最終更新日: 2020.02.19 公開日: 2020.02.21
相続

「空き家になった実家、売ろうかな…」そんなときに利用できる特例とは

執筆者 : 小山英斗

平成31年度(2019年度)の税制改正で「被相続人の空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」の適用期間が2023年12月31日まで延長されました。
 
あわせて、被相続人の直前住居要件(相続開始直前まで被相続人が住んでいること)も一部緩和されています。一人住まいだった親が亡くなった後、空き家になった実家を相続人が売る場合に利用できる特例を改めて確認してみたいと思います。
 
 
小山英斗

執筆者:

執筆者:小山英斗(こやま ひでと)

CFP(日本FP協会認定会員)

1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ

人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。

「未来が見えるね研究所」では、多くの人と多くの未来を一緒に描いていきたいと思います。
https://miraiken.amebaownd.com/

詳細はこちら
小山英斗

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執筆者:小山英斗(こやま ひでと)

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被相続人の空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例とは?

被相続人の空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例(以下、空き家特例)とは、空き家の実家を譲渡したとき、所定の要件を満たす場合に譲渡所得から最大3000万円を控除するというものです。
 
「空き家の譲渡所得の3000万円特別控除」と呼ばれたりもします。この空き家特例は近年増加傾向にある空き家の発生を抑制するために、相続によって空き家となってしまった家屋等を売却しやすくするために導入されたようです。
 
譲渡所得は以下の式で求められます。
譲渡所得 = 譲渡価格 -(取得費+譲渡費用)
 
そして、空き家特例を適用した場合は、以下の式で譲渡所得が求められます。
譲渡所得 = 譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)- 特別控除3000万円
 
なお、取得費は被相続人がその不動産を取得したときにかかった費用となります。取得費が分からない場合には譲渡価額の5%を取得費とすることも可能です。
 

空き家特例の具体的な適用要件等

空き家特例の適用対象となる物件は「相続開始の直前まで被相続人が住んでいた居住用の家屋とその敷地」です。また、その前提として以下の3つの条件を満たしていることが必要です。
 
1 家屋が区分所有建物登記がなされている建物(マンション等)でないこと
2 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築されたものであること
3 相続開始直前まで被相続人以外に同居人がいなかったこと

 
適用対象となる人は上記の物件を相続または遺贈により取得し、2023年12月31日までに譲渡した人です。そして前提条件として以下の2つを満たしていることが必要です。
 
1 相続が開始した日から3年を経過する日の属する年の年末までに譲渡すること
2 譲渡対価が1億円以下であること

 
また、譲渡までに以下の要件を満たしていることが必要です。
 
1 譲渡のときにおいて一定の耐震基準を満たしていること
2 相続のときから譲渡のときまで事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていたことがないこと

 
1の基準を満たさない場合には、空き家の家屋を新耐震基準に適合するようリフォームして譲渡するか、家屋を除去し敷地のみにして譲渡することになります。
 
また、2の基準については相続してから譲渡するまでに家屋や敷地を相続人が人に貸していたり、家屋を取り壊した土地を駐車場などに利用していたりなど、他の用途に使用していないことが必要です。
 

被相続人が老人ホーム等に入所していた場合

空き家が増加している背景にはさまざまな要因があるようですが、高齢化による介護施設の利用増加も空き家増加の要因となっているようです。
 
そのため、空き家特例は相続開始直前まで被相続人が住んでいること(直前住居要件)が適用対象でしたが、2019年の税制改正で一部要件が緩和されました。一人親が老人ホーム等に入所していて相続開始以前から空き家であった場合でも、以下の要件を満たす場合に限り、空き家特例を受けられるようになります。
 
1 被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続開始直前まで老人ホーム等に入所していたこと
2 被相続人が老人ホーム等に入所をしたときから相続開始直前まで、その家屋について、被相続人による物品保管等一定の使用がなされ、かつ、事業目的や貸付け等に使用されていないこと

 

その他の注意点

空き家特例は家屋とその敷地が対象となりますが、家屋と土地を別々の相続にて相続した場合は注意が必要です。家屋を相続した相続人は空き家特例の適用を受けることができますが、土地を相続した相続人は空き家特例の適用を受けることができません。
 
また、相続した不動産等の譲渡については、相続税の申告期限から3年以内に譲渡した場合、所定の相続税額を譲渡所得の計算上取得費に加算する「取得費加算の特例」がありますが、空き家特例と併用はできません。どちらかの選択になります。
 
他にも不動産に関係する特例にはマイホームが対象の「居住用財産(不動産)を譲渡した場合の3000万円特別控除」の特例があります。こちらと空き家特例の併用はできますが、この場合は合わせて3000万円が控除の限度となります。
 

まとめ

相続によって取得した空き家は思い出深い実家である場合や、処分等にも費用がかかる場合が多いため、どうかしようと思っていてもなかなか決心がつきにくいかもしれません。
 
それでも空き家は維持管理面でも負担は発生します。また、管理されずに放置されると特定空き家(そのまま放置すると衛生上・保安上著しく危険となる恐れのある建物)と認定され、土地にかかる固定資産税の優遇措置が適用されなくなる等の不利益を被る可能性があります。その場合には、各市町村の指導や命令の対象にもなってしまいます。
 
税理士などの専門家の助言も得ながら対策について早めに家族で話し合うようにしましょう。
 
執筆者:小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)

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