「固定資産税」を払い忘れてしまいました……。「割増の請求」や「差し押さえ」などはありうるのでしょうか？

持ち家を所有している人に課せられる税金である固定資産税は、毎年納める必要があります。
 
しかし、納付通知書が届いたものの、うっかり払い忘れてしまうこともあるかもしれません。その場合はどうなるのか、気になる人もいるでしょう。
 
本記事では、固定資産税を払い忘れた場合にどうなるのかを確認するとともに、発生する延滞金の金額や払い忘れを防ぐ方法などについても紹介します。

固定資産税を払い忘れるとどうなる？

固定資産税の支払いには期限が決められており、その期限までに支払わないと延滞金が発生します。すぐに支払えば延滞金がプラスされるだけで済みますが、そのまま未納の状態にしておくと財産を差し押さえられることになるので注意が必要です。
 
もちろん、ある日突然差し押さえがおこなわれるわけではなく、事前に通知されます。納付期限が過ぎて20日以内に督促状が送られますが、それでも払わずにいると電話や文書で催告を受けることになるでしょう。
 
督促や催告に従わなかった場合は財産に関する調査がおこなわれ、差し押さえの対象となる財産を確認されます。調査が完了しだい、預貯金や給与・保険などの財産の差し押さえが実行されるという流れです。
 

延滞金はいくら発生する？

固定資産税を払い忘れた場合に延滞金はいくらぐらい発生するのか確認しておきましょう。
 
納付期限までに納付されなかった税金には、指定されている納付期限の翌日から税金を支払う日までの日数に応じて延滞税が課せられます。
 
総務省によると、令和7年分の延滞税の割合は以下の通りです。

・納付期限の翌日から1ヶ月経過する日まで：年2.4パーセント
 
・納付期限の翌日から1ヶ月経過した日以降：年8.7パーセント

上記の割合を基に、以下のような式で延滞税を計算します。

・（納付すべき税額×延滞税の割合×日数（納付期限の翌日から完納の日、または1ヶ月を経過する日）÷365日
 
・（納付すべき税額×延滞税の割合×日数（1ヶ月を経過する日の翌日から完納の日）÷365日

上記の合計が延滞税の額となります。
 

固定資産税の払い忘れを防ぐ方法

延滞税を課せられたり財産を差し押さえられたりすることがないよう、固定資産税の払い忘れを防ぐことが大切です。
 
まず、納付方法を確認しておきましょう。固定資産税の納税義務者には自治体から納税通知書が届き、年4回の納期が設定されています。1年分を一括で払うことも可能ですが、4期に分けて払う場合はそれぞれ納付期限が設定されているので、確認しておきましょう。
 
2回目以降の納付期限を忘れてしまう可能性もあるため、スマートフォン（スマホ）のカレンダーに入力して通知がくるようにしておくのもおすすめです。
 
また、口座振替を利用することで、自分で支払いに行く必要がなくなり、払い忘れを防ぐ効果が期待できます。そのほか、クレジットカード払いやスマホ決済に対応している自治体もあるようです。利用しやすい方法を選ぶとよいでしょう。
 

固定資産税を払い忘れると延滞税が発生したり財産を差し押さえられたりする可能性もある

固定資産税は毎年納める必要がありますが、4回に分けて支払う人もいるため、払い忘れが発生する可能性もあるでしょう。
 
支払わないまま納付期限を過ぎてしまった場合は延滞税が発生して余分なお金を払わなければならなくなるだけでなく、財産が差し押さえられる可能性もあるため、注意が必要です。
 
口座振替を利用して自動的に口座から引き落とされるようにしたり、クレジットカード払いやスマホ決済を利用して払いやすくしたりすることで、払い忘れを防ぐようにしましょう。
 

出典

総務省　加算金、延滞金、還付加算金
国税庁　No.9205 延滞税について
国税庁　延滞税の計算方法
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー