駅徒歩10分の「都市部」の注文住宅 vs「郊外」の土地付き注文住宅…資産価値はどちらが高い?
この記事では、都市部と郊外の注文住宅の資産価値を徹底比較し、将来的な売却リスクや評価の違いについて詳しく解説します。
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目次
都市部の駅徒歩10分圏内は「資産価値が落ちにくい」立地として評価されやすい
都市部の駅近、特に「徒歩10分圏内」という条件は不動産市場において非常に価値の高い条件とされています。通勤・通学の利便性が高く、生活インフラも整っていることから、年齢を問わず幅広い層に人気があるため、需要が安定していることがその理由です。
さらに、再開発が進むエリアや商業施設が充実している地域では、物件の築年数が経過しても資産価値が大きく下がらず、10年後・20年後でも高値で売却できるケースがあります。これに対し、駅から遠く不便な場所にある不動産は、時間の経過とともに需要が減少し、売却価格も低くなる傾向が強くなります。
不動産の資産価値を構成する大きな要素は「立地」です。そのため、同じ価格で建てられた注文住宅であっても、駅からの距離や周辺環境によって将来の評価が大きく変わる可能性があります。
郊外の土地付き注文住宅は「広さと安さ」が魅力だが、資産価値には注意が必要
郊外に注文住宅を建てる最大の魅力は、コストパフォーマンスの良さです。都市部と同じ予算でも、土地が広く、部屋数や設備にゆとりを持たせた住まいを実現できます。また、自然が豊かで落ち着いた生活環境を好む層には人気があり、子育て世帯にとっても安心して暮らせる環境が整っています。
しかし、資産価値という視点で見ると、郊外の住宅には一定のリスクが伴います。人口減少や高齢化が進む地域では、住宅の需要自体が減少しており、10年後・20年後に売却しようとしても買い手が見つかりにくくなっている可能性があります。また、公共交通機関の利便性が低いエリアでは、将来的に無価値と判断されることも珍しくありません。
このように、郊外の注文住宅は「今住むには理想的」でも、「将来的に資産として維持する」ことが難しいケースがあるため、ライフプランや地域の将来性も踏まえた判断が求められます。
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資産価値の比較データ|都市部と郊外では同じ住宅でも評価額がここまで変わる
表1は、同じ建築費(建物2500万円)で建てられた注文住宅が、都市部と郊外で10年後に売却された際の資産価値を比較したものです。駅距離や地域の需要が評価額に与える影響が明確に見て取れます。
表1
| エリア | 建築費 | 土地価格 | 合計購入価格 | 10年後の売却価格 | 資産価値維持率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 都市部 駅徒歩10分 |
2500万円 | 3500万円 | 6000万円 | 約5200万円 | 約87% |
| 郊外 駅徒歩20分以上 |
2500万円 | 1500万円 | 4000万円 | 約2500万円 | 約62% |
※筆者作成
このように、建物が同じであっても土地の評価が異なるだけで、将来の資産価値に大きな差が生じます。駅徒歩10分以内の都市部では価格の下落が緩やかであり、流動性の高さも評価ポイントになります。一方で郊外の住宅は、ライフスタイルが変化した際に売却できず、空き家リスクを抱える可能性が高まります。
ライフスタイルと資産戦略を両立させた注文住宅計画が重要
注文住宅は「今、家族が心地よく暮らすための空間」を作るものですが、将来的に資産として残る以上、「売却できる家」「評価されやすい家」であることも重要です。そのためには、単に立地だけではなく、周辺の開発予定やインフラ整備、学校や医療機関のアクセスといった中長期的なエリアの価値を見極める視点が求められます。
また、住み替えや転勤、介護、相続といった将来起こりうる変化も踏まえて、「この家は本当に手放すときに売れるのか?」という問いを持っておくことが、後悔のない住宅選びにつながります。
住宅ローンや予算だけでなく、未来の資産価値という視点からも、土地選びをすることが、理想のマイホームづくりには欠かせません。
駅近の都市部住宅は「安心して住み続けられる資産」として強い価値を持つ
注文住宅を都市部に建てるか、郊外に建てるかで悩む方は多いですが、資産価値という面では「都市部・駅徒歩10分以内」という条件は非常に強力な評価材料となります。たとえ土地が狭く建築費が割高でも、将来の売却や相続を考えたときに価値が残りやすいという点で、大きな安心材料となるのです。
一方で、郊外の注文住宅は「広さと快適さ」を手に入れやすいですが、その反面、将来の流動性や資産性に課題を残す可能性があります。どちらを選ぶかは家族のライフスタイルと価値観によりますが、「資産としての住宅」という視点を取り入れることで、後悔のない住宅選びにつながるはずです。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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