「身内の手伝いだから大丈夫」と言うママ友。でも月2万円“手渡し”で確定申告なしって本当に平気?

配信日: 2025.10.31
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「身内の手伝いだから大丈夫」と言うママ友。でも月2万円“手渡し”で確定申告なしって本当に平気?
身内の飲食店を手伝い、毎月2万円を受け取っているというAさんの友人。少額の定期収入があり、それが「手渡し」だった場合、確定申告をしなくても問題ないのか、FPが解説します。
正田きよ子

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

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「身内の手伝い」「手渡し」でも確定申告の義務はあり。ただし申告不要のケースも

たとえ身内からの手渡しであっても、収入である以上は課税対象です。支払う側が源泉徴収をしていない場合、受け取った側が自ら確定申告を行う必要があります。
 
ただし、収入の種類や金額によっては申告が不要となるケースもあります。たとえば、ママ友が専業主婦で他に収入がなく、身内の手伝いによる月2万円の収入のみであれば、確定申告は不要です。
 
月2万円のパート収入×12ヶ月=年間24万円
 
令和7年度の税制改正により、合計所得が132万円以下の場合、基礎控除は95万円に引き上げられました。さらに給与所得控除65万円が加わることで、合計160万円までの給与所得には所得税がかかりません。
 
一方で、平日は会社員として働き、休日に身内の店を手伝っているような場合は、他の収入との合算により申告が必要になることがあります。
 

確定申告しないとどうなるか?

申告すべき収入があるにもかかわらず確定申告をしなかった場合、無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。さらに、悪質と判断されれば重加算税や税務調査の対象となることもありますので注意しましょう。
 
また、所得税の申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になるケースがあります。特に収入が20万円未満でも、自治体によっては申告を求められることがあるため、事前に確認しておきましょう。
 

収入と所得の違い、確定申告で得をすることも

「収入」とは受け取った金額の総額、「所得」とは収入から必要経費を差し引いた金額です。確定申告では、この「所得」に対して税金を計算し、税務署に申告・納税します。
 
会社員の場合、確定申告が必要になるのは副業による所得が年間20万円を超える場合です。収入ではなく「所得」で判断される点に注意しましょう。
 
また、確定申告をすることで、必ずしも納税額が増えるとは限りません。必要経費が多くて副業所得がマイナスになると、総所得が圧縮されて税金が還付される可能性もあります。
 
申告はパソコンやスマホから自宅で簡単に行えます。「めんどそう」と敬遠せず、正しく申告することが大切です。
 

「身内の手伝い」「手渡し」でも収入はわかるの?

「身内だから」「少額だから」「手渡しだから」といった理由で申告しなくても大丈夫と思っている方もいるかもしれません。しかし、これらは確定申告の免除理由にはなりません。実際には、SNSへの投稿や第三者からの通報、トラブルや嫉妬などをきっかけに税務署が収入を把握することもあります。
 
専業主婦だと思っていたママ友が、実は家賃収入を得ていた、なんてこともあり得る話です。確定申告しなくても大丈夫というママ友のことが気になるのなら、「税務署って意外と見ているみたいよ」と、やんわりと伝えてみるのも1つの方法です。
 

出典

国税庁 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について
国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき
 
執筆者 : 正田きよ子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

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