50代で「ローン残り1000万円」の家を売るのは賢い?ローン完済後に残るお金は?
その中で、「まだローンが残っている自宅を売却するのは賢い選択なのか?」という疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。残債が1000万円程度ある場合、売却によってローンを完済した後にどれくらいの資金が残るのかは非常に気になるポイントです。
この記事では、売却判断に必要な視点と、完済後に手元に残る金額、注意すべきリスクや判断基準について詳しく解説します。
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目次
まず確認すべきは現在の家の査定額とローン残高のバランス
自宅を売却する際にもっとも重要なのは、家の査定価格がローンの残債を上回っているかどうかです。たとえば住宅ローンの残りが1000万円で、家が2000万円で売れれば、ローンを完済しても1000万円が手元に残る計算になります。
表1
| 項目 | 金額(例) |
|---|---|
| 売却価格 | 2000万円 |
| 住宅ローン残債 | 1000万円 |
| 売却諸費用 | 約150万円 |
| 手元に残る金額 | 約850万円 |
※筆者作成
ただし、表1にある通り売却には仲介手数料や登記費用、ローンの繰り上げ返済手数料などがかかります。これらを差し引いた上での「実質の残額」を冷静に見極める必要があります。
売却後に残る資金はどのように活用できるか
売却によって手元にまとまった資金が残れば、生活設計の自由度は高まります。たとえば、老後資金の一部として運用する、賃貸住宅に引っ越して固定費を抑える、または介護や医療の備えとして確保しておくなど、さまざまな選択肢があります。
資金活用の選択肢例
・賃貸住宅に住み替えて固定資産税や修繕費の負担をなくす
・将来の医療・介護費に備えて現金を確保しておく
・定年退職後の収入減に備えて生活費の補填資金とする
・子どもの教育費や結婚支援に活用する
住み替え後のライフスタイルと収支バランスを明確にしておくことで、安心して次の生活へ移行できます。
ローン残債が売却額を上回る「オーバーローン」の場合は注意
査定価格がローン残高を下回るケースでは、「オーバーローン」となり、売却によってすべてのローンを完済できない可能性があります。この場合、売却後もローンが残るため、手元資金がマイナスになる可能性すらあります。
表2
| 項目 | 金額(例) |
|---|---|
| 売却価格 | 900万円 |
| 住宅ローン残債 | 1000万円 |
| 売却諸費用 | 約100万円 |
| 残債(不足分) | 約200万円 |
※筆者作成
表2のようなオーバーローンになるケースでは、売却を急がず、住宅ローンの借り換えや住み替えローンの活用、リフォームによる価値向上などを検討する余地もあります。
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売却の判断材料となる3つの視点
ローンが残っている状態での売却は、単なる損得勘定だけでは判断できません。今後のライフプランやリスク管理の視点からも検討することが大切です。
売却判断のポイント
1. 老後の生活資金を安定して確保できるか
売却益でローンを完済し、その後の家賃や生活費の負担も軽減できるかを確認しましょう。
2.今の家にこの先も住み続けたいと思えるか
リフォームが必要だったり、生活環境が変わったりする場合は、住み替えの選択肢も現実味を帯びます。
3.健康状態や家族構成に変化がないか
50代は両親の介護や子どもの独立などライフステージの変化が起きやすいため、それらを見越した住まいの形が必要です。
売却と住み替えを同時に進める際の注意点
住み替えのタイミングや新居の選定は、売却以上に重要な要素です。持ち家を手放して賃貸に移る場合は、家賃負担と老後収支のバランスを必ず見直しましょう。
たとえば、都内から地方へ移住すれば、同じ条件でも家賃は大幅に安くなる可能性があります(表3参照)。その分、老後資金に余裕ができ、ゆとりのある生活が送れるようになります。
表3
| エリア | 1LDK賃貸の月額家賃相場 |
|---|---|
| 東京都23区 | 約12〜15万円 |
| 神奈川・埼玉 | 約8〜11万円 |
| 地方都市 | 約5〜8万円 |
※筆者作成
新たな住まいが「生活の質」を維持・向上できるかどうかも、売却判断に直結します。
まとめ
50代で住宅ローンが1000万円残っている状態でも、家の資産価値がしっかりしていれば、売却によってローン完済と同時にまとまった資金を得ることができます。その資金を元手に生活の見直しや住み替えを行うことは、老後のリスクを減らす有効な選択肢となります。
ただし、オーバーローンになってしまう可能性がある場合は、慎重な判断が必要です。売却の可否だけでなく、その後の生活設計全体を見据えたうえで決断することが大切です。
住宅ローンの残債と向き合うことは、老後の安心と自由を手に入れるための第一歩です。プロの意見も参考にしながら、自分にとって最適なタイミングを見極めましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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