親の土地を初期投資300万円で“太陽光発電”に変えたら、10年で利回り12%に!でも相続や撤去費用はどうなる…?意外な落とし穴を解説
この記事では、初期投資300万円で太陽光発電を導入し、10年で12%の利回りを目指せる仕組みや、意外と知られていない相続・撤去費用といった落とし穴まで、徹底的に解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
使っていない親の土地に太陽光発電を設置するという選択肢
親から相続した土地や、長年使われていない空き地の活用先として、太陽光発電が注目されています。特に地方では「住宅にも農地にも使えない土地」や「傾斜がある場所」「山林の一部」などが増えており、利用方法に悩む人も多いのが実情です。
太陽光発電は、こうした土地を有効活用できる手段のひとつであり、日照時間や土地の形状が合っていれば高い収益性が見込める点が大きな魅力です。また、住宅やテナントなどの建築に比べて、手続きがシンプルかつ低コストであるため、初めて土地活用を行う方でも導入しやすいという利点があります。
初期投資300万円で設置可能な太陽光発電の仕組みと収支モデル
現在では、小規模の太陽光発電システムであれば、300万円前後の初期投資で設置可能となってきています。表1に、主な費用項目と収益構造をまとめてみます。
表1
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設置費用 | 約250万〜300万円 |
| メンテナンス費 | 年間2万〜5万円程度 |
| 売電収入(年間) | 約30万〜40万円 |
| 想定利回り(10年) | 約10〜12%前後 |
※筆者作成
このモデルでは、年間の売電収入によって、約8年〜10年程度で初期費用を回収できる計算になります。その後の期間は実質的な利益となり、長期的に見れば土地から安定収入を得ることができます。
もちろん、気象条件やパネル性能、メンテナンス状況によって収益性は変動しますが、他の土地活用法と比べても「手間が少なく、収益の予測がしやすい」点で人気が高い理由がうかがえます。
太陽光発電の売電契約と電力会社への手続き
太陽光発電で得た電気は、電力会社へ売ることができますが、そのためには事前の申請と契約手続きが必要になります。主に必要となるのは、次のようなステップです。
・電力会社への接続申請
・経済産業省への認定申請(FIT制度など)
・工事スケジュールの調整
・売電契約締結後の計測機器設置
このようなプロセスは、通常は設置業者が代行してくれることが多いため、個人がすべてを把握しておく必要はありません。ただし、売電価格や契約年数などの収益に直結する部分は必ず内容を確認する必要があり、安易な契約は避けるべきです。
土地活用を検討するなら
無料査定実施中! 公式サイトを見る
利回りだけで判断するのは危険? 隠れたリスクに注意
太陽光発電は「利回りが高い」として注目されることが多いですが、実際には想定していなかったコストやリスクも存在します。たとえば以下のような点です。
・台風や雪害による設備破損
・設備の劣化による発電効率の低下
・周囲の開発や建築による日照不足
・近隣からの反対やクレーム対応
特に、設備の老朽化は収益性に直結するため、定期的な点検や早めの部品交換が利回りを守る鍵となります。また、設置後の土地は「発電設備用地」として固定資産税の計算が変わることもあるため、税務上の確認も怠らないようにしましょう。
設置後に訪れる「相続」の落とし穴とは
太陽光発電設備を設置した後に直面するのが「相続」の問題です。土地だけでなく、発電設備という資産も評価対象となるため、相続税の課税対象額が想定以上に膨らむ可能性があります。
たとえば、土地は無償で親から譲られたとしても、太陽光設備に対する評価額が500万円と見なされれば、相続税の課税ベースにその金額が加算されることになります。相続人が複数いる場合には、設備の所有権や売電収入の分配方法なども整理しておく必要があり、トラブルの火種となるリスクも否定できません。
事前に税理士に相談し、設備の減価償却や贈与の取り扱いについて明確にしておくことが、相続トラブルを未然に防ぐ大切なステップとなります。
見落としがちな撤去費用の現実と将来設計
太陽光発電システムは永遠に使えるわけではありません。耐用年数はおよそ20年〜25年程度とされており、それを超えると発電効率が著しく低下します。そのため、いつかは撤去する時期が必ずやってくるという前提で、設置時から将来の計画を立てておくことが重要です。
撤去費用の相場は、10キロワット前後の設備で30万円〜50万円前後とされています。設置費用と比較すれば少額ですが、収支の最終結果に影響を与えるため、利回り計算の際には「撤去費用」も必ず含めるようにしましょう。
また、撤去後の土地の利用目的についても考えておくと、次の活用へとスムーズに移行できます。
まとめ
親から譲り受けた土地を活用して太陽光発電を導入することは、初期投資が300万円前後で済み、10年で利回り12%を目指せる現実的な資産運用手段です。しかし、売電収入だけに注目して判断してしまうと、相続・税金・撤去といった見落としがちなコストや法的リスクに直面する可能性があります。
将来的なトラブルを防ぎ、安定した収益を得るためには、設置前に専門家へ相談し、税務・法務・撤去費用を含めた総合的な収支プランを立てることが大切です。「土地があるから何か始めたい」と考えている方は、収益と責任を見極めた上で、安心できる土地活用を進めていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
土地活用を検討するなら
無料査定実施中! 公式サイトを見る










