更新日: 2024.06.26 その他税金
103万円に抑えたのに!住民税がかかったのはどうして?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
所得税と住民税の非課税額は違う
まず結論から言うと、年収103万円なのに住民税がかかった理由は、所得税と住民税の非課税額が違うからです。
一般的に扶養内として多くのパートが収める年収である103万円というのは、所得税の非課税額です。住民税の非課税額は居住している自治体によって若干異なりますが、多くの自治体で100万円弱となっています。
東京23区の非課税額は100万円
東京23区に居住している人の住民税の非課税額は100万円です。よって、103万円では非課税額を超えていることから、住民税が届いたということになります。
年収の壁による住民税の比較
パートが扶養内で働きたい場合に考える扶養の壁は4つあります。それぞれの住民税の違いを比較してみましょう。
図表1
年収の壁 | 壁の意味 | 住民税 |
---|---|---|
103万円 | ・所得税の非課税額 ・配偶者側で配偶者控除が受けられる |
7500円 |
106万円 | ・社会保険の扶養を外れる (大企業の場合) |
1万500円 |
130万円 | ・社会保険の扶養を外れる | 3万4500円 |
150万円 | ・配偶者特別控除で配偶者控除と同額の控除が受けられる | 5万4500円 |
201万円 | ・配偶者特別控除が受けられなくなる (正確には201万6000円未満) |
9万2000円 |
筆者作成
【関連記事】
扶養内で「確実に」働くには?「103万、106万、130万、150万円の壁」の違いを解説
年収103万円では7500円の住民税が発生する
東京23区の場合には、年収100万円では住民税0であるのに対して、103万だと7500円の住民税がかかります。非課税額100万円をわずか3万円超えただけで7500円もかかる理由は、住民税は所得割と均等割という2種類で構成されているからです。
所得割・均等割りとは
所得割は所得に対して一律の税率でかかる税金であり、年収に比例します。対して均等割は、固定的に発生するものであり、東京23区では5000円(令和5年までは地方自治体の防災対策のために1000円加算されています)で設定されています。
つまり非課税額100万円を超える金額が小さい程、住民税のうちに均等割が占める割合が高くなるため、収入に対する税負担が大きくなってしまうのです。
【関連記事】
結局、「扶養内で働く」のと「社会保険に加入して働く」のとでは、どちらがトクなの?
住民税も0にしたいなら年収100万円以下
東京23区で住民税もかからずに働きたい場合には、年収103万円ではなく100万円以下になるようにしましょう。住民税の非課税額は居住地の自治体によって異なるため、勤務先または居住地の役所に確認しましょう。
まとめ
扶養内で働けるとして一般的に知られている年収103万は、所得税での非課税額です。住民税の非課税額は東京23区で100万円となっており、居住地の自治体によって若干異なりますが、年収103万円では超えてしまう自治体が多いでしょう。税負担は0で働きたいという場合には、住民税の非課税額の確認も必須です。
出典
国税庁 パート収入はいくらまで所得税がかからないか
東京都主税局 個人住民税
国税庁 配偶者控除
国税庁 配偶者特別控除
厚生労働省 配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさま | 社会保険適用拡大 特設サイト
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部