固定金利上昇で「住宅ローン」の支払いが不安…今“注文住宅”を建てるなら、変動金利とどちらを選ぶべき?
本記事では、それぞれの金利タイプの特徴や、今後の金利動向を踏まえた上での選び方について詳しく解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
はじめての注文住宅なら
無料でアドバイザーに相談! 公式サイトを見る
目次
固定金利が上昇し始めた今、金利選びは住宅ローン計画の要
住宅ローンの金利は、借入金額や期間だけでなく、将来的な家計の安定性にも影響を与えます。近年、特に話題になっているのが「固定金利の上昇」です。日本銀行の金融政策の転換や、世界的な金利上昇の影響を受け、10年固定や全期間固定などの金利は上昇傾向にあります。
たとえば、2021年には1%未満で借りられた固定金利商品も、2024年以降は1.5%〜2.0%台に近づいており、今後さらに上がる可能性もあります。一方で、変動金利は日銀の政策金利に連動しており、まだ0.3〜0.5%前後の低水準が続いていますが、「将来的に上がるリスク」が常につきまといます。
このような背景から、住宅ローン金利の選択は、単なるお得さだけでなく、安定性やリスク許容度を考慮した戦略的判断が求められる時代に入ってきたのです。
固定金利と変動金利の違いと、それぞれの特徴を整理しよう
金利タイプの違いを正しく理解することは、自分に合った住宅ローン選びの第一歩です。表1で、固定金利・変動金利・期間固定型の3種類を比較してみましょう。
表1
| 項目 | 固定金利 | 変動金利 | 期間固定型 |
|---|---|---|---|
| 金利の特徴 | 返済終了まで一定 | 市場金利に応じて変動 | 市場金利に応じて変動 |
| 将来の見通し | 安定して返済計画が立てやすい | 将来的に金利上昇のリスクがある | 一定期間は安心だが、その後は変動 |
| 現在の金利水準 (2025年時点) |
約1.5〜2.0% | 約0.3〜0.5% | 固定期間により異なる |
| 向いている人 | 長期的な安定を重視する人 | 早期返済・リスクを取れる人 | ライフプランが明確な人 |
※筆者作成
それぞれの金利タイプにはメリットとデメリットがあり、一概に「どちらが良い」とは言えません。自身の家計の安定性や、将来の収入見通しなどを踏まえて選ぶことが重要です。
はじめての注文住宅なら
無料でアドバイザーに相談! 公式サイトを見る
2025年以降の金利動向はどうなる?
住宅ローンの金利は、経済情勢や政策金利の変動によって左右されます。現在、日銀のマイナス金利政策の終了が示唆されており、これが実行に移されれば変動金利も徐々に上昇していく可能性が高まります。また、インフレ抑制や経済回復の進展により、全体的な金利上昇トレンドに入るという見方もあります。
このような状況を踏まえると、今後は「変動金利の上昇リスク」をどう見積もるかがカギになります。数年以内に大きく上がるとは限りませんが、20年、30年という返済期間の中では、金利の変動が家計に及ぼす影響は小さくありません。
そのため、短期的な金利差だけを見て変動金利を選ぶのではなく、「リスクを受け入れられるか」「将来の収入にゆとりがあるか」といった観点で判断する必要があります。
注文住宅を建てるなら、「住宅ローンの組み方」も重要
注文住宅を建てる場合は、建売住宅と異なり、土地購入費・設計費・工事費など支払いが段階的に発生します。これにより、つなぎ融資や分割融資を利用することになり、資金計画がやや複雑になります。
そのため、住宅ローンの「金利タイプ」だけでなく、「融資のタイミング」や「繰り上げ返済の余地」も含めて全体的な資金計画を立てることが大切です。たとえば、住宅完成後に一括融資を受ける場合、つなぎ融資の期間中に支払う利息を含めた総返済額も考慮しなければなりません。
また、注文住宅は仕様や設備のグレードによって総費用が大きく変動します。金利の選択によって月々の返済額に差が出る分、仕様にかけられる予算が変わることもあるため、家づくりと資金計画を同時に進める姿勢が求められます。
固定金利と変動金利、どちらが正解かは将来設計次第
住宅ローンの金利選びは、単に「金利が安い方を選ぶ」というものではありません。固定金利は返済計画が立てやすい安心感がある一方で、初期の負担は大きくなります。変動金利は月々の返済が抑えられる反面、金利上昇時のリスクを背負う必要があります。
2025年以降は金利が上昇する可能性が高まっており、これから注文住宅を建てる方にとっては、慎重な選択が求められる時代です。最終的には、自身の家計の安定性、収入の見通し、ライフプランをもとに、専門家と相談しながら「納得のいく選択」を行うことが、後悔のない住宅購入への第一歩となります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
はじめての注文住宅なら
無料でアドバイザーに相談! 公式サイトを見る