祖父母名義の土地について、「何もしないと相続した世代がお金を払い続けるだけになる」と言われました…子や孫に負担を残さないために、いま現金化と活用のどちらを選ぶべきなのでしょうか?
「誰も住んでいないけれど、祖父母がずっと持っていた土地がある」「名義変更もせず、税金だけ払い続けている」──そんな使われていない土地が、家族の中で曖昧に存在しているケースは珍しくありません。相続の対象になっているけれど、誰がどう扱うか決まらず、結局お金だけが出ていく状態が続いてしまう。そして、その負担はいつの間にか子や孫の世代へと引き継がれます。この記事では、「今のうちに現金化するべきか」「収益源として活用できないか」という判断を、家計や相続・将来の負担という視点から丁寧に考え直していきます。
何もしないまま所有することで、子や孫に何が残ってしまうのか
土地という資産は、活用すれば大きな価値を生み出す一方、放置すれば負担にしかならないという性質を持っています。祖父母名義のまま手をつけられていない土地は、今後、相続が発生した際に相続人が対応を迫られます。
まず、最も現実的に発生するのが固定資産税です。建物がない土地であっても、課税対象であり、毎年数万円から十数万円が発生します。使用していないのに出費だけが続くという状況は、家計の圧迫を招くだけでなく、精神的にも手を付けていない資産へのプレッシャーとなってのしかかってきます。
さらに厄介なのが、名義が古いままの場合です。祖父母名義のままでは売却もできず、活用も制限され、相続人間での調整が必要になります。手続きが煩雑なうえに、放置するほどに名義人が増え、将来的には相続人が誰か分からない状態にもなりかねません。そうなれば、土地を動かすために調査・手続き・交渉と多大な労力が必要になり、結果として「どうにもならない資産」が残ってしまいます。
こうしたリスクを回避するには、「今、意思を持って動かすこと」が必要不可欠です。
現金化する選択肢:今動けば、将来の負担をゼロにできる
土地を売却するという選択は、維持費・管理・相続などすべての負担をなくす最も確実な方法です。現時点で使い道がない、立地的にも活用が難しい、相続人が複数いてまとまりにくいという場合には、今、少しでも価値があるうちに売るという判断が、未来のトラブル回避と家計改善の両方につながります。
たとえば、都市部から離れた郊外の土地であっても、近隣に物流施設や資材置き場、太陽光発電関連の需要がある場合は、まとまった価格で買い取ってもらえる可能性もあります。また、売却益を現金として保有することで、老後資金や住宅ローンの返済、子どもの教育費など、今の生活に役立てることができる形に変換できます。
何より、売却してしまえば固定資産税の支払いも不要になり、今後の家計において目に見えない出費が一つ減ることになります。長期的な資産価値を追い求めて、結果として税金を払い続けるよりも、今の段階で資産整理を済ませることで、気持ちにも大きな余裕が生まれるはずです。
土地活用の選択肢:維持しながら負担を減らすという柔軟な発想も
ただし、すぐに売却することに抵抗がある、あるいは「将来的に使う可能性がゼロではない」という場合には、土地を収益源に変えるという方向も視野に入れておくべきです。
最近では、郊外や農地に近いエリアでも、家庭菜園としての貸し出し、資材置き場や駐車場への転用、さらには太陽光発電設備の設置など、収益化の手段は多様化しています。月々1万〜3万円程度の収入であっても、年間の固定資産税をまかなえるだけの効果はあり、持っていることで赤字にならない状態を実現することができれば、それだけで十分意味があります。
また、活用を進めることで土地のメンテナンスが行き届き、草木の放置や不法投棄といったリスクも抑えられます。将来的に売却する際も、「きちんと管理されていた土地」であることは、資産価値の維持にもつながります。
ただし、活用には管理や初期整備の手間がかかるため、すぐに自分で動けない場合は、管理会社や土地活用専門業者に相談するなど、委ねられる体制を早めに作っておくことが前提となります。
まとめ
相続した土地を何となく持ち続けているうちに、その土地が負債として次の世代に引き継がれてしまう──そんなケースは決して珍しくありません。放置すればするほど、名義も分散し、管理も難しくなり、売るにも貸すにも手が付けられなくなる。
だからこそ、動ける今の世代が判断することが、子や孫にとって最も価値のある選択です。
土地を現金化して家計をスッキリさせるもよし、少しずつ収入を得ながら将来に残すもよし。大切なのは、どちらの選択であれ「家族に負担を残さない」という明確な意思を持って動くこと。
使わないまま維持費だけ払い続ける土地を、「収益を生む資産」あるいは「トラブルを避けるための整理済み財産」へと変える一歩を、いま踏み出してみてはいかがでしょうか。