 配偶者特別控除」
 
執筆者:廣重啓二郎
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

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