空き地に“太陽光パネル”を設置したら「雑草」や「近隣クレーム」で維持費が想定外になることも!? 太陽光発電による土地活用について解説
本記事では、太陽光パネルによる土地活用のメリット・デメリットを整理し、後悔しないために必要な注意点や維持コストを抑える対策まで詳しく解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
太陽光発電による土地活用が注目される背景とは?
空き地をそのまま放置すると、固定資産税はかかり続け、雑草や不法投棄などで近隣トラブルの原因になってしまいます。こうした課題を解消しながら収益を得られる方法として、「太陽光発電による土地活用」が注目されています。
特に、住宅地から少し外れた土地や変形地、農地転用後のスペースなど、他の用途に向かない土地でも、太陽光パネルの設置で発電収入を得ることが可能です。また、国や自治体による補助金や売電制度の後押しもあり、参入障壁が下がっているのも理由の一つです。
設置後に直面する想定外の維持費とは?
太陽光パネルは設置して終わりではありません。実際に稼働し始めてから、さまざまな維持管理費用がかかることがあります。特に多いのが「雑草問題」と「近隣住民からのクレーム」です。雑草が伸びすぎてパネルに影を落とすと、発電効率が低下して収益が落ちます。
また、草刈りの音や作業車の出入りに対して苦情が入るケースもあります。さらに、パネルの破損や鳥の糞害など、日常的なメンテナンスが必要となり、そのたびに費用が発生します。設置費用だけに注目せず、「運用コスト」まで含めた事業計画が必要です。
太陽光発電にかかる主な維持管理コスト一覧
表1
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 草刈り・除草費用 | 年2〜3回の作業が必要。10万円前後かかることも。 |
| パネル洗浄・清掃費 | 鳥の糞・砂埃による発電効率低下対策。年1回推奨。 |
| 防犯・監視対策 | フェンス設置や防犯カメラ設置も必要になることがある。 |
| 定期点検費用 | 電気工事士などによる年1回の点検が義務化されているケースも。 |
| 近隣対策費用 | 苦情対応・目隠しフェンス設置などのイレギュラー費用が発生することも。 |
※筆者作成
雑草は太陽光発電事業において大きな問題となります。景観悪化や発電量低下だけでなく、近隣住民との関係悪化の原因にもなるため、表1にあるように定期的な対応が欠かせません。以下は代表的な防止策です。
1.防草シートの敷設
設置初期に全面に敷くことで、草の発生をかなり抑えられます。ただし耐用年数は5〜10年です。
2.砕石(砂利)敷設
雑草の繁殖を抑える効果があり、メンテナンス費用の削減に寄与します。
3.除草剤の定期散布
環境負荷や近隣への影響もあるため、選定に注意が必要です。
これらを組み合わせて実施することで、長期的に安定した管理体制を整えることができます。
近隣住民とのトラブルを防ぐために配慮すべきポイント
太陽光発電の導入で意外と多いのが「騒音」や「反射光」「景観の悪化」などによる近隣住民からのクレームです。こうしたトラブルは、事前の説明や配慮で大きく軽減できます。
たとえば、設置工事の前に近隣住民へあいさつに回ることで、関係が良好になるケースも。また、反射光を抑える低反射型パネルの使用、景観に配慮したフェンス設置、作業時間の制限など、細やかな気配りが求められます。クレームが拡大すると行政指導や事業停止の可能性もあるため、初期対応が何より重要です。
土地活用を検討するなら
無料査定実施中! 公式サイトを見る
太陽光発電に向いている土地の特徴とは?
すべての土地が太陽光発電に適しているわけではありません。以下のような条件が整っている土地が向いています。
・南向きで日照時間が長く、影が少ない
・坂道ではなく比較的平坦で安定した地盤
・接道条件が良く、工事車両が入りやすい
・地元自治体の規制に抵触しない
・賃貸や売却の予定が当面ない「遊休地」
これらを満たすことで、太陽光発電による収益性が最大化され、想定外のコストリスクも軽減されます。
太陽光発電は売電収入だけでなく節税効果もある?
太陽光発電には、「売電収入によるキャッシュフロー」だけでなく、「初期投資を減価償却費として計上できる」という節税メリットもあります。特に法人が導入した場合、太陽光設備を資産として計上しつつ、年間で大きな節税が可能です。
さらに、余剰電力の自家消費によって電気代を下げられる仕組みも導入可能で、将来的なコストダウンにもつながります。ただし、補助金制度や税制優遇は年々変更されるため、導入時には最新の制度を確認することが大切です。
太陽光発電で空き地を活用するなら「維持費・近隣対策」まで想定して始めよう
太陽光発電は空き地の有効活用として優れた手段ではありますが、思わぬトラブルや維持費が発生することも忘れてはいけません。雑草による発電効率の低下、清掃・点検・防犯対策、そして近隣住民との関係悪化。こうした要因によって収益が圧迫され、事業全体が赤字になるリスクもゼロではありません。
長期的な視点で見たとき、「いかに収益を守るか」よりも「いかに損失を防ぐか」という考え方が必要です。事前の計画・制度の把握・専門家への相談を通じて、トラブルのない太陽光発電経営を目指しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
土地活用を検討するなら
無料査定実施中! 公式サイトを見る