今売れば「3000万円」と査定された茨城県の実家。しかし母が「死ぬまで出ない」と言い張ります…。茨城県でこの価格なら売却したほうがいいですよね?

配信日: 2025.11.25
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今売れば「3000万円」と査定された茨城県の実家。しかし母が「死ぬまで出ない」と言い張ります…。茨城県でこの価格なら売却したほうがいいですよね?
「実家が3000万円と査定された。でも母が住んでいるから売れない……」そんなジレンマに頭を悩ませていませんか? 特に茨城県のようにエリアによって価格差が大きい地域では、「今売るべきか」「残すべきか」の判断が難しくなります。
 
本記事では、実家が高く売れる今こそ注意すべき「売却タイミング」と、親が住み続けたいと主張する中での現実的な選択肢について詳しく解説します。
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茨城県の実家が「3000万円」と査定されるのは高いのか?

結論から言えば、茨城県内で3000万円という査定額は決して低くありません。県内でも人気の高いつくば市、水戸市、守谷市などであれば3000万円以上の成約例もありますが、それ以外の地域では2000万円を下回る査定も少なくありません。
 
表1は、茨城県内の代表的な市町村ごとの平均的な戸建住宅の査定相場の一例です。
 
表1

エリア 査定相場(築20年・土地50坪)
つくば市 約3300万円
水戸市 約2900万円
日立市 約2400万円
古河市 約2600万円
常陸大宮市 約1800万円

※筆者作成
 
このように、3000万円の査定額がついているということは、条件の良い立地・状態の良い建物である可能性が高いと考えられます。
 

なぜ今「売却」を考えるのか? 背景には不動産市況の変化

「売るなら今」と考える背景には、近年の不動産価格上昇と、今後の下落リスクが大きく関係しています。コロナ禍以降、郊外住宅地の需要が高まった一方で、金利上昇や住宅ローン審査の厳格化により、これから需要が鈍化する懸念も出ています。
 
加えて、築年数が経過するほど資産価値は減少していきます。特に築30年を超えると「建物の価値はゼロ」と見なされ、土地だけの評価で売却せざるを得ないケースもあります。
 
つまり、今は高めの査定額が出ても、数年後には数百万円単位で評価が下がる可能性もあり、「売り時を逃さない」ことが非常に重要になります。
 

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「母が出たくない」と言うとき、無理に売るべきではない理由

しかし、親が実家に住み続けたいと強く希望している場合、売却を強行することは心理的にも法的にもおすすめできません。なぜなら、親が居住している不動産は「生活の本拠」と見なされ、売却するには原則として居住者本人の同意が必要だからです。
 
また、売却後の住まい確保や引越しの精神的・身体的負担も大きく、家族関係の悪化にもつながりかねません。特に高齢の親の場合、住み慣れた環境を離れることは、認知機能の低下や健康リスクを高める恐れもあるため、「無理に出てもらう」という選択は現実的ではないと言えるでしょう。
 

母が住みながら「将来的な売却」を見据えて準備する方法

とはいえ、将来に備えて今からできることもあります。たとえば「リバースモーゲージ」や「売却予約型賃貸」など、親が住みながら資産化する制度を検討するのも一つの方法です。
 
リバースモーゲージとは、高齢者が住み続けながら、自宅を担保に融資を受ける制度で、本人が亡くなった後に売却して返済に充てる仕組みです。これにより、現金化はできなくても、資産の有効活用が可能になります。
 
また、「親が亡くなった後に売却予定である」と明確にしておけば、事前に不動産会社と相談し、相場動向を定期的に確認する体制を整えることも可能です。
 

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将来の相続に向けて話し合うべきタイミングと内容

実家の売却をめぐって家族間に溝が生まれることは避けたいものです。そのためには、親が元気なうちに「将来どうするか」を話し合うことが不可欠です。
 
具体的には、以下のような点を確認しておくとよいでしょう。
 

・親が亡くなった後、誰が相続するのか
・売却による分配か、それとも特定の子が住み続けるのか
・リフォームや解体の必要性、費用分担の方針
・固定資産税や維持管理費を誰が負担しているか

 
これらを事前に話し合っておくことで、売却時に「揉める」「準備不足で損をする」というリスクを大幅に減らすことができます。
 

まとめ

3000万円の査定がついた茨城県の実家は、エリア的に見ても好条件の可能性が高く、「今売れば得」という見方もできます。しかし、実際にお母様が「住み続けたい」と主張しているのであれば、無理に売却するのではなく、今のうちから将来の選択肢を整理し、家族で共通認識を持っておくことが大切です。
 
不動産は“お金”であると同時に、“家族の記憶”でもあります。だからこそ、感情と合理性のバランスをとりながら、納得できる判断を下していくことが、後悔しない道につながります。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

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