父から相続した実家を“兄の名義”で売却したらトラブルに!相続人全員の同意が必要なケースと回避策を解説
本記事では、「名義人だけで売却できるケース」と「相続人全員の同意が必要なケース」の違い、そして、トラブルを回避するための実践的な対策を分かりやすく解説します。
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目次
相続不動産を売却する際に必要な手続きとは?
不動産を相続した際、すぐに売却を進めることはできません。まず行うべきは、以下の3つのステップです。
1.遺産分割協議
相続人全員で「誰がどの財産を相続するか」を話し合い、合意の上で協議書を作成します。
2.相続登記(所有権移転登記)
遺産分割の内容に従って、不動産の名義を正式に移す手続きです。
3.売却手続き
名義が移った後、所有者として不動産売買契約を結ぶことができます。
この流れを正しく踏まないまま売却しようとすると、他の相続人から異議が出たり、買主との契約が無効になったりするリスクが生じます。
相続人全員の同意が必要になるケースとは?
表1のような場合、不動産売却には相続人全員の同意が必要です。
表1
| ケース | 内容 |
|---|---|
| 遺産分割協議前 | 所有権が誰かに確定しておらず、相続人全員の共有財産扱いになる |
| 共有名義で登記された場合 | 名義人すべての同意がないと、売却が成立しない |
| 他の相続人が異議を唱えた場合 | 遺留分の問題などで争いが起きると、売却は一時停止される可能性がある |
※筆者作成
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名義人単独で売却できるのはどんな場合?
すでに遺産分割協議が成立しており、法的に不動産の所有権が特定の相続人(例:兄)に移転している場合、その名義人は単独で売却することができます。
具体的には、次の条件をすべて満たしていると、他の相続人の同意なく売却が可能です。
・遺産分割協議書が相続人全員の署名・押印で作成済み
・相続登記が名義人に完了している
・他の相続人から異議や訴訟の提起がされていない
このような場合は、名義人が単独で売却活動を進め、売買契約・引き渡しまで完了できます。
相続トラブルを未然に防ぐための4つの対策
相続不動産をめぐるトラブルを防ぐには、以下のような対策が有効です。
・相続人全員で早めに話し合いを持つ
財産の分け方を巡って長期化すると、感情的な対立に発展しやすくなります。
・遺産分割協議書は必ず文書で残す
口頭での合意では後から言い分が食い違い、証明が困難です。
・専門家に相談する
司法書士・税理士・弁護士などの専門家を交えて、法的手続きを進めましょう。
・売却の前に相続登記を済ませる
不動産の名義が整理されていないままでは、売却トラブルのもとになります。
これらの対策を講じることで、相続人同士の関係悪化や法的リスクを大きく減らすことができます。
相続不動産の売却は手続きと信頼構築がカギ
相続によって受け継いだ不動産を売却する際には、「名義が誰か」だけでなく、「相続手続きが適切に完了しているか」「他の相続人の同意が得られているか」が非常に重要なポイントとなります。
相続人全員の同意が必要な場合には、無断での売却行為は法的に無効になるばかりか、家族間の信頼を大きく損ねる可能性もあります。トラブルを防ぎ、安心して資産を活用するためにも、正しい手続きを踏んだうえで慎重に進めていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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