更新日: 2019.11.12 その他資産運用
先行きが不安定な時代に見つめ直す「個人向け国債」とは?
将来へ向けた貯蓄に精を出しても、現在は預金も超低金利ですから「運用してお金を増やそう」という発想になる方も多いかと思います。とはいっても、経済の先行きが不透明だと運用は怖いですよね。
本稿では、個人向け国債について見ていくことにします。
執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)
株式会社fpANSWER代表取締役
専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。
目次
まず債券についてのおさらい
国債は日本政府が発行する債券です。債券はほかに、東京都や横浜市などの地方自治体が発行する地方債、民間企業などが発行する社債などがあります。
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個人向け国債に投資をするには?
個人向け国債は、銀行や証券会社、郵便局で取り扱われています。
まず証券総合口座や銀行の総合口座などの開設手続きを行います。すでに口座を持っている証券会社や銀行などでしたら、手続きがスムーズなのではないでしょうか?
また個人向け国債の購入にあたっては、投資信託や株式などとは異なり、購入時手数料や取引時手数料などはかかりません。
個人向け国債に投資する金額を、証券会社のMRFや銀行の普通預金口座などに準備しておけばよいのです。1万円以上、1万円単位で投資することができます。
個人向け国債は債券ですが、実際に券面が渡されるわけではありません。個人向け国債に投資した旨の記録が、証券会社や銀行などで保管されるだけです。しかしその保管にあたっては「保護預かり手数料」などがかかる場合があります。
個人向け国債に投資をするときに留意しておきたいこと
中途換金における利息の返還については、前稿で紹介しましたのでここでは割愛します。なお、銀行で個人向け国債に投資をしても、預金保険機構の保護の対象外です。
いかに国が個人を対象に発行する個人向け国債であっても、預金ではありません。そのためクーリングオフ等もありません。
また個人向け国債は、証券会社や銀行が営業していればいつでも投資できるわけではなく、「募集期間」内に投資する旨の手続きを行います。
そして個人向け国債の発行は毎月1回です。なお個人向け国債の条件(利率・利息の受取日・償還日=満期日)は発行する月によって異なります。
マイナス金利の現在も、個人向け国債の金利は最低保証の0.05%が続いています。定期預金の0.01%に比べると5倍の利率です。
利息を受け取る回数は1年に2度(=半年に一度)と定められており、満期日は発行から3年・5年・10年のいずれかとなります。
以下、個人向け国債の満期による違いを見ていくことにしましょう。
10年満期の個人向け国債
中でも「満期10年間」の個人向け国債は「変動金利」です。
半年ごとに市中金利に応じて適用利率を見直すことになっていますが、最近では見直しても最低保証の利率が続いています。しかし、満期までには10年もの時間があります。
今後、市中金利しだいで利率が上がる可能性もあります。逆に市中金利がどんなに下がったとしても、利率は0.05%を下回ることはありません。
5年満期・3年満期の個人向け国債
ほかにも個人向け国債には「満期5年」と「満期3年」があります。どちらも固定金利です。
固定金利とは募集時に定められた利率が満期までの間、ずっと変わらないという意味です。
個人向け国債は価格の変動がありません。また、中途換金についてもルールが決まっています。将来、いくらの利息を受け取ることができ、中途換金もしくは満期時に、いくら返ってくるのかが分かります。
株式や投資信託などは「将来いくらになるのかは運用の成果しだい」です。「固定金利の個人向け国債は計画的な運用ができる」ということがいえそうです。
個人向け国債について、まとめ
定期預金の利率には最低保証がありませんので、今後、定期預金の利率が下がることもあり得るでしょう。しかし繰り返しになりますが、個人向け国債は0.05%の最低利率が保証されています。
満期を迎えた個人向け国債を改めて個人向け国債に投資する場合でも、その利率はやはり0.05%が保証されていますから。
資産運用の第一歩として、個人向け国債への投資を検討なさってみるのはいかがでしょうか?
【出典】
北陸銀行 「公共債に関する留意点」
財務省「『変動10年』商品概要」
ゆうちょ銀行「国債購入にあたっての留意事項」
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役