都内3800万円の家を65歳で売却→神奈川で賃貸暮らしに乗り換え!老後資金は何年分もつ?
相続や売却後に得られる資金をどのように活用すれば安心して暮らせるのか、年金収入や家賃相場も踏まえながら考えていきます。生活費や家賃負担とのバランスを見定めて、長く安定した老後設計を目指すポイントを詳しく解説します。
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目次
65歳で得られる現金資産とその意義
実家の売却代金として3800万円が確保できると、老後の生活設計に大きく役立ちます。仮に手取り額が諸費用を差し引いて3600万円程度とすると、それをどう使うかが老後のゆとりを左右する重要なテーマになります。
この資金を「老後何年分に相当するか」は、毎月の支出構成によって大きく異なります。
神奈川での平均賃貸家賃と生活費の目安
神奈川県内であれば、比較的家賃相場は東京都心部より低くなる傾向がありますが、県内でも戸塚や横浜中心部など立地次第で差があります。
総務省が出した「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」によると、65歳以上の賃貸住宅における全国平均家賃は約4.9万円/月ですが、東京都特別区部では約7.7万円/月にもなります。神奈川であれば5万〜6万円程度を想定するのが現実的でしょう。
これを基に、生活費を整理したものが表1になります。
表1
| 項目 | 金額(月額) |
|---|---|
| 家賃(神奈川想定) | 約5万5千円 |
| 生活費(食費・光熱費等) | 約20万円(夫婦2人想定) |
| 公的年金収入(夫婦平均) | 約20万円/月 |
※筆者作成
このバランスでは、年金だけでは家賃の支払いが厳しく、預貯金を取り崩さざるを得なくなるケースが多いです。
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3800万円の資金で老後資金が何年もつかを試算する
たとえば、月5万円の家賃と月20万円の生活費がかかる場合、毎月25万円の出費が必要になります。年金が月20万円なら、5万円を預貯金でまかなう形となります。
そのケースだと年間で約60万円を取り崩す計算になり、3800万円/60万円=約63年分の資金がある計算になります。
一方、もう少し余裕を設けた生活設計も検討できます。
長期的なシミュレーションとリスクの考慮
老後の生活は想定以上に長くなる可能性が高いため、資金が何年持つかを正しく見極めることが重要です。以下のような長期シミュレーションを視野に入れると安心です。
30年間のモデル:3800万円 / (25万円 × 12ヶ月 × 30年) = 約42年分
40年間のモデル:3800万円 / (25万円 × 12ヶ月 × 40年) = 約31年分
このように、年数が長くなるほど安心期間は短くなります。また、医療費や介護費、インフレの影響も考慮する必要があります。
生活設計における柔軟な考え方の重要性
賃貸に切り替えたとしても、固定費を抑えるために以下のような工夫を組み込むのが現実的です。
・少し家賃が高くても、セカンドライフの利便性を重視して選ぶ
・賃料の安い地域への移住も検討する(生活と利便のバランスを加味)
・住む期間だけに注力せず、健康維持や収入の見通しも併行して考える
老後設計は「住宅費」「生活費」「資産の取り崩し期間」の三点のバランスで考えることが肝要です。
まとめ
65歳で3800万円の実家を売却し、神奈川で賃貸暮らしに乗り換える場合、資金の余裕は相当期待できます。たとえば毎月25万円の支出があったとしても、3800万円あれば約42年から63年分の費用を賄える計算です。しかし健康面やインフレ、突発的支出などの不確定要素を考慮して、シミュレーションには余裕を持ちたいところです。
賃貸の老後は柔軟性が魅力ですが、それだけでは安心できないのも事実です。賃貸費用と生活費のバランスを綿密に計画しながら、不足を補う資産運用や収入の確保も検討することが、安心できるセカンドライフの鍵となります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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