親に「子どもが小学校に入る前に家を買え」と言われ、世帯年収900万円で無理して注文住宅を購入。本当に意味はある?

配信日: 2025.10.29
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親に「子どもが小学校に入る前に家を買え」と言われ、世帯年収900万円で無理して注文住宅を購入。本当に意味はある?
「子どもが小学校に入る前に家を買った方がいい」と親から言われ、世帯年収900万円の中で少し無理をして注文住宅を購入したという家庭もあるのではないでしょうか。しかし実際に住み始めてから、「本当にこの選択は正しかったのか」「今の生活は持続できるのか」と不安に感じることもあるはずです。
 
本記事では、小学校入学前のマイホーム購入に本当に意味があるのかを、教育環境、家計への影響、そして長期的な視点から分析します。
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「小学校入学前に家を買え」は本当に正しいのか? 親世代の常識を疑う

親世代がよく口にする「小学校に入る前に家を買いなさい」という助言。その背景には「転校を避ける」「子どもが安心して育つ環境を早期に整える」といった教育的な価値観があります。確かに、一度住み始めた地域に長く住むことで、近所の友達との関係を築きやすく、学区も安定します。
 
しかし現代では、共働き世帯の増加や転職・転勤の可能性も考慮する必要があります。また、保育園や小学校も自治体によって方針が大きく異なり、住宅を買っても「思っていた教育環境と違った」と感じるケースも少なくありません。
 
親の言うことを全面的に信じて購入した結果、自分たちにとっては不都合なエリアだった、ということが起きないよう、購入時には教育面・通勤面・資産性の三点から検討すべきです。
 

世帯年収900万円で注文住宅は「無理」か「妥当」か?

世帯年収900万円というと、一般的には住宅ローンの借入可能額が5000万〜6000万円とされています。実際には年収の6倍が目安となり、住宅金融支援機構などのローン審査でも有利とされるラインです。しかし「無理して購入した」という感覚がある場合、それは返済負担率(年収に占めるローン返済の割合)が高すぎる可能性があります。
 
住宅購入後の返済負担率の基準は表1の通りです。
 
表1

返済負担率 目安となる評価 解説
~20% 生活にゆとりあり 教育・貯蓄・旅行などにもお金を回せる
21〜25% 許容範囲内 一般的な家庭での標準的な返済負担
26〜30% やや厳しい 家計管理に緊張感が求められる
31%以上 危険水準 収入減や出費増があれば返済が困難になる可能性

※参考資料を基に筆者作成
 
たとえば、月々のローン返済が15万円だった場合、年間で180万円の返済となり、年収900万円の20%に相当します。ここに固定資産税、メンテナンス費、保険料を加えると、実際の負担はより大きくなります。
 
したがって、仮に生活が圧迫されていると感じているならば、それは金額上は無理がなくとも「心理的・家計的に余裕がない状態」なのかもしれません。
 

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教育環境の安定は本当に「家を買うこと」で得られるのか?

住宅を購入する理由の中で「学区の安定」はよく挙げられます。確かに、学区が決まっていれば引っ越しをせずに済み、子どもが中学・高校へ進むまで同じ地域で生活できます。しかし、教育環境が優れているかどうかは、単に学区の範囲だけでは判断できません。
 
たとえば、以下のような条件が重視されることもあります。
 

・学校の評判(教育方針やいじめへの対応)
・学童保育の質と空き状況
・通学路の安全性(交通量、街灯の有無)
・周囲の環境(遊び場の有無、自然とのふれあい)

 
これらは、実際に地域に住んでみないと分からないことも多く、賃貸の状態で数年住んでから購入に踏み切るという選択肢も有効です。
 
また、オンライン教育やフリースクールなどの選択肢も増えており、今や「地域に縛られる教育」自体が再考される時代に入っているともいえるでしょう。
 

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家を買ったことで「失ったもの」「得たもの」を整理する

注文住宅を購入したことで手に入るのは、自由な間取り設計、家族のプライバシー、住環境の快適さといった目に見える価値です。しかし一方で、得たものばかりに目を向けると、失ったものが見えなくなります。
 
たとえば、以下のようなものを失っている可能性があります。
 

・通勤時間の短さ(郊外に引っ越した場合)
・引っ越しの自由(ライフスタイルの変化への柔軟性)
・将来の選択肢(転職・転勤の制限)
・緊急時の対応力(住宅ローンが家計を縛る)

 
このようなトレードオフを把握しておくことで、「家を買ってよかったのか」と悩んだときにも、自分たちが何を得たのか、何を我慢したのかを冷静に振り返ることができるのです。
 

家を買うことに「意味」があるかどうかは“暮らし方”で決まる

「子どもが小学校に上がる前に家を買え」と言われ、世帯年収900万円で注文住宅を購入したという行動自体に、良い悪いの答えはありません。大切なのは、その選択が自分たち家族の暮らしに合っていたかどうか、そして今後の人生にどのような影響を与えるかという視点です。
 
無理をして購入したことで生活に余裕がなくなり、家族の時間が減ったり、子どもの教育や老後資金に不安を感じたりするようであれば、本来得たかった「安心」とは逆の状態になっている可能性もあります。
 
一方で、「家族の居場所ができた」「子どもがのびのび過ごせるようになった」と感じられているなら、それは十分に意味のある選択です。
 
家は単なるモノではなく、「暮らしの土台」です。その土台をどう生かすか、どう使いこなすかが、家を買ったことの“意味”を形づくっていくのです。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

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