2025年の「税制改正」で不動産オーナーの負担が増える!? 土地活用でできる対策とはなにがあるのでしょうか?
配信日: 2025.03.29

本記事では、2025年の税制改正の概要や不動産オーナーが注目すべきポイントを分かりやすく解説します。税制改正に対応するための有効な土地活用にも触れるため、ぜひ参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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税制改正大綱とは?
「税制改正大綱」とは、毎年政府が発表する税制改正の方針を定めたものです。「税制改正の素案・試作案」ともいわれており、税制改正要望を取りまとめた内容となっています。
公表されている税制改正大綱はあくまで一つの案であり、協議や国会審議の内容次第では変更される可能性があります。しかし、税制改正大綱に反映された内容は、そのまま施行されるケースも少なくありません。
税制改正は不動産経営に大きな影響を及ぼす恐れもあるため、不動産オーナーとしてなるべく早く対策を講じることが重要といえるでしょう。
不動産オーナーが注目すべきポイント
ここからは、不動産オーナーが注目すべき2025年の税制改正大綱のポイントを詳しく解説します。
サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制の延長
「サービス付き高齢者向け住宅」は、高齢者単身・夫婦世帯が居住できるバリアフリーの住まいのことです。安否確認や生活相談のサービスを受けられるなど、入居者が安心して暮らせる環境が整っています。
「サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制の延長」とは、サービス付き高齢者向け住宅の建設に生じる不動産取得税と固定資産税を減額する税制対策です。具体的には、新築のサービス付き高齢者向け住宅に関する固定資産税の減額措置が、2年間延長されることになります。
不動産オーナーにとっては、新たな土地活用の選択肢として、高齢者向け住宅の開発や賃貸運用を検討する価値があるでしょう。
住宅ローン控除における子育て世帯優遇措置
「住宅ローン控除」とは、マイホームを購入する際に一定の要件を満たせば、年末時点の借入額に0.7%を乗じた額が所得税や住民税から控除される制度のことです。
2024年度の税制改正大綱では、子育て世帯と若者夫婦世帯に限り、住宅ローン減税の借入限度額を1000万円上乗せする措置が導入されましたが、2025年度は同措置の1年延長が決定しました。
また、既存住宅のリフォームに関する特例措置として「子育て対応のための改修工事」も追加されるため、対象の方は「令和7年度税制改正の大綱」で詳しい内容を確認してみてください。
マンション長寿命化促進税制の延長
「マンション長寿命化促進税制」とは、マンションの長寿命化を目的に大規模修繕工事をおこなった場合に、固定資産税額を減額できる特例措置です。2025年の税制改正大綱では、2年延長されることになりました。
老朽化したマンションの修繕を検討しているオーナーにとって、コスト削減のメリットを引き続き得られることになります。ただし、減額される税額は市町村によって異なることや、区分所有者が2人以上存在するマンションが対象となることに注意しましょう。
築年数が経過したマンションを所有しているオーナーは、この特例措置を活用して物件の価値を高めていくことをおすすめします。
土地活用を検討するなら
土地活用でできる対策とは
2025年の「税制改正」を受けて、不動産オーナーにおすすめしたい対策を紹介します。
高齢者向け住宅の活用
「サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制の延長」を受け、高齢者向け賃貸住宅の活用が注目されています。税制優遇措置を活用しながら、サービス付き高齢者向け住宅の経営をおこなうことで、安定した賃貸収益が得られるでしょう。
マンションの大規模修繕
築年数の古いマンションを大規模修繕すれば、長期的な資産価値を維持しつつ、税制優遇を受けられます。「築後20年以上が経過している」「総戸数が10戸以上である」「過去に長寿命化工事を1回以上実施している」場合が適用の対象です。
大規模修繕にはまとまった費用が必要ですが、税制優遇を受けられるうちに手を打てば必要最低限のコストで済むでしょう。外壁の落下による事故や見た目の悪化による廃虚化などの問題を回避するためにも、大規模修繕を前向きに検討してみてください。
税制改正大綱を理解した上で土地活用しましょう
2025年の税制改正では、不動産オーナーに影響が生じる改正がいくつか実施される予定です。税制優遇措置の延長や見直しを活用して、税負担を抑えながら安定した不動産経営を目指しましょう。
出典
財務省 令和7年度税制改正の大綱
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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