共働き夫婦で「家事がラクになる間取りにしたい」と注文住宅を検討中ですが、予算がどんどん膨らんでいきます…生活を助ける設備にどこまでお金をかけるべき? 逆に削っても困らないポイントはどこ?
家事をラクにするは理想だけど、すべてに投資はできない
注文住宅の打ち合わせが進む中で、「ここを広くすれば動線が良くなる」「収納は多いほど便利」「乾太くんも付けたい」など、家事の負担を減らすための設備や間取りのアイデアは次々と出てきます。たしかに、そうした機能的な設計は暮らしを快適にし、忙しい毎日にゆとりを生んでくれます。
ただし、それらをすべて取り入れていくと、建築費用は急速に膨らんでいきます。例えば、ランドリールームや回遊動線のある間取り、大容量の造作収納、ビルトイン家電などは、ひとつひとつが数十万円単位のコストを伴います。さらに水回りの位置や構造の複雑化は、建築コストにも直接影響を与えます。
つまり、「家事をラクにしたい」という思いをすべて形にしようとすれば、生活を助けるはずの家が、今度は家計を苦しめる存在になってしまいかねないのです。だからこそ重要なのは、本当に毎日使うものとなくても困らないものの線引きを冷静にすることです。
優先すべきは生活動線と時短効果が大きい設備
予算に限りがある中で、投資すべき価値があるのは、日々の家事時間を確実に短縮してくれる設備です。たとえば、キッチンと洗面所の行き来がスムーズな動線設計や、脱衣所からすぐ干せるランドリースペース、パントリーや回遊収納などの動作効率を高める仕組みは、毎日繰り返される家事の中でストレスを減らしてくれます。
また、食器洗い乾燥機や洗濯乾燥機、宅配ボックスのような時間を生み出す家電は、共働き家庭にとっては高い費用対効果が見込めます。これらは設備投資でありながら、家族の時間や自分の休息という目に見えないリターンをもたらしてくれるため、積極的に取り入れる価値があると言えます。
さらに「掃除がしやすい床材」「手入れのいらない外壁」「汚れが目立ちにくい建材」など、日常の手間を減らす工夫も長い目で見ると生活の質を保ってくれるポイントです。見た目ではわかりにくいですが、ラクを続けられる仕組みを優先することで、家は確実に味方になってくれます。
妥協しても問題がないのは演出要素と過剰な収納
一方で、予算が厳しくなる場面では、見た目の演出にかかる部分は見直しやすいポイントです。たとえば、アクセントクロスや間接照明、玄関やリビングの吹き抜け、勾配天井など、たしかに空間をおしゃれに見せてくれる要素ですが、生活の本質には直接影響しないため、コスト調整の際には削っても日常の不便さにはつながりにくい部分です。
また、収納に関しても多ければ良いわけではありません。造作収納やウォークインクローゼットをいくつも作ってしまうと、建築コストだけでなく、室内の面積を圧迫することにもなります。使いきれない収納は、かえって「物が増える原因」になってしまうこともあるため、本当に必要な場所に必要な分だけの収納を確保する、という考え方に切り替えることで、コストもスペースも効率化が図れます。
つまり、暮らしのえ方より動き方を重視することが、予算オーバーを防ぎつつ家事ラクを叶えるコツなのです。
まとめ
注文住宅は、自分たちの暮らしにぴったり合った家を作るチャンスです。だからこそ、「あれもこれも叶えたい」と思うのは自然な流れ。しかし、共働き家庭にとって本当に大切なのは、家に助けてもらいながら、家計にも無理がない状態を保ち続けることではないでしょうか。
暮らしやすさを考えるとき、まず注目したいのは「毎日必ず行う家事」と「その動線のスムーズさ」。この2つを軸に考えることで、予算をかけるべき設備と、あえて割り切るポイントが見えてきます。
生活の効率が上がり、時間にも心にもゆとりが持てる家づくりは、見た目の華やかさや機能の多さよりも、暮らしの中で本当にラクになる仕組みを優先してこそ実現できます。今の自分たちのライフスタイルに合ったちょうどいい選択を、予算と向き合いながら見つけていきましょう。