「節税になりますよ」の言葉を信じて建てた「2000万円」のアパート。なかなか満室にならず「月10万円」以上の赤字に…。“節税目的アパート経営”の危険な勘違いとは

配信日: 2025.11.22
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「節税になりますよ」の言葉を信じて建てた「2000万円」のアパート。なかなか満室にならず「月10万円」以上の赤字に…。“節税目的アパート経営”の危険な勘違いとは
「相続税対策になります」「節税になりますよ」そんな言葉を信じてアパート経営を始めたものの、現実には空室が埋まらず、毎月赤字が続く……という声が後を絶ちません。
 
この記事では、実際に2000万円かけてアパートを建てたにもかかわらず、月10万円以上の赤字に苦しむ事例をもとに、節税目的のアパート経営が持つ危険性や、よくある“勘違い”について詳しく解説します。
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節税目的で始めたアパート経営の落とし穴とは

相続対策や所得税の節税として「アパート経営」はよく紹介されますが、収益性が十分に確保されない場合、それは単なる“赤字物件”になってしまいます。特に、営業担当者から「建てれば入居者はつく」と甘い見通しを提示され、立地や需要の調査をほとんど行わずに建築してしまうと、稼働率が低く、経営が破綻するリスクが高くなります。
 
アパートを建てた当初の節税メリットは、減価償却費やローンの支払いを経費にできるという点です。しかし、これらの節税効果は年数が経過するごとに小さくなり、固定資産税やメンテナンス費用、空室による損失が赤字を拡大させていきます。
 

実際の収支シミュレーションと赤字の現実

仮に、2000万円でアパートを建築し、全4室のうち1室が常に空室の状態で稼働すると仮定した収支モデルを表1に示します。
 
表1

項目 月額(概算)
家賃収入(1室5万円×3室) 15万円
ローン返済 10万円
固定資産税・管理費 3万円
修繕・積立費用 2万円
月間収支 ▲10万円(赤字)

※筆者作成
 
俵1にあるように、満室経営でない場合、赤字が慢性的に発生し、節税どころか「持ち出し」で資金が流出する状態に陥ることが少なくありません。さらに、老朽化が進めば入居率はさらに下がり、リフォームや入居促進費用が追加でかかるため、長期的な収益はますます悪化するリスクがあります。
 

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「節税になる」と言われて誤解しやすい3つのポイント

節税目的でアパート経営を始めた人が誤解しがちな点は、大きく以下の3つです。
 
・節税=収益ではない
税金を減らすことと、利益を得ることは本来別の話です。節税できても、赤字が膨らめば資産を減らす結果になります。
 
・将来の相続税対策として過大評価してしまう
建物を建てることで土地評価を下げられるのは事実ですが、入居率が低くなれば資産価値の下落につながり、相続後に不動産が「負の遺産」になるケースもあります。
 
・空室リスクを軽視してしまう
「新築だから埋まる」といった希望的観測に基づいた経営は危険です。立地や周辺環境、競合物件を冷静に分析したうえで、現実的な稼働率を見込む必要があります。
 
このような“勘違い”が積み重なることで、「税金は少し減ったが、資産も失った」という事態を招いてしまいます。
 

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アパート経営は「事業」であるという認識を持つべき

アパート経営は、単なる“節税ツール”ではなく、本来はれっきとした不動産事業です。つまり、収益と費用、損益計算を徹底して行い、継続的な利益が見込めるかどうかを客観的に判断することが求められます。
 
物件を所有すれば、固定資産税・保険料・メンテナンス・修繕・空室対応といった、様々なコストが継続的に発生します。加えて、入居者のニーズに応えるリフォームや管理会社との調整など、「建てたら終わり」ではなく、継続的な運用が必要となります。
 
そのため、相続対策や節税対策としてアパート経営を考える際も、少なくとも「事業として成り立つかどうか」の視点で採算を見極めることが必要不可欠です。
 

まとめ

「節税になりますよ」と言われて建てた2000万円のアパートも、満室経営ができなければ月10万円以上の赤字に陥ることは珍しくありません。節税目的だけにとらわれたアパート経営は、事業としての視点を欠いていると、後に大きな負債としてのしかかってくる可能性があります。
 
相続や節税を意識するのであれば、「本当に長期的な利益が見込めるか」「立地や需要はどうか」といった点を、冷静に分析した上で判断することが重要です。不動産は売却や撤退が簡単ではないからこそ、慎重な見極めと、将来を見据えた経営判断が必要不可欠です。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

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